【ライトノベル】ラノベの草分け。新井素子さんについて
2015年12月1日 更新

【ライトノベル】ラノベの草分け。新井素子さんについて

「ラノベ(ライトノベル)」の草分け的存在、新井素子さんについてまとめてみました。

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新井素子さんの歴史

作家:新井素子 

作家:新井素子 

1960年8月8日生まれ
ライトノベル作家の草分け的存在と知られている。
夫は、書評や文庫解説などを手がけている手嶋政明。
日本SF作家クラブ元会長。日本推理作家協会会員。
東京都練馬区生まれ。両祖父、両親が共に講談社に勤めていた。実家には常に大量の本があったため、多くの本に接して育った。

1977年、東京都立井草高等学校2年生の時、第一回奇想天外SF新人賞に応募した『あたしの中の……』が佳作入選。審査員の星新一が絶賛し最優秀作に推したが、小松左京や筒井康隆らが目新しい文体に違和感を覚え反対したため佳作となった。星は入選決定後に、新井素子の父が東京大学農学部での同級生だったことを知った。また、新井も星のファンであり、初めて読んだSFが星の『妖精配給会社』

高校2年という若さでの受賞及びデビューは文学界にも衝撃を与え、『ふぁんろーど』 の特集などで「SF界のプリンセス」と称された。北野勇作や久美沙織ら同世代の作家に強い影響を与えたといわれている。

※ふぁんろーど:1980年創刊のアニメ雑誌。一応アニメ雑誌と分類されているが内容の9割が読者の投稿で作られていた凄い本。
アニメに限らず芸能、ゲーム、グルメ、特撮など様々なジャンルを取り扱っていた。ライバルとして『OUT』という雑誌もあり、こちらはまだアニメをちゃんと取り扱っていた。

立教大学文学部ドイツ文学科に在籍しながら作家活動を続け、
1981年『グリーン・レクイエム』で第12回星雲賞日本短編部門受賞。
1982年『ネプチューン』で第13回星雲賞日本短編部門受賞。
1999年『チグリスとユーフラテス』で第20回日本SF大賞を受賞。

作品集

星へ行く船

星へ行く船

1980年、『高一コース』(学習研究社)4月号から9月号まで連載された。
題名の上に『ロマンチックSF』と書いてあります(笑)
ラジオドラマ化、カセット文庫化(後にCD化)、漫画化されている。
「星へ行く船」を第1話として、第2話「雨の降る星 遠い夢」で一巻としている。この後シリーズが続く。
宇宙で普通に生活出来る未来で、主人公森村あゆみが地球から家出する。
その船内での事件の話です。
通りすがりのレイディ

通りすがりのレイディ

通りすがりのレイディ(1982年1月刊行)
星へ行く船の続編です。
水沢総合事務所、火星、そして宇宙に散らばった全人類を巻き込む事になる大事件が発生する。

カレンダー・ガール(1983年1月刊行)
シリーズ3作目、勤め先の所長夫妻の新婚旅行先で起こったハプニングの顛末。

逆恨みのネメシス(1986年9月刊行)
そして、星へ行く船(1987年5月刊行)
シリーズ4作目5作目 過去の事件と、あゆみの持っていた不思議な能力、それについての彼女の葛藤を描いた、連続した話。
いつか猫になる日まで

いつか猫になる日まで

1980年19歳の頃の作品です。
特殊能力を持つ6人が地球をめぐる宇宙人同士の争いに巻き込まれると言うお話。
SFコメディになるのかな・・・ぬるーいアベンジャーズみたいなもんです。いやX-MENか・・・
語り手の主人公、海野桃子(もくず)は自分だけ能力を持っていない事で葛藤します。ありがちな成長譚っぽいところもありますが切り口が面白い作品です。
カセット文庫も出ています。
グリーン・レクイエム

グリーン・レクイエム

1980年の作品 短編「週に一度のお食事を」吸血鬼の話。「宇宙魚顛末記」地球滅亡の危機の話。を含む。
奇想天外社(1980年/第12回星雲賞日本短編部門受賞)
1985年に映画化、文月今日子(1984年)春名里日(2003年)により漫画化
ラジオドラマ化、イメージアルバムも出ている。
新井素子の初期代表作。
主人公は植物学者助手嶋村信彦。彼は長い髪を持つ22歳の女性・三沢明日香に恋心を抱く。しかしその女性は幼い頃に会った緑色の髪の少女の成長した姿だった・・・

SFファンタジーなのかな・・・新井ワールド全開で好きな作品です。
扉を開けて

扉を開けて

1981年、亜藤潤子により漫画化(白泉社)、1986年にはアニメ映画化されています。
ジャンル的にはファンタジーです。
主人公、根岸美弥(通称ネコ)は超能力を持つ大学三年生。
隣人で同じく能力者26歳の斉木杳(はるか)と大学で出会った山岸桂一郎と共に異世界へと引き寄せられます。
そこで、"扉を開ける者(ネリューラ)"と呼ばれ異世界の戦争へと巻き込まれます。
実世界では異端とされていても異世界では英雄になれるというストーリーは『ナルニア国物語』に近いものがありますが、それより軽いテイストで読みやすいと思います。
ひとめあなたに・・・

ひとめあなたに・・・

1981年の作品で1985年に単行本化されています。
恋人、朗から別れを告げられる主人公の女子大生圭子。翌日ニュースで「1週間後、地球に隕石が衝突して人類が滅亡する。」という事を知ります。圭子は交通機関が止まってしまったにも関わらず、練馬から鎌倉まで歩いて朗に会いに行くというお話。(朗は実は癌だった)
SFと言えばSFですが、科学者も、核爆弾を載せて隕石に突っ込む宇宙飛行士も、隕石に穴を開ける石油採掘のおっさんも、出て来ません。
出会った4人の女性の狂気のストーリーを挟んでやがて鎌倉に辿り着きます。そこで圭子は・・・・
人間の狂気を扱った感じはホラーに近い物もありますが、基本はラブストーリーだと思います。
代表作では無いかも知れませんが個人的には一番好きな作品です。
ラビリンス-迷宮

ラビリンス-迷宮

1982年の作品です。画像の帯に書かれていますがファンタジー作品です。

村の誰よりもすぐれた身体能力を持つサーラと、神官の娘で誰よりも聡明なトゥード。「人を喰らう」という「神」の生け贄になるために、2人は迷宮へと向かう。サーラは道具として生きる人生に別な答えを出すために、トゥードは神の持っている知識を分け与えてもらうために。2人が出会った神は、実は人工的に生み出された生き物で…。

新井素子作品の中では、特に読み応えのある一冊です。
迷宮のあり方とか神の存在の設定が面白いです。これも好きな作品ですね。
二分割幽霊綺譚

二分割幽霊綺譚

1983年の作品。くりた陸により漫画化、NHKでラジオドラマ化もされています。
仮性半陰陽であることが判明して思春期に男から女へと性の転換を経験した為、人生に対して何も期待することができなくなった主人公が巻き込まれた不思議な冒険についての物語。
SFファンタジーです。幽霊が出て来ますが怖い話と言うよりは不思議な話。『扉を開けて』の登場人物もちょこっと出ます。
・・・・・絶句

・・・・・絶句

1983年の作品です。1984年にはラジオドラマ化されてます。
装画は吾妻ひでお氏です。懐かしい(笑)
主人公は新井素子さん本人で、ある事がきっかけで小説の中の登場人物が
実際に現れちゃうと言うお話。メタフィクション物なのかな。
ドタバタコメディかと思いきや途中から複雑な話になっていきます。
下巻の展開は面白いですよ。

ブラックキャット シリーズ

ブラックキャット シリーズ

ブラックキャット① 1983年作品
「運動のできない泥棒」「天才的に不器用なスリ」「虫も殺せぬ殺し屋」の3人組怪盗の活躍を描いています。

ブラックキャット②(ナイト・フォーク)1984年作品
スリの千秋は女子中学生青木春美と知り合います。
彼女の級友で超能力者南くんと共に新しい獲物を狙います。

ブラック・キャット③(キャスリング)1994年作品
獲物は前々から狙っていたブルーダイヤのネックレス「海の涙」
深い因縁がある持ち主のララベス妃と刑事ひろふみが絡み物語は進みます。

ブラック・キャット④(チェックメイト)シリーズ完結編2003年作品
「海の涙」事件の後、アジトを動かずに何かを待つキャット達。
やがてあの人からのメッセージが届き、美術館を舞台にキャッツ最後の対決が始まる。
あなたにここにいて欲しい

あなたにここにいて欲しい

1984年の作品 1992年に映画化されています。
小学生からの付き合いで、二十三歳になった今でも特別な関係で強い絆を持つ真美と祥子。しかし、綾子と名乗るカウンセラーと出会ってから、祥子の様子がおかしくなり、忽然と姿を消してしまった・・・
珍しく青春ものです。ですが人間の狂気的な側面も描かれていて読み応えあります。
結婚物語

結婚物語

1986年/1987年の作品。沢口靖子、陣内孝則の主演でドラマ化
若手女性作家・原陽子と大学時代の同期生・大島正彦の結婚をめぐるラブコメディ

新婚物語 1987年作品。1988年に同キャストでドラマ化されています。
ドタバタのすえ結婚した二人の結婚記念日を迎えるまでの一年間の話

銀婚式物語 2011年の作品。
銀婚式の朝、24年間を振り返る話

ラブコメ好きな人は読んでもいいかも・・・ 
今はもういないあたしへ・・・

今はもういないあたしへ・・・

1987年の作品
交通事故で瀕死の重傷を負った少女は、半年の昏睡から目覚めた。身体に傷は残っていないにもかかわらず、事故の後遺症か、彼女は外界に対する現実感を喪失したまま悪夢に悩まされつづける。そして次第に明らかになっていく恐るべき事実…
久しぶりのSF物。このタイプの作品がやっぱり面白い。
おしまいの日

おしまいの日

1992年の作品。1993年NHK-FMでラジオドラマ化、主演:谷山浩子。1999年映画化、主演:裕木奈江。
三津子と忠春は結婚七年、夫婦仲よく、絵に描いたように幸せな生活を送っていた。ただ深夜まで毎晩仕事の忠春を心配する三津子。
やがて忠春を案ずるが故に正気を失っていく三津子。
そしておじまいの日がやってくる。
日常に潜む狂気を描いたサイコホラー。怖いです。
個人的にはベスト3に入る作品です。
チグリスとユーフラテス

チグリスとユーフラテス

1999年(連載1996-98年)第20回日本SF大賞受賞作
遠い未来、人類は他の惑星に移住を始める。その九番目の惑星「ナイン」での話。人工子宮・凍結受精卵の使用により最盛期には人口120万人を擁するナイン社会が出来上がるが、何らかの要因で生殖能力を欠く者が増加しだし、人口が減少しはじめ、ついに恐れられていた「最後の子供ルナ」が生まれてしまう。ルナは怪我や病気のために「コールドスリープ」についていた人間を、順番に起こし始める・・・
素子ワールド全開のSF大作です。

個人的お勧め作品。

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