子供の頃、超怖かった昭和時代の『トラウマ絵本・怖い絵本』(児童書)16選
2020年4月19日 更新

子供の頃、超怖かった昭和時代の『トラウマ絵本・怖い絵本』(児童書)16選

恐いもの見たさが勝る…いつの時代も子どもは「怖い、怖い」と言いながら、怖い物に興味がある…。子供の頃に見て、読んで恐かったトラウマ絵本(恐い本)を振り返ってみましょう。

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日本傑作絵本シリーズ『なおみ』(初版発行:1982年)/ トラウマ絵本の最高峰

日本傑作絵本シリーズ『なおみ』(初版発行:1982年)

日本傑作絵本シリーズ『なおみ』(初版発行:1982年)

6歳の私と、“私のうまれるずっとまえから私のそばにいた”人形の「なおみ」。この「ふたり」の交流と別れを通して、子どもの「時間」を美しく描き出した写真絵本です。

恐くて怖くてたまらなかったが、気になって何度も読んだ…。今読んでも、恐い。
日本人形が怖い!人形の「なおみ」の存在感に圧倒される…。

日本人形が怖い!人形の「なおみ」の存在感に圧倒される…。

ノスタルジックな写真絵本を背景に、とにかく不気味な雰囲気が漂う。

まるで命が宿っている友達のように、人形の「なおみ」に語り続ける6才の少女。
いつも一緒にいて、時には話し声すら聞こえるほどの存在だ...

いつも一緒にいて、時には話し声すら聞こえるほどの存在だった「なおみ」が病んで死んでしまう…。

6歳の「わたし」は、ずっと人形の「なおみ」と一緒だった。子供の目にはかなり怖い本に映るだろう。

この作品の人形が怖いのは、命があるように見えるからだ。読み進むほどにどんどん怖い。

心に残るロングセラー絵本『おしいれのぼうけん』

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累計220万部、心に残るロングセラー絵本『おしいれのぼうけん』 / 子供の頃、こわいけど、なぜか大好きな絵本

何度注意されても言うことを聞かない子は真っ暗なおしいれに入れられて、謝るまで出してはもらえない。そこで、恐ろしい「ねずみばあさん」に出逢い、追いかけられます。

お昼寝前に、ミニカーのとりっこでけんかをしたさとしとあきらは、先生に叱られておしいれに入れられてしまいます。そこで出会ったのは、地下の世界に住む恐ろしいねずみばあさんでした。
ふたりをやっつけようと、追いかけてくるねずみばあさん。でも、さとしとあきらは決してあきらめません。手をつないで走りつづけます―。
ネズミばあさんの怖いこと…。

ネズミばあさんの怖いこと…。

言うこと聞かない二人の男の子が、押入れに閉じ込められてしまう。押入れにはネズミばあさんがいるのでは…と子供は恐れるようになる…。
やはり怖い…ねずみばあさん

幻のトラウマ絵本『ピカピカのぎろちょん』(1968年・あかね書房)/ トラウマ児童文学として名高い。

ピカピカのぎろちょん(復刻版)/ シュールキングと呼ば...

ピカピカのぎろちょん(復刻版)/ シュールキングと呼ばれた佐野美津男の伝説の物語

ある日、いつもの歩道橋に三人のおまわりさんがいました。大きな穴があいてしまったので橋は渡れないと言います。学校は休みになり、新聞は配達されず、テレビには何も映りません。すべては「ピロピロ」のせいらしいのですが、大人たちにもその正体はよくわかっていないようです…。

『ピカピカのぎろちょん』は、トラウマ児童書として名高いが、児童文学史上もっともカルトな怪作と評する向きもある。何とも不思議な物語。
一度読んだものにはトラウマにも似た強烈なインパクトを残したが、その後永らく絶版状態が続き、まさに「幻の作品」となっていた本書。画家・中村宏による挿絵も秀逸です。

ただシュールなだけではない、何とも不思議な魅力を持った作品です。
絵がとにかく怖く、狂気を感じる。読了しても胸のわだかまりが全然無くならない。
子供の時に読んだこの絵本で、いつか崩れるかも知れない日常、得体のしれない恐怖を知った…。

1980年発行の怖すぎる絵本『地獄』(千葉県安房郡三芳村延命寺所蔵)/ 子供が怯えるレベルのトラウマ絵本。

1980年発行の絵本『地獄』(千葉県安房郡三芳村延命寺...

1980年発行の絵本『地獄』(千葉県安房郡三芳村延命寺所蔵) / 「死のこわさ」を学習する

この本の中の地獄絵は、千葉県安房郡三芳村延命寺に所蔵されている十六幅の絵巻をもとに構成したものです。これは、一七八四年(天明四年)、江戸の絵師によって描かれたものですが、作者の名はわかっていません。

制作に当たり、延命寺の佐々木竜之さんには、いろいろご便宜を図っていただきました。また監修は国立文化財研究所の宮次男さんにお願いして細かい点のご指導をいただきました。写真は、国立文化財研究所で古い絵巻を撮ってベテランの市川和正さんを煩わし原画の忠実な再現に成功しました。

本文のストーリーは室町時代につくられた“平野よみがえり草紙"などにより、白仁成昭さんが構想し、中村真男さんが文章を起しました。装幀、レイアウト、本文中一部の絵は、気鋭のデザイナー貝原浩さんがやりました。
閻魔王

閻魔王

閻魔王の裁きを受けて、悪いことをしたものは地獄へ落される…。
地獄の鬼が罪人を攻め、切り刻んでいた…。

地獄の鬼が罪人を攻め、切り刻んでいた…。

ひとの死に対する恐れは本能といわれるものでしょうが、それはまた、学習によって強められることを、日常の経験を通して私たちは知っています。

昔の人が医学の末発達のそのころ、地獄絵を子どもらに見せ、死の怖れを語り、行動の自制を求め、生への執着を強めて子孫の持続を計ろうとした。と考えると、この絵図はその時代の人が生んだ大いなる叡知の一つといえます。

1971年の初版『八月がくるたびに』

1971年の初版『八月がくるたびに』

1971年の初版『八月がくるたびに』

いきなり白い光が、ぴかあっと光りわたりました。とっさに、にんぎょうをつかんでうつぶせたきぬえに、ものすごいバク風がおそいかかりました。1945年8月9日、長崎に原子バクダンがおとされたのです。そのとき、きぬえは5つでした。
原爆のもたらした未曾有の惨禍を、ふたたび人類が繰り返さないため、次世代の子どもたちに訴えようと、児童文学ではさまざまな作品化が試みられてきました。この本はその中でも、詩のように昇華された言葉と、子どもへの暖かいまなざしを感じさせる描写で、長く読み継がれています。
終戦の年の8月9日忘れられないあの日。米軍のB29爆撃機が長崎に原爆をおとした。今年もうめきながら死んでいった友の声がする。
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