子供の頃、超怖かった昭和時代の『トラウマ絵本・怖い絵本』(児童書)16選
2020年4月19日 更新

子供の頃、超怖かった昭和時代の『トラウマ絵本・怖い絵本』(児童書)16選

恐いもの見たさが勝る…いつの時代も子どもは「怖い、怖い」と言いながら、怖い物に興味がある…。子供の頃に見て、読んで恐かったトラウマ絵本(恐い本)を振り返ってみましょう。

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ひろしまのピカ

ひろしまのピカ

ひろしまのピカ

昭和20年8月6日、原子爆弾の光が広島の空をつらぬきました。戦争への怒りと鎮魂と平和への願いをこめて送る絵本。世界二十数ヶ国で読み継がれています。
他の戦争の本よりもリアルな迫力の絵。服ははだけ、胸もあらわな女性や、川に浮かぶ死体の絵。

必死というより、壮絶な形相の人々。その描写は、戦争を知らない私でも、その世界にいるような気にさえなる物でした。

『風が吹くとき』/ イギリスで1982年刊のものを新たな訳で

イギリスで1982年に出版された作品『風が吹くとき』 ...

イギリスで1982年に出版された作品『風が吹くとき』 (日本語)

出版当時から、漫画のコマ割りの手法を使ってシリアスな問題を描いた、絵本の常識をくつがえす作品として、大きな評判を呼んだ作品です。

それから15年以上たった今、ソ連は崩壊し、米ソ2大国が国際政治を大きく左右していた時代は去って、世界の情勢はもっと複雑になってきているように思えます。しかし、最近のインドやパキスタンの核実験で明らかになったように、核兵器をパワーゲームの切り札とみなす風潮はまだまだ盛んです。

そういう意味では、核戦争の脅威は去ったわけではありません。まだ、核は使用しなくても、ジムやヒルダのようなふつうの人たちが犠牲になる戦争は、世界各地で多発しています。レイモンド・ブリッグズがこの絵本で描こうとした状況は、表向きの形は変わっても、今でも存在しているのです。この絵本が、親子いっしょに、もう一度核の問題、そして戦争の問題を考えるきっかけになってくれれば幸いです。

トラウマ絵本『ビビを見た!』

『ビビを見た!』(1974年理論社刊の再刊)

『ビビを見た!』(1974年理論社刊の再刊)

1974年に出版された児童書『ビビを見た!』は、多くのファンの支持により、2004年に復刊された。

盲目の主人公ホタルに「7時間だけ見えるようにしてやろう」と言う声が聞こえた。ホタルの目が見えるようになると同時に、回りの人は光を失った。しかもホタルの住む町が正体不明の敵に襲われるとテレビ放送が始まった。人たちは町を脱出するための列車に乗り込んだ。ホタルは列車の中で不思議な緑色の少女ビビと知り合う。その列車を巨人が追ってくる。巨人をなだめられるのはビビだけだ…。

ドイツの子供向け絵本『もじゃもじゃペーター』/ 全部の話がバッドエンド…

もじゃもじゃペーター (ほるぷクラシック絵本) / 1...

もじゃもじゃペーター (ほるぷクラシック絵本) / 150年以上読み継がれている世界的ベストセラー絵本

『もじゃもじゃペーター』(ドイツ語:Der Struwwelpeter)は、1845年にハインリッヒ・ホフマンにより発表された、ドイツの子供向け絵本。

日本では、本書は1936年に『ボウボウアタマ』の題で、伊藤庸二の訳で帝都書院から初めて翻訳出版された。

父さん母さんの留守にマッチで遊んだパウリちゃん。スープ嫌いのカスパール。母さんとの約束破ったコンラちゃん。食事中にお行儀の悪いフィリップ。さあ、みんなどうなったでしょう…? ドイツで広く読み継がれている絵本。

怖い昔話の絵本『三枚のお札』

さんまいのおふだ (日本名作おはなし絵本)

さんまいのおふだ (日本名作おはなし絵本)

むかしむかし、山にくりひろいにいったこぞうさんが、おそろしいやまんばにつかまってしまいました。こぞうさんは、おしょうさんにもらったさんまいのおふだに、ねがいをたくして、ひっしになってにげますが…。

たまたま泊めてもらった家の婆さんが実は山姥で、小僧が食べられそうになってしまうという話。お札を駆使しても、執拗に追いかけてくるのが怖かった。
山姥が出るという山に栗拾いに行った小僧さんは、和尚さんの心配通り、おそろしい山姥に捕まってしまいます。

和尚さんのくれた三枚のお札を使って、逃げる小僧さん。お札を投げて、大きな砂山を出現させたり、大きな川で邪魔をしたりしますが、山姥はそれでも追いかけてきます。かろうじて小僧さんはお寺に逃げ帰ることができました。

山姥をむかえた和尚さんは、知恵を使って、山姥を退治します。さて、それはどんな方法だったのでしょうか?
あまりなじみのないお話に思われますが、実は日本全土で語られてきている昔話です。

怪談の絵本『耳なし芳一』

怖い怪談絵本『耳なし芳一』

怖い怪談絵本『耳なし芳一』

琵琶を弾きながら、源平の物語をみごとに語る芳一は、平家の怨霊にとりつかれてしまいます。芳一を守るため、おしょうは芳一の体じゅうにお経を書きますが、両耳だけ書き落としてしまい…。(『耳なし芳一』)表題の『耳なし芳一』や『雪女』をはじめ、のっぺらぼう、ろくろ首など、今も読みつがれている小泉八雲の怪談・奇談20話を収録。小学上級から。

耳にだけお経を書き忘れたことによって、怨霊に耳を取られてしまうのは、小さな子どもにはトラウマ級の怖さ。

耳なし芳一(むかしの こわいお話)

むかしのこわいお話の動く絵本です。
武士の怨霊に呪われた盲目の琵琶法師のお話です。

イラスト:紺島
文章:東方明珠
朗読:川本知枝

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