「世界で一番美しい病気」とは。
【"恋愛"を愉しむ】
— ”読む”を愉しむ 〈心斎橋アセンス〉 (@yomutanoshimi) February 23, 2018
恋なんて。
中島らも『世界で一番美しい病気』
恋におちるたび、僕はいつもボロボロになってしまう…作家として、ミュージシャンとして、数々の名作と伝説を残した著者が残した、恋愛にまつわるエッセイと詩、小説がはいった貴方一冊。水沢そらによる装画も最高です。 pic.twitter.com/r7tiZzh7vz
この繊細な文章力、なんという才能。
「言葉を紡ぐ」とは、彼のためにある言葉ではないかと思います。
思わず「ううむ」とうなってしまいます。
そんな彼がポップな世界に残した「置き土産」明るい悩み相談室。
1984年から朝日新聞日曜版で連載していたこのコーナーをまとめた単行本がありますので、そこからご紹介します。
夫と娘のおそろしい商談。
それは妻にではなく、なんと小学校5年生の長女に向けての言葉とのこと。
それに対し娘はなんと「五百円くれたら」と。
夫は「二百円にまけて」と値切る。すると娘は「もう一声!!」。
恐ろしい会話です(笑)。
中島らもさんはこのように回答。
そりゃそうだ。児童虐待になりかねません。いくら自分の子供とはいえ。
・・・と思ったら、
「娘は金なんか取るべきではない。タダでさせなさい」とアドバイス。
娘がそのおっぱいを身につけることが出来たのは、親が今まで娘に「設備投資」してきた結果であり、その「投資の成果」に対して金を取るとは何事か、と。
お嬢さんが産まれた年からの家計簿を全部引っ張り出して来て、今までにかかったミルク代、食費などの累計額をはじいて見せてあげましょう、と。
むしろおっぱいを触るというのは、「ボインになるための営業協力費」として娘に逆請求してもよかろう、と。
そして、「いつか「乳離れ」(父離れ)の日がくると思うと、少し寂しい気もしますね」と結んでいます。
確かに子供を育てるのはお金がかかりますからね・・・。思わず納得してしまいます。
なんて子供だ!親から金を取るとは(笑)。
19歳、マキさんの悩み。
しかし、真紀さんは悩んでいます。
「ハラマキにはなりたくないんだ」。
つまり、「原」さんと結婚すると、名前が「はらまき」になってしまうのです。
このため、真紀さんは大ファンである原辰徳との結婚をあきらめてしまいました(笑)。
「たつ」でも「のり」でもダメじゃないか!と、悩みはさらに深まります。
さらに、「郷ひろみと岩崎宏美が結婚したらどちらも郷ひろみになってしまうのか。」という他人の心配までし始めてしまいます。
中島らもさんの回答は??。
「一度聞いたら忘れられないような名前とか、言いやすい書きやすい呼びやすい名前の人は非常に得なのです。」と回答。
回答者である中島らもさんの「らも」も、覚えてもらいやすいからと「らも」にしたらしいですし、野球選手も確かに「原一郎」選手よりも「原辰徳」のほうがなんか強そう。
さらに、「鈴木選手」では何十人いるかわかりませんが、「イチロー」という表記は、確実にネーミングによって彼に親しみを持ってもらうには「この名前しかない!」と思わせるものがあります。
名前で悩むより、それを活かす方向に考えなさい、ということですね。
小学6年生のやすくんの恋の悩み。
6年生のやすくんに、好きな人ができました。
しかし、「やすの好きな人は〇〇なんだよー」と友達に言われることが不安で仕方ないようです。