結果、アイドル時代の自分を思い返すことに。女優を目指すことが、自分にとって本当に正しかったのだろうか?
未麻はストーカーに監視されていたのだった。黒幕の正体は?
未麻になりすました何者かが開設したウェブサイト「未麻の部屋」
ミーマニア・内田守の部屋・・・
いたるところで、アイドル未麻の幻影が現れます。夢落ちによるシーンも混ざるので、後半に行くと判断が難しくなります。
未麻は現状への不満を募らせ、アイドル時代の自分の幻影さえ見るようになる。現実と夢の区別がまったくつかなくなっていきます。
アイドルから女優への転身に対する不満や不安が募る
熱帯魚が死んでしまったということは(アイドル未麻の)ファンが離れていってしまったことを意味している。
残った二匹も意味を持っていると思います。おそらく、残った二匹は、黒幕とミーマニアを指しており、ミーマニアだけでなく黒幕の存在を示しているように思えました。
もしくは、黒幕の未麻に対する制裁の意味もあるかもしれません。
この熱帯魚を殺したのは、おそらく黒幕でしょう。部屋に出入りができる人は?
黒幕は簡単に絞り込めます。
鏡の中にアイドル時代の「未麻」の幻覚を見るようになる
女優の「未麻」とアイドル時代の「未麻」の幻影
劇中劇「ダブルバインド」の「未麻」の出演カット。これらが、日常生活を送る「未麻」の中にどんどん割り込んできます。
結果、これらの多様な「未麻」が極度に錯綜しだします。そのため、今見ている「未麻」が現実なのか、夢なのか、妄想なのか、幻影なのか、劇中劇のシーンなのか分かりにくくなります。
また現実と思っていたら、あっという間に劇中劇に切り替わるため、半端ない錯綜状態になるのです。
この錯綜状態が続くことが本作の最大の特徴であり、トリックです。
この錯綜状況・錯乱状況が、ものすごく身近にいる真犯人を隠すのです。
またミーマニアの露骨な気味悪さも、真犯人を隠す効果を発揮していると思っています。
未麻の事務所に手紙爆弾が送りつけられたり、関係者が次々と殺される猟奇的な事件が発生する。
未麻は自分の部屋で血に汚れた服を見つけ、無意識のうちに自分が殺人を犯したのかと思い、激しく動揺します。
殺される者は、未麻にレイプシーンを書いたり、未麻のヘアヌードを撮ったりした、アイドルの未麻のイメージを壊すような人たちです。
真犯人は、明らかに未麻の「アイドルとしてのイメージ」を守ろうとしていました。
ここで、真犯人はほぼ特定できます。犯人が未麻もしくはミーマニアでなければ、殺害動機的には、ほぼマネジャー「ルミ」だけに絞り込めます。