新生なるか、タイムボカンシリーズ第6作
シリーズお約束のマンネリギャグも、しかし作を重ねるごとにヤッターマンほどのヒットを打ち出せずにいました。そうして迎えた早6作目が、今回ご紹介するアニメ「逆転イッパツマン」です。
回生を狙うべくシリーズとしては初のいろいろな試みを取り入れたイッパツマン。さて、その挑戦は実を結んだのか?—作品を振り返りながら、しばしお付き合い下さいませm(__)m
『タイムボカンシリーズ 逆転イッパツマン』(ぎゃくてんイッパツマン、英語表記:Ippatsuman)は『タイムボカンシリーズ』の第6作目として、フジテレビ系列で、1982年2月13日から1983年3月26日まで、毎週土曜18時30分 - 19時00分の放送枠に於いて全58話が放送された、タツノコプロ制作のテレビアニメである。
イッパツマンの挑戦
その1 主人公たち登場人物を青年に引き上げ
しかし敢えて、イッパツマンは主人公たち登場人物の年齢設定を引き上げ、青年にしました。
声 - 富山敬 / 松本保典(バンプレスト・タイムボカンゲームシリーズ) / 加藤将之(タツノコ VS. CAPCOM)
タイムリース社で、メカの整備を担当している青年。20歳。女性社員からは憧れの的で、「豪さん」と呼ばれている。生まれて間もなく両親に捨てられたところを、ビクトリアナンダースホームの園長に拾われ、幼少時代はそこで生活していた
声は原えりこさん。
左の男の子:ハル坊
左端の黄色いロボット:2-3(ツー・スリー)
イッパツマンの後ろのロボットは、逆転王に代わり後半登場する三冠王
右画像上段:クリーン悪トリオ。左から、キョカンチン、ムンムン、コスイネン
中段左:星ハルカ
同右:ミンミン
下段:トッキュウザウルス
今作のトリオの名は「クリーン悪トリオ」。
お色気の女リーダーがムンムン26歳、
おしゃべりな頭脳担当がコスイネン30歳、
怪力担当がキョカンチン30歳。
声をあてるのはもちろん1作目から変わらぬ黄金トリオ、小原乃梨子、八奈見乗児、たてかべ和也、の各氏。
その2 正義も悪もサラリーマン
シリーズ作のいままででも、主人公らは子どもの年齢であっても、科学研究所だとか探偵社だとかで働く職業人でもあったりしたのですが、今作では善玉側も悪玉側も、(会社は違うが)大企業で働くサラリーマンという設定になったのであります。
主人公らの年齢引き上げはともかく、サラリーマンって!、、当時子どもの筆者はこの作品だいじょうぶかなあ、その思いつきはおもしろいけど、、と余計なお世話で心配したものでしたf^^;
さてここで、当作品のエンディング曲「シビビーン・ラプソディ」を聴いてみましょう、、
♪ 課長部長えらい 社長会長えらい / えらきゃクロでもシロになる
両親ともにサラリーマンではない家庭の子どもだった筆者には当時おもしろいだけの曲だったかもしれませんが、
いまとなってはこの哀しみ、ジワリときますねえT.T
もともと、シリーズ各作品で悪玉トリオは理不尽なボスの命に翻弄され不条理な目に遭うというパターンでありましたが、それが今作ではサラリーマンという境遇の不条理さとして描かれたのでした。
主人公らの会社と張り合うため、外見だけは立派に見えるが中はボロボロの社屋、成績万年最下位支社で立つ瀬も浮かぶ瀬もない三幹部、毎回善玉に負けては馴染みの店で安酒を呷り管を巻く、、こんなもん子どもに見せていいのでしょうか?>_< サラリーマンの親の苦労も分かって、という製作側からの子どもらへのメッセージだったのでしょうか、、?
それが理解されたかどうかはともかく、今作の運命がどうなったかは、もうしばらくお付き合い下さいませm(_ _)m