わちゃわちゃ、ほのぼの、家庭崩壊・・・ホームドラマの歴史を辿ってみた!
2022年10月7日 更新

わちゃわちゃ、ほのぼの、家庭崩壊・・・ホームドラマの歴史を辿ってみた!

昔から人気のジャンルであるホームドラマ。といっても時代によって内容は変化してきていますよね。ホームドラマの歴史を振り返って見ましょう。

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ホームドラマ創世記~大家族ドラマ

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ホームドラマはテレビが登場するより前の家庭小説やラジオドラマなどが元になっているといわれています。1940年に放送された日本初のテレビドラマ『夕餉前』もホームドラマでした。

テレビの本放送が開始された1953年以降もまだテレビは一般普及していませんでしたのでスポーツ中継などが人気でしたがホームドラマも放送されていました。

本格的なホームドラマの始まりは1958年の「バス通り裏」。1963年迄続きました。ラジオドラマを元にしていて、当時は家出少女なども問題になっていましたが温かい家庭をアピールするドラマでした。

そこから各局でホームドラマが数多く制作されるようになります。1970年には「時間ですよ」が放送開始。銭湯「松の湯」を経営する一家を舞台にしたドタバタホームコメディですね。元々は橋田壽賀子さんが脚本だったのですがアドリブを入れられたことで3回で降板しています。

1974年には向田邦子酸脚本の『寺内貫太郎一家』も登場。こちらは下町の「寺内石材店」を舞台にしたドラマ。寺内貫太郎を中心に家族やご近所さんの触れ合いを描いたドラマです。ですがこのドラマではドタバタ明るいだけでなく、「死」や「老い」「孤独」など闇の部分も描かれていました。ただ楽しいだけのホームドラマではなくなってきていますね。

「岸辺のアルバム」以降、リアルな現実を描いたホームドラマが増える

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1977年に放送された「岸辺のアルバム」は今までのホームドラマとはまた違うテイストでした。倦怠期の夫婦の苦悩や、大人に成長していく子供たちの葛藤、家庭が崩壊していく様をリアルに描いています。

そして最後に水害で家が崩壊します。これは1974年の多摩川水害の被災者が「水害で家族のアルバムを失ったことがショックだった」と語ったエピソードが元になっているそうです。

その後も1981年の「北の国から」、1983年の「積み木くずし」でもリアルな現実を描いていますね。さらに「金曜日の妻たちへ」、「家族ゲーム」、「大家族」、「親子ゲーム」、「渡る世間は鬼ばかり」などほのぼのしたホームドラマから家族の闇というか、家族の抱える問題を描いたドラマが増えてきます。

理想の家族を描いたドラマばかりではなく、共感できるドラマも支持されるようになってきたんですね。

「ママはアイドル」など奇想天外なホームドラマも登場!

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リアルでシビアなホームドラマが登場する一方、見ていて楽しくなるホームコメディも多数登場。ありえない設定の者も多いですが、それはそれで純粋に楽しめるのではないでしょうか。

1987年の「ママはアイドル」は、中山美穂さんが本人役で登場。人気アイドルの中山美穂が妻に先立たれた三児の父水沢修一(三田村邦彦さん)と結婚し、子供たちのママハハになるという今までにはない設定のホームドラマでした。アイドルがもしも結婚していたら・・・という世界を描いていて面白かったですよね。

2003年に長瀬智也さん主演で放送された「ムコ殿」はこの作品のオマージュと言われていて、2012年に錦戸亮さんが主演した「パパドル」はこの作品の事実上のリメイク作品とその後にも影響を残したドラマです。

他には「パパは年中苦労する」、「ママハハ・ブギ」などの一風変わったホームドラマも登場しました。

嫁姑問題をコミカルに描いた作品が人気に!

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1993年には山口智子さん、高嶋政伸さん主演の「ダブル・キッチン」が放送されました。当時注目されていた二世帯住宅をテーマにしたドラマで、嫁姑問題を明るく描いたホームドラマです。嫁姑バトルというとドロドロした陰険なイメージがありましたが、こちらは嫁姑が最後にそれぞれの家で暴れるという独特な表現で、そのシーンが話題になりましたね。嫁、姑どちらが見ても共感できる部分があったのではないかと思います。

女性も社会進出も活発になってきたころで新しい時代のホームドラマという感じがしましたね。

その後、同じテイストの「長男の嫁」シリーズも人気になりました。小学校受験を描いた「スウィート・ホーム」もよかったですよね。

この時代は、時代に沿った問題が描かれつつも、コミカルで楽しく家族みんなで見られるホームドラマの形になっていました。

現在はホームドラマも様々な形に

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2000年以降は、ホームドラマも多様化していきます。どこにでもある普通の家族というよりは世相を取り入れつつも、ちょっと変わった家庭を描いたドラマが増えた気がします。

2004年の「アットホーム・ダッド」では女性が働き、男性が家事をするという主夫を描いたコメディ。2005年には流行語にもなった「鬼嫁」を描いた「鬼嫁日記」、うつ病になってしまった母のために息子が一念発起する「フリーター、家を買う。 」、親友の子供を引き取った「マルモのおきて 」、義母と義娘の絆を描いた「義母と娘のブルース」など、今までにない設定のホームドラマが増えましたね。

これらのドラマはみんなで共感するホームドラマとはまた違い、家族を舞台にしたドラマではありますがフィクションを楽しむドラマという感じがします。

現実に寄り添うドラマもフィクションだから楽しめるドラマもどちらもいいですよね。今後はどんなホームドラマが作られていくのか楽しみです。
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