おしゃれな神戸の街が楽しめるサスペンス映画「べっぴんの町」
2022年7月4日 更新

おしゃれな神戸の街が楽しめるサスペンス映画「べっぴんの町」

「べっぴんの町」は、神戸を舞台にした柴田恭兵主演の日本映画です。1989年に東映の配給で公開されました。貴重な震災前の神戸の姿がじっくりと見られる映画でもあるんですよ。他の共演者では、田中美佐子・本木雅弘・笑福亭鶴瓶など個性派が揃います。

929 view

「べっぴんの町」ってどんな映画?

べっぴんの町 オープニング

元・少年院の教官をしていたが、現在はアマチュアの探偵をしている「私」。実は柴田恭兵が演じている主役には名前が設定されていないんです。その「私」に、べっぴんの亜紀子から家出娘の捜索の依頼が紹介されました。しかし最初は単純な捜索だったのが、最悪の殺人事件にまで発展していくのです。

おしゃれでエキゾチックな街である神戸を舞台にして、ストーリーはハードボイルドタッチで進んで行きます。背景となる様々な場面は、阪神・淡路大震災が神戸の街を襲う以前の風景。現在では見ることが出来ない、建物や風景を窺い知ることができますよ。ただ一部の場面で芦屋市や横浜市でのロケも行われているので、それがどこかを見つけるのも、「べっぴんの町」の楽しみ方の一つかもしれませんね。

「人を捜してほしいの」

「べっぴんの町」予告篇 (1989)

エキゾチックムードに包まれた港町・神戸に現れた、ひとりの美女。その彼女から「人を捜してほしいの」という一言が。そこから、「私」の家出少女探しが始まります。クライアントは企業の社長で信頼できそうな人物。殺人など、起こりそうな気配もなかった。しかしべっぴんの彼女は愛と憎しみを心に秘め、ミステリアスな雰囲気を漂わせながら、「私」の前に現れたのでした。

この物語の原作は、少年院法務教官の経験を持つ異色の作家・軒上泊が書いた同名の小説です。主演の柴田恭兵が、軽快なフットワークとお馴染みのキザで粋なセリフを、期待通りにバッチリと決めまくる。深層の裏側にまどろむ哀愁をクールにときほどいていくハードアクション・ロマンです。

「私」は元少年院の教官

柴田恭兵 探偵事務所

神戸のダウンタウンに住む「私」は現在35才。数年前までは少年院の教官をしていたが、上役と方針が違ったことから退職してしまう。それ以来、探偵としてけだるい日々を過ごしていた。そんなある日「私」の目の前に、見知らぬ女性しかもべっぴんの亜紀子が現れたのだ。突然の家出少女捜索の話に戸惑う「私」だったが、亜紀子の魅力に惹かれて依頼を受けてしまう。

「私」の行動は、少年院時代の教え子の左山集司からの情報が大きい。少年院では優等生だった左山だが、今ではエリートやくざの頭に君臨している。暇な時間の多い「私」は、頻繁に忙しい左山を呼び出しては、スパーリングの相手をさせていた。左山も嫌な顔ひとつせず付き合ってくれるし、私の仕事の手伝いも気軽に引き受けてくれる、信頼できるパートナーでもあった。

今回の家出少女捜索に関して、左山から情報があった。最近大阪で、素人娘をさらってはいかがわしいショーを開いているヤツらがいるという。沸き起こる怒りと苦い予感を抑えつつ、「私」は左山とともに現場に乗り込んだのだが、それは迷宮の入口にすぎなかった。

出演者

柴田恭兵 「会いたかったんだよ、君に‥」

「べっぴんの町」の出演者は、アマチュア探偵の主人公「私」を演じるのが、ご存知柴田恭兵。そして、この映画のキーとなる謎の美女亜紀子を田中美佐子が演じています。「私」の良きパートナーであり若きヤクザの左山を本木雅弘が体当たりで演じているのも注目。その他では、つみきみほ・和久井映見・倉田てつを・笑福亭鶴瓶・川地民夫・峰岸徹といった、個性派・演技派の俳優が脇を固めています。

神戸の街並み

柴田恭兵 「べっぴんの町」 ラストシーン

震災前の神戸の街が懐かしむことができるロケ地を巡ってみます。「私」の自宅兼探偵事務所とトニー・トー(笑福亭鶴瓶)の洋服屋さんがあったのが、三宮駅から北へ5分ほど歩いたところにあるトアロード沿い。左山(本木雅弘)と犯罪現場に向かうのに乗ったのが摩耶ロープウェーで神戸の夜景がきれいだったですね。「私」と令子(つみきみほ)のシーンで、「この街はやけにべっぴんが多いな」と印象深いセリフが出たのはメリケンパーク。エンディングテーマが流れる最後のシーンでは、警察車両に乗った亜紀子(田中美佐子)に話しかけた場所がヴィーナスブリッジでした。その他では、六甲山・神戸オリエンタルホテル・ポートアイランドに異人館など、まだまだたくさんの、懐かしい神戸スポットが見られました。
15 件

思い出を語ろう

     
  • 記事コメント
  • Facebookでコメント
  • kobe 1995 2022/7/4 17:30

    この映画から五年後にここの地域で起きた大地震と東京のサリン・前年の終身名誉監督が
    プロ野球の日本シリーズで胴上げしたのにこじつけて「アンチ丸出し根性」を家族から嫌がられた

    すべてのコメントを見る (1)

    コメントを書く
    ※投稿の受け付けから公開までお時間を頂く場合があります。

あなたにおすすめ

関連する記事こんな記事も人気です♪

地方博覧会ブームの火付け役となった「ポートピア‘81」

地方博覧会ブームの火付け役となった「ポートピア‘81」

神戸港の人口島ポートアイランドが会場となった神戸ポートアイランド博覧会。愛称は「ポートピア‘81」。
放送開始30年!庵野秀明監督作品「ふしぎの海のナディア」の特別展!!神戸海洋博物館にて

放送開始30年!庵野秀明監督作品「ふしぎの海のナディア」の特別展!!神戸海洋博物館にて

1990~1991までNHKで放送された庵野秀明監督作品「ふしぎの海のナディア」。放送開始30年を記念し、神戸海洋博物館にて、特別展「ふしぎの海のナディア展 Petit」が2023年8月5日(土)から10月22日(日)まで開催されます。
『ルパン三世VSキャッツ・アイ』コラボカフェが池袋と神戸で期間限定開催!

『ルパン三世VSキャッツ・アイ』コラボカフェが池袋と神戸で期間限定開催!

現在Prime Videoにて世界独占配信中のアニメ「ルパン三世VSキャッツ・アイ」の公開を記念し東京池袋にある「and Gallery 池袋」と、神戸三宮にある「and Gallery 三宮」の2店舗にて2023年3月4日より『ルパン三世VSキャッツ・アイ』コラボレーションカフェを開催。
ドラマでもセクシーな魅力は健在!藤原紀香さんさんの出演ドラマまとめ

ドラマでもセクシーな魅力は健在!藤原紀香さんさんの出演ドラマまとめ

モデル出身でその後ドラマで活躍されている人は多いですよね。藤原紀香さんもその一人。紀香さんはドラマ内でもセクシーでひときわ輝く存在だったと思います。紀香さんの出演ドラマを振り返ってみましょう。
saiko | 477 view
1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災から28年。NHK神戸放送局が特設サイトを開設

1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災から28年。NHK神戸放送局が特設サイトを開設

1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災から28年目となる今日、大きな被害を受けた神戸市などでは発生時刻の午前5時46分に黙とうが行われ、犠牲者を悼みました。
隣人速報 | 267 view

この記事のキーワード

カテゴリ一覧・年代別に探す

あの頃ナウ あなたの「あの頃」を簡単検索!!「生まれた年」「検索したい年齢」を選択するだけ!
リクエスト