日本初の高級SUVとなった、トヨタ・ランドクルーザー80
2017年9月14日 更新

日本初の高級SUVとなった、トヨタ・ランドクルーザー80

1980年代後半から90年代にかけて、RVブームが巻き起こりました。パジェロ、エスティマ、レガシィなどさまざまなクルマが誕生しましたが、その中で本格派として異彩を放ち、今なお根強い人気を保ち続けているクルマが、トヨタ・ランドクルーザー80です。

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クラウンよりも長い歴史を持つクルマ

トヨタ・ランドクルーザーには、ジープタイプとワゴンタイプの2系統がありました。前者は40系、70系と呼ばれるタイプで、大き過ぎないボディに、2ドアやオープンタイプまであるラインナップが特徴です。今の日本市場からは消えてしまいましたが、2014年に日本でも4ドアバンとピックアップが発売されて四駆ファンの注目を集めました。

後者は現在の200系の系統です。日本を代表する高級SUVといって間違いありませんが、そのルーツは非常にヘビーデューティーで、最近の新しい四駆とは出自が違います。海外ではレンジローバーやメルセデスベンツGクラスなどがライバルになります。
80系の前のワゴンタイプにあたる60系

80系の前のワゴンタイプにあたる60系

登場時はシンプルだったが、RVブームも手伝って、ずいぶんと高級感のある外装になった。
ワゴンタイプのルーツは、1967年に発売されたFJ55型まで遡り、40系をベースとしながらも、北米市場を重視した大きな4ドアロングボディで登場しました。このシリーズは1980年にフルモデルチェンジして60系となり、1989年12月に今回取り上げる80系にフルモデルチェンジしました。

ちなみに、ランドクルーザーの名は、1954年6月に命名されました。クラウンよりも1年古く、日本で一番古い名称です。
60系の末期に登場した上級グレード

60系の末期に登場した上級グレード

これでも初期型よりはかなり高級になった。
1984年にフルモデルチェンジした、ジープタイプの70系

1984年にフルモデルチェンジした、ジープタイプの70系

海外では現在も販売されている、ロングセラーだ。

新機軸を満載した高級SUVとしてデビュー

ランクル80系は、開発段階から高級SUVを意識した初のモデルとなりました。ボディサイズは60系の全長4675mm、全幅1800mm、全高1805mmから全長4970mm、全幅1930mm、全高1860mmへと格段に大きくなりました。

発売された1989年はバブル経済の真っ只中。セルシオがデビューした年であり、日本でも3ナンバー車が増え始めていました。そんな状況下でも、80系は大きなボディに丸味のあるデザインで、見るからに大きなクルマでした。
丸味を帯びた大柄なボディで登場したランドクルーザー80

丸味を帯びた大柄なボディで登場したランドクルーザー80

最初はシルバーとマルーンのツートンがイメージカラーだった。
エンジンはワゴンがガソリン、バンがディーゼルを搭載。最大の特徴は4WDの方式で、量販されるクロスカントリー(クロカン)4WDでは初めて、フルタイム4WDが採用されました(バンの一部にパートタイム式も残存)。

乗用車では一般的になっていたフルタイム4WDでしたが、クロカン4WDに採用したのは思い切った決断だったのではないでしょうか。数々の新機軸を採用したため開発が遅れ、発売は当初予定の89年10月から12月に延期。製造開始は翌90年1月までずれ込んでしまいました。
リアドアは上下開き式を採用。この頃の四駆といえば、リア...

リアドアは上下開き式を採用。この頃の四駆といえば、リアに掲げたスペアタイヤが特徴でしたね。

60系から一変して、乗用車のように洗練されたダッシュボード

60系から一変して、乗用車のように洗練されたダッシュボード

ランドクルーザーの歴史⑤/History of Land Cruiser 5

ランドクルーザーの歴史をまとめた動画。4WD専門誌「CCV」の制作。足回りの構造や走行性能の高さを見てほしい。

高級志向を高めた内外装

世界戦略車のランクルですが、80系の日本向けラインナップは、8人乗り・ガソリンエンジンのワゴンと、5人乗り・ディーゼルエンジンのバンの2本立てでした。

上級グレードのVXリミテッドとVXは、高級感のある内装に仕立てられ、クラウンには及ばなかったですが、マークⅡくらいのクオリティにはなっていました。それでも、従来のランクルから見れば倍以上に高級な内装でした。また、この2グレードにはムーンルーフが標準装備されていました。
80系では上限開きのリアドアが採用されたが、下級グレー...

80系では上限開きのリアドアが採用されたが、下級グレードは左右幅の異なる観音開きだった。

当時の4WDには、山林などでの事業用途を意識した下級グレードも用意されていて、80系でもオーバーフェンダーや華飾のないシンプルな内外装のGXやSTDがありました。

1992年に小規模なマイナーチェンジが行われ、ガソリンエンジンは4000ccから4500ccに拡大。DOHCになり出力も強化しました。また、アルミホイールのデザイン変更、ATの電子制御化などの改良が施されました。
1992年のマイナーチェンジ後の80系

1992年のマイナーチェンジ後の80系

左フェンダーにミラーが設置された。人気カラーのダークグリーンマイカは、この時に追加された。

人気絶頂の中でマイナーチェンジ

1995年1月には大規模なマイナーチェンジが行われて、後期型となります。ディーゼルエンジンの4バルブ化、運転席エアバッグのオプション設定などが行われました。

見た目の最大の変更点は、フロントグリルが「TOYOTA」の文字から、現在でも使われているCIマークに変更されたことです。
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