ストーリー
在日コリアンのタクシー運転手とフィリピーナの恋を軸に、在日外国人をはじめ東京でたくましく暮らす様々な人々の姿をエネルギッシュに描いた悲喜劇。WOWOWで“J・MOVE・WARS”の一本として放送された崔洋一監督の短編を監督自ら劇場用に撮り直した。金田タクシーに勤める在日コリアンの忠男だったが、ある日、母の経営するフィリピン・パブで働くことになる。そこで、妙な大阪弁を喋る新顔のコニーに出会い、あの手この手でアタックをかけるが、コニーはさらりとかわしてしまう……。
via blog2.hix05.com
在日コリアンである姜忠男カン・ユンナム(岸谷五朗)の勤める金田タクシーは、仕事を離れれば同級生である世一(小木茂光)が二代目社長としてきりもりしていたが、従業員は元自衛隊員の新人・安保(金田明夫)、忠男にまとわりつくパンチドランカーのホソ(有薗芳記)、ヤンキーあがりのおさむ(芹沢正和)、強欲な谷爺(内藤陳)、出稼ぎイラン人ハッサン(ハミッド・シャイエステ)など、きちんとした会社勤めには不向きな連中ばかり。忠男もまた北だ南だ、統一だとかまびすしい周囲には目もくれず、もっぱら女の子を口説くことに忙しかった。ある日、彼は母・英順の経営するフィリンピン・パブで働くことになった、妙な大阪弁を喋る新顔コニー(ルビー・モレノ)に出会う。忠男はあの手この手でコニーを口説くが、たくましい彼女には通用しない。だが半ば強引にコニーを抱いた忠男は、ちゃっかり彼女の部屋に引っ越しまでしてしまった。
そんな二人の周辺も、また日々変化していく。世一はゴルフ場投資で騙される。洗車係のハッサンは勝手に車を動かし、逮捕されてしまう。目に余り言動のおかしくなったホソも行方をくらまし、故郷の新潟で保護される。さらには英順とコニーが大喧嘩をやらかす。忠男もまた、訳知り顔の若い日本人サラリーマンの客(萩原聖人)が無賃乗車で逃げ出し、必死で追いかける羽目にあう。職場も恋愛も末期的症状になってきた。
煮え切らない忠男に見切りを付けたコニーは、寂しげに見送る忠男を残し、新しい店に移っていく。世一の会社には、明らかにヤクザと分かる金融業者・紺野(古尾谷雅人)が現れ、以後ヤクザが監視の目を光らせるようになる。思いあまった世一は会社に火をつけるが、そのとたんに火を消せとわめき散らす。そのあまりのバカバカしさに大笑いしてはしゃぎまくる忠男。月日がたち、忠男はコニーの働く店へ車を走らせ、『あの女は悪い病気を持っているぞ』と匿名電話をかける。そのまま待ち構えていると、案の定、追い出されたコニーが彼の前に現れる。コニーは呆れながらも、澄ました表情で彼女を迎える忠男の車に乗り、二人は東京へ戻っていく。
ちょい見せ!
月はどっちに出ている(プレビュー)
via www.youtube.com
人種のるつぼ、金田タクシーの面々
主人公の忠男の周囲の人たちが個性的すぎるのがこの映画の見どころの一つだと思います。
特に金田タクシーのメンバーには笑わせてもらいました。
特に金田タクシーのメンバーには笑わせてもらいました。
今まで私が観た日本映画の中で、在日外国人の「友達がいる」「近所に住んでいる」などの設定の物語はいくつもありましたが、「在日朝鮮人」が主人公の映画を始めて観たので、とっても新鮮でした。
コニーがフィリピン人というだけで「じゃぱゆきさん」と言われたり(コニーは15歳の時に日本に来たので「じゃぱゆきさん」ではないと主張している)、「朝鮮人は嫌い!」と面と向かって言われたりするのですが、それを怒ったり泣いたりするんでなく、「そんなんあたりまえじゃん!」とサラリとかわしているのが面白くて哀しいんです。
コニーがフィリピン人というだけで「じゃぱゆきさん」と言われたり(コニーは15歳の時に日本に来たので「じゃぱゆきさん」ではないと主張している)、「朝鮮人は嫌い!」と面と向かって言われたりするのですが、それを怒ったり泣いたりするんでなく、「そんなんあたりまえじゃん!」とサラリとかわしているのが面白くて哀しいんです。
ラストシーン
「火だよ、火!」多田(國村隼)以外誰も消そうともしない
世一が会社に点けた火はあっという間に燃え広がる。自分で火を点けておきながら消せ消せ喚く世一。消化していたヤクザにボコボコにされる。それを見て馬鹿馬鹿しくなりホースの水をヤクザにかけたりはしゃぐ忠男。
そして月日が経ち、別のタクシー会社に転職した忠男は公衆電話でコニーの移った店へ電話をかける。
「コニーって女に病気をうつされた!今から行くから首洗って待ってろ!」
そして月日が経ち、別のタクシー会社に転職した忠男は公衆電話でコニーの移った店へ電話をかける。
「コニーって女に病気をうつされた!今から行くから首洗って待ってろ!」
via けん