『メタルギアソリッド』の概要
『メタルギアソリッド』(METAL GEAR SOLID、略称: MGS)は、コナミコンピュータエンタテイメントジャパンが開発、コナミから発売された戦術諜報アクションゲームであり、メタルギアシリーズの3作目となる作品である。
MSX2用として発売された前2作品とは異なりポリゴンを用いた3次元描写による潜入アクションゲーム。物語のテーマは「GENE(遺伝子)」。
『旧メタルギアシリーズ』と『メタルギアソリッドシリーズ』
『旧メタルギアシリーズ』の残したモノ
MSXの性能では多くの敵弾やキャラクターを表示させるのに無理があったため、逆転の発想として生まれたのがこの「誰にも見つからず戦わないようにして進む」ゲームでした。
そして1990年。「敵を倒すのでなく、敵から隠れて進むミリタリーアクション」という斬新な発想の元、誕生した『メタルギア』その続編がコナミMSX2最後の作品「幻の名作」とまで語り継がれた渾身の一作『メタルギア2 ソリッドスネーク』なのです。
しかし発売当時、既にMSX2市場は終息寸前であり、一般的な知名度は低いまま、コアなゲーマー達の間で「幻の名作」として語り継がれる作品となったのです。
『旧メタルギアシリーズ』は本作で一旦終結し、8年後の『メタルギアソリッド』発売まで長い眠りにつくことになります。全世界で大ヒット作となり、ゲーム史に巨大な足跡を残した『メタルギアソリッドシリーズ』ではありますが、そのゲームシステム・ストーリーの完成度がこの『旧メタルギアシリーズ』の時点で確立していたことを知る人は、少ないのではないでしょうか。
『メタルギア2 ソリッドスネーク』プレイ動画。5分55秒あたりからゲーム画面を見ることが出来ます。
3Dに進化して帰ってきた『メタルギアソリッドシリーズ』
本作品のシナリオは、米国のフォーチュン誌にて「20世紀最高のシナリオ」と称され、小説版のキャッチコピーでも使われている。ハード性能を活かした映像の他、兵士の吐く白い息等の描写で極寒のアラスカへの潜入を演出。詳細な人物設定等も評価されている。ハードの移行により大きな進展を見せた本作は、ポリゴンによる3次元描写となった事に加え、3次元でなければ不可能な演出を盛り込んでいる。また、ゲーム内では実在する武器が使用されている。
特に1988年発売の『スナッチャー』、1994年発売の『ポリスノーツ』で培った映画的演出を盛り込んだ構成が素晴らしく、米フォーチュン誌で「20世紀最高のシナリオ」と評される衝撃的なストーリーによって世界的に大ヒット。シリーズで総監督を務めていた小島秀夫監督の名が世に知られることとなったのです。
ストーリー 「シャドー・モセス島事件」
史上最大のテロ事件に、政府が解決のためにシャドーモセスに送り込んだのは、元FOXHOUND隊員で現在は隠遁生活を送っていた「ソリッド・スネーク」であった。
核兵器保存庫に単独潜入、人質として囚われたDARPA局長、アームズテック社社長を救出、テロリストを排除、武装解除せよ。タイムリミットは24時間。
スネークは独り再び戦場へ…単独でのスニーキング・ミッション(潜入任務)を開始する。
「メタルギアソリッド」の演出的特徴
美麗なグラフィック
複数のアングルを自由に切り替え可能としたゲームは世界でも初めての試みでした。
3Dになったことで、何も装備していない時にハイキックと一本背負いが使用可能になり、また、手すりから蹴り落とす、投げ落とすことでも敵を排除できるようになりました。
シナリオと音楽
「ヒトゲノム」「戦術核兵器」「クローン技術」等といった現実世界の問題を組み入れたことにより、単なるゲームストーリーではない、メッセージ性の強いシナリオになったのです。
音楽面では、有名なメインテーマを含め、ゲーム中のBGMはどれも演出を盛り上げるものとなっております。
またEDテーマである「THE BEST IS YET TO COME」はゲール語で歌われるボーカル曲になっています。(ゲール語とは、インド・ヨーロッパ語族ケルト語派に属する言語です。)
演出面
動きを付けることで会話もドラマチックな演出となっています。
歴史の説明や実写映像などのムービーが使用されている点もポイントですね。
ゲームハードのスペックの限界で、キャラクターの表情をポリゴンで再現出来ていない為、
代わりに体の動きとライティングの強弱によりキャラクターの感情を表現しています。