ステージ構築やシステム面、販売戦略などで、複数の業界初の試みが行われている。
従来の2次元描写では平面図形を用いて紙にステージ構成を書き上げる事が出来たのに対し、今作では3次元という立体が扱える為、空間の構成がより複雑になった。このため急遽レゴブロックが用意され、CCDカメラによる角度等の細部の研究が行われた。これらが当時業界初である「複数のアングルを自由に切り替えられる」といったシステムを実現している。また、2次元ハードの時代から受け継がれている「視覚や聴覚に訴える手段」においても大幅にバリエーションが増した。後続のシリーズでは更なるハードの進歩により一層複雑な表現が可能となり、以後レゴブロックの採用は見送られている。
当時主流であったプリレンダによるデモシーンを採用せず、リアルタイムレンダリングによりゲーム画面と同じクオリティで劇を展開する事に徹し、ムービーが無くなる日を想定したとされる[1]。性能上の制約から画質は荒いローポリゴンとなった為、表情の細部を描写することが出来ず、キャラクターの会話中の感情等は陰影と首の動きによって表現している。このためモーションキャプチャーも採用していない。また、史実部分のみ実写映像が採用されている。
ゲームとしての「メタルギアソリッド」
ステルスアクションの面白さ
そのため主人公のスネーク(プレイヤー)は敵に発見されないようにマップを進んでいきます。
発見されると危険モードとなり、レーダーが使えなくなり、一斉に襲われ、不利な状況に陥ってしまいます。また、危険モードになった場所によっては、ガスが充満して体力が減少したり、脱出不能(実質ゲームオーバー)になる場合もあります。
危険モード中にどこかに隠れてしばらく発見されなければ警戒モードに移行し、警戒モードが終了すれば潜入状態に戻ります。
いかにして隠れるか、どう進むか、何通りもある戦術がステルスアクションの面白さでしたね。
キャラクターの魅力
敵勢力であるFOXHOUND隊員も、常人を卓越したメンバーばかりでインパクトは絶大!
特にリーダー格であるリキッド・スネークはその不死身っぷりや数々の名台詞によりシリーズ屈指の人気悪役となりました。
また、キャラクターの魅力を引き出しきった声優陣の演技が絶妙で、特に大塚明夫氏の演じるスネークは大人の渋いカッコよさが滲み出ていました。
シリーズのお約束「無線」
ストーリー進行の他にも、武器やアイテムの詳細解説、ボスを倒すためのヒント等の情報が得られます。
『メタルギアソリッド』 ネタ無線集。
声優陣の熱演が…腹筋にきます(笑)
ネタ要素とメタ要素
震動機能のあるコントローラー「デュアルショック」を使用していると、念力と称してコントローラーの震動機能を操作したり、行動記録から性格診断、趣味を言い当ててきます。
メモリーカード内にコナミがリリースしたゲームが保存されていると反応し、『ときめきメモリアル』関連のセーブデータが存在すると「ときメモが好きだな」と真っ先に言い当ててくるほか、小島秀夫監督の作品である『スナッチャー』と『ポリスノーツ』のデータに特殊な反応を示し、両方のデータが存在すると小島秀夫氏の声で挨拶されます。
他にも画面を暗転させて視界を奪う「ブラックアウト」という技では、「ビデオ」と表示されるはずの画面右上に「ヒデオ」と表示された偽の外部入力待機画面を映し出されます。
また、仲間に無線連絡を行った際「充分な休憩をとってからプレイしろ」「バグと決めつけず落ち着いて行動しろ」などゲームプレイについての助言をしてくれたり、あるイベントの無線会話中にコントローラーの振動機能を利用してプレイヤーの腕をマッサージしてくれたり…。
といった具合に、シリアスな場面で唐突にはじまるメタ、ネタ的な発言は、声優陣の名演技と相まってプレイヤーの腹筋を攻撃してきます(笑)
小島秀夫監督作品に多用される隠しイベントやジョーク要素はここでも見事に活きていました!
「ダンボール」と「スネーク」
ですが潜入任務においては、ダンボールやドラム缶など、かぶって身を隠す道具を好み、行動を共にする仲間に対してもしきりにダンボールの良さを語り、「あからさまにカッコ悪い」という感想を言われると不快感を示していました。
また、次作『メタルギアソリッド2』でのダンボールに対する熱弁ぶりにはドン引きしたプレイヤーが続出しました。
どういった理由でダンボールを愛し始めたのかは作中で語られることはなく、いまだに明らかになっていません。真実はダンボールの中です。
賛否両論点、難点
後の作品になるにつれて映画的演出が拍車をかけています。本作も有名な映画などを意識した演出が数多くあり、ムービーゲーと呼ばれることも…。
シナリオ、話の展開には矛盾点がない反面、伏線の張り方が露骨な部分があり、プレイヤーがその展開を見抜いたとしてもシナリオは一本道、「やらされ感」が生じます。「映画的なゲーム」であるための欠点といえるでしょうか。
また、難易度が高く、アクションゲームが苦手な人には敷居が高いという部分も賛否が分かれる点ですね。
総評とまとめ
後の作品ではムービーゲーと呼ばれることもある本シリーズですが、その中でも本作はムービーの占める割合も程良く、良質なシナリオとキャラクターの魅力を十分に引き出していると感じました。当時の業界では初の試みが多くなされ、後のゲーム史に数多くの影響を与えた点も見逃せませんね。
『メタルギアシリーズ』は作品数が非常に多いので、いままで手を出しづらかった。
と言う人は多いと思います。しかし、映画好きや小説好き、そして勿論ゲーム好きならば、
この作品をプレイしないなんて勿体ないですよ!
まだ自宅に現役のプレイステーションかプレイステーション2があるという方、
中古のゲーム屋さんで『メタルギアソリッド』を見かけた際は是非お手に取っていただきたい!
プレイステーション3か4でも、ゲームアーカイブスで配信されているものを購入すれば、当時の雰囲気はそのままにプレイすることができますよ!
「20世紀最高のシナリオ」と「ステルスアクションの面白さ」が貴方を魅了することでしょう。
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