バブル期に人気を博した北欧の名車「サーブ(SAAB)」が70年の歴史に幕を閉じる
2016年6月25日 更新

バブル期に人気を博した北欧の名車「サーブ(SAAB)」が70年の歴史に幕を閉じる

1980~90年代のバブル期に日本でブームになったサーブ。しかし、ブランドを保有するナショナル・エレクトリック・ビークル・スウェーデンが電気自動車の開発に注力するため、2017年に消滅することになった。

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時代の最先端を駆け抜けた自動車ブランド「サーブ」(SAAB)が、2017年に消滅

個性的な車体で日本でも根強い人気を誇ったスウェーデンの自動車ブランド「サーブ」(SAAB)が、2017年に消滅することになった。(ブランドを保有するナショナル・エレクトリック・ビークル・スウェーデン(NEVS)が発表)
2017年に消滅することになった「サーブ」

2017年に消滅することになった「サーブ」

NEVSのサイトによると、今後は電気自動車の開発に注力し、「サーブ」の商標は使わないとの事だ。
NEVSのマティアス・バーグマン社長は「多くの主要市場ではEVにとって転換点が近づいている」として、「私たちの歴史と遺産について慎重に検討を重ねた結果、我々自身の商標を使うことになった」とコメントしている。
ナショナル・エレクトリック・ビークル・スウェーデン(N...

ナショナル・エレクトリック・ビークル・スウェーデン(NEVS)

NEVS社は中国企業が資本を保有しており、車両の研究と、新エネルギー自動車技術の開発を手掛ける。またサーブ・オートモービルに対し、資産、技術、知的財産を買収している。そして2014年にはスウェーデンの工場を閉鎖するなど経営再建を進めてきた。

北欧の名車「サーブ」(SAAB)

「サーブ」(SAAB)が誕生したのは、第2次大戦後である。航空・軍需品を手掛けるサーブ社の自動車部門として誕生した。
サーブ(SAAB)にとって初の量産車となった92

サーブ(SAAB)にとって初の量産車となった92

空力を考慮した水滴形のデザインや、軽量なモノコックボディーなど、航空機製造で培った技術がふんだんに取り入れられていた。
航空機のフォルムを応用したデザインや、先端技術を取り入れた個性的なサーブ(SAAB)の自動車はたちまち話題となり、その名が世界中に知られることとなった。

以来、1958年からのシートベルトの標準装備、1971年には衝撃吸収バンパーを世界初採用、1972年にはサイドインパクトバーを世界初採用、飛行機が空気の薄い高空を飛ぶために考案されたターボを1976年量産車に世界初採用、1991年フロンフリーエアコンを世界初採用するなど、様々な点で自動車業界をリードしてきた。

バブル期に日本でもブームに!

1978年から93年にかけて販売された「サーブ・900」

1978年から93年にかけて販売された「サーブ・900」

1980~90年代のバブル期には、作家の五木寛之が紹介したことで日本でも「サーブ・900」の人気に火がつき、飛行機を連想させるグリルなど北欧らしい個性的なデザインがブームになった。

サーブ(SAAB)のちょっと変わっているところ

イグニッションキーの位置

イグニッションキーの位置

運転席と助手席の間にあるキーの差し込み口。
ライトのスイッチの位置と形

ライトのスイッチの位置と形

普通の車のようにウィンカーレバーの端ではなく、ハンドルの向こう側(左上)にスイッチがある。
変な開き方をするボンネット

変な開き方をするボンネット

「サーブ・900」の中でもとくに人気が高かったモデルは900カブリオレで、強いラウンド型で立ち気味のフロントウィンドウとスラントノーズを備え、独特なプロポーションがスタイリッシュな印象を与えた。
900カブリオレ

900カブリオレ

順調に売上を伸ばしていると思われた「サーブ」(SAAB)だが、アメリカの「ゼネラルモータース」の子会社となってから急激に経営が悪化し、リーマンショックの影響などで2011年には破産。その後、オランダのスパイカーによる買収を経て、NEVS社が保有する形となった。しかし、サーブは70年間で歴史に幕を下ろすことになる。
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