実際にヤンキーの女学生を主役として撮られた「夜をぶっとばせ」。これは裏ヤンキー映画の決定版ですね。
2020年2月24日 更新

実際にヤンキーの女学生を主役として撮られた「夜をぶっとばせ」。これは裏ヤンキー映画の決定版ですね。

1983年、大ヒットしたヤンキー映画「積木くずし」に対抗するかのようにして制作された「BLOW THE NIGHT 夜をぶっとばせ」。目玉は主役に実際のヤンキー女学生だった高田奈美江を据えたことでしょう。お世辞にも演技が上手いとは言えませんが、カワイイんです。ヤンキー好きにはたまりませんよ。また、デビュー前のストリート・スライダーズのライブシーが観れるのも目玉です。

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夜をぶっとばせ

ツッパリやヤンキーといった言葉が一般的になってきた1983年、喫煙、シンナー、暴走、喧嘩、不純異性交遊といった非行を重ねていた実際の女子中学生を主人公とした映画が製作されました。
BLOW THE NIGHT 夜をぶっとばせ

BLOW THE NIGHT 夜をぶっとばせ

製作年:1983年
上映時間:109分

監督:曽根中生
脚本:中田玲子、曽根中生
企画:曽根中生、大淵順雄
「BLOW THE NIGHT 夜をぶっとばせ」ですが、まさに異色作です。本物の非行少女を主役にするとは。ただ、リアリティを出したかったのかもしれませんが、役者としては素人なわけですから残念ながらそれほどの効果が出ているとは思えません。セリフは棒読みに近く、B級映画に輪をかけているように感じます。
が、しかし、そこが良い!実にそこが最高なのです。この映画は。

同年には、やはり同じく非行女子中学生を主人公とした「積木くずし」が放映され大きな話題となっていました。
積木くずし−親と子の200日戦争−

積木くずし−親と子の200日戦争−

1983年2月からTBS系列で放送された「積木くずし−親と子の200日戦争−」は、最終回は45.3%という歴代視聴率No.1となるほど大ヒットし、社会現象となりました。
主役を演じた高部知子が徐々にヤンキーとなっていく様は大きな反響を呼び、同年の11月には映画公開されています。
積木くずし

積木くずし

脚本:新藤兼人
監督:斎藤光正
音楽:羽田健太郎
映画版「積木くずし」の主役を務めたのは渡辺典子です。渡辺典子にしろ高部知子にしろ当時は清純派の女優で、そうしたヤンキーとは対極にある女の子が変貌していくというところが話題であり、見どころでもありました。

「BLOW THE NIGHT 夜をぶっとばせ」は、言ってみれば二番煎じ。話題作りがしたかったことは想像に難くありません。話題作りのひとつが、実際の歩行少女を主役にすることだったのではないでしょうか。
発表時スナップ写真

発表時スナップ写真

主役の高田奈美江と曽根中生監督
監督は多くのロマン・ポルノ映画で活躍した曽根中生。本作は曽根中生監督の代表作とされています。

高田奈美江

ご存知のない方に先ず見て頂きたいのが高田奈美江です。
高田奈美江

高田奈美江

映画なのですから役者が本物のヤンキーかどうかなどは問題ではありません。映画の質ということでいえば、本物のヤンキーに見えるかどうかが問題でしょう。

しかし、高田奈美江の場合は、そんなことも小さな問題です。なんというか、カワイイ。高田奈美江はカワイイのです。
高田奈美江

高田奈美江

ヤンキー好きにはたまらなくカワイイんですよね。演技であろうとなかろうと、この映画はこれでいいんです。彼女でなければ成り立たないんですよね。

因みに、高田奈美江はこの映画以降は目立った活動はしていないようです。残念です。
ざけんじゃねえヨ

ざけんじゃねえヨ

高田奈美江

ストリート・スライダーズ

話題作りと言う意味では、音楽をデビュー間もないストリート・スライダーズが担当しています。担当というか、なんと、冒頭はデビュー前のストリート・スライダーズのライブシーン(曲は「マスターベイション」)から始まるんです。
ザ・ストリート・スライダーズ

ザ・ストリート・スライダーズ

Slider Joint
1983年3月リリース

1.Blow The Night!
2.Downtown Sally
3.あんたがいないよる
4.Jumpin' Shoes
5.すれちがい
6.サテン・ドール
7.マスターベイション
8.のら犬にさえなれない
9.酔いどれDancer
10.Let It Roll
35 件

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  • ただのおばちゃん 2020/6/5 23:28

    懐かしぃー!その一言
    当時はヤンキードラマ、映画沢山あったけれど氷のように冷たく尖った気持ちを描いた物は、共感出来るものは無かった。それだけに夜をぶっ飛ばせは自分と重なる映画だったな。

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