【わら半紙】昔は藁が原料の「藁半紙」、近年では再生紙や中質紙、更紙などをかつての名残で「わら半紙」と呼んでいます。
2016年5月13日 更新

【わら半紙】昔は藁が原料の「藁半紙」、近年では再生紙や中質紙、更紙などをかつての名残で「わら半紙」と呼んでいます。

よく引っかかり、よく破れたわら半紙との付き合いは、まさに腐れ縁。そんなわら半紙、かつては「藁半紙」でしたが近年では中質紙や再生紙を「わら半紙」と呼んでいるようで、「わら半紙」という言葉自体も随分と聞かなくなったものです。

14,838 view

学校生活と共にあった「わら半紙」

子供心に「白は高級」と感じるようになった「わら半紙」との付き合い

たまに綺麗な白い紙のときもあった(全国統一試験?のようなとき)気がしますが、校内の印刷物は「わら半紙」だったと憶えています。

鉛筆、シャープペンの先が繊維質のようなところで引っかかって破れたり、消しゴムで消し過ぎてファサファサになったり、あるいは消しゴムに力入れ過ぎてやっぱり破れたり・・・。

みなさんもきっとそんな感じだったはずです、「わら半紙」との付き合いは。
なじみの深い「わら半紙」

なじみの深い「わら半紙」

わら半紙(わらばんし、藁半紙)は稲藁や麦藁を原料とする半紙のこと。
明治期からは藁を原料とするパルプから製造された洋紙をさす言葉となり、藁を原料としなくなった現在は中質紙や、さらにその下級紙である更紙、あるいは再生紙をさす言葉として慣例的に使われています。
こんな色味で、時間が経過すると黄ばみました

こんな色味で、時間が経過すると黄ばみました

これなどはおそらく「藁半紙」の特徴だったのではないでしょうか。
古い時代には量産されていた「藁半紙」

古い時代には量産されていた「藁半紙」

したがって、古い文献はやたらと黄ばんでいますね。
※経年劣化自体はわら半紙でなくても起こりますが
とくにこの「砂消し」との相性は最悪だったような気がします。

現代も「わら半紙」はありますが原料は変わっているようですね

再生更紙の「わら半紙」

再生更紙の「わら半紙」

このように原料を指した「藁半紙」ではなく、慣例的に商品名で「わら半紙」とされていますが、原料は藁ではなくなったようです。
現在、藁を原料とする商業的なわら半紙は無くなった。藁は収穫する時期が1年に一度であり、原料として保存するためには大容量の倉庫を必要とするため、経営的観点から通年入手可能な木材に変わっていった経緯がある。
藁を原料としないわら半紙は学校への納入を行っている文房具店や多くの種類の紙を扱っている包装用品店などで入手することが可能であるが、上質紙が主流となった現在、わら半紙の取扱量は減っており、ホームセンター等での入手はほぼ不可能となっている。
個人で購入する場合、上質紙よりも割高になることが多い。かつてはわら半紙のほうが安かったが1990年代後半頃から価格が逆転しており、近年再生上質紙も流通するようになったことから、保存性の面からもわら半紙を選ぶ利点はなくなりつつある。
「藁」だと、コストもむしろ高くついてしまうようです。
ただし、中質紙や更紙ならではの弱点は藁半紙時代と変わら...

ただし、中質紙や更紙ならではの弱点は藁半紙時代と変わらないようですね

上質紙と比べ白色度に劣り、リグニンを除去していないため比較的短期間で黄色く変色します。
シャープペンなどの筆記具で破れやすいという欠点も変わりません。
また、学校などの教育現場でよく使われる簡易印刷機(輪転機)等ではインクの乗りが良いものの、通常の印刷機ではインクがにじみやすく、紙詰まりを起こしやすいです。
「藁半紙」はすでになくなり、中質紙や再生紙などを「わら半紙」と呼ぶことはありますが、それ自体も近年ではあまり聞かなくなってきた、ということのようですね。
わら半紙にガリ版

わら半紙にガリ版

この風合い自体が、すでに懐かしい光景になってしまったようです。
16 件

思い出を語ろう

     
  • 記事コメント
  • Facebookでコメント
  • コメントはまだありません

    コメントを書く
    ※投稿の受け付けから公開までお時間を頂く場合があります。

あなたにおすすめ

関連する記事こんな記事も人気です♪

小学生向けの学習帳を「大学に入学後も使っている学生」がまさかの事態に遭遇!!

小学生向けの学習帳を「大学に入学後も使っている学生」がまさかの事態に遭遇!!

このたび「大学生になっても小学生向けの学習帳を使用している人物がいる」と、SNSを中心に大きな話題となっています。
隣人速報 | 2,365 view
子供の頃に読んだ小学館「少年少女 日本の歴史」に最新刊「平成の30年」が登場!角川も負けじと歴史本を出版!

子供の頃に読んだ小学館「少年少女 日本の歴史」に最新刊「平成の30年」が登場!角川も負けじと歴史本を出版!

子供の頃に親に買ってもらった方も多いであろう“日本の歴史を取り扱う漫画”。このたび、小学館の人気シリーズ「少年少女 日本の歴史」の最新刊「少年少女 日本の歴史 22 平成の30年」が刊行されました。
隣人速報 | 1,365 view
ミドルエッジ世代が理科の時間に習った「優性遺伝」「劣性遺伝」の名称が変わるってご存知ですか?

ミドルエッジ世代が理科の時間に習った「優性遺伝」「劣性遺伝」の名称が変わるってご存知ですか?

ミドルエッジ世代が遺伝の授業で習った「優性遺伝」「劣性遺伝」という言葉。日常会話で使用されることもあるポピュラーな単語ですよね。そんな「優性」「劣性」ですが、日本遺伝学会が名称変更を予定していることをご存知でしょうか?
小学校時代にシャーペンが禁止されていた理由とは?

小学校時代にシャーペンが禁止されていた理由とは?

社会人の筆記用具として欠かすことの出来ない「シャーペン」。しかし、我々が小学校に通っていた頃には先生から「シャーペンは禁止、鉛筆を使いなさい」と言われていませんでしたか?なぜ小学校ではシャーペンが禁止だったのでしょうか?この記事ではその謎を紐解いてみたいと思います。
となりきんじょ | 17,777 view
もう一度見たい、あのころの学研!!70年代の「科学と学習」で連載されていた学習漫画の復刻電子書籍、第2弾が登場!

もう一度見たい、あのころの学研!!70年代の「科学と学習」で連載されていた学習漫画の復刻電子書籍、第2弾が登場!

株式会社学研プラスがお送りする「もう一度見たい!あのころの学研」。懐かしの学習まんがの数々を電子版で復刻するシリーズ、第2弾が7月26日に登場します。
ニュースFレン | 3,133 view

この記事のキーワード

カテゴリ一覧・年代別に探す

あの頃ナウ あなたの「あの頃」を簡単検索!!「生まれた年」「検索したい年齢」を選択するだけ!
リクエスト