1991年に創設された『イグノーベル賞』
1991年に「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に対して与えられるのを目的として創設された。
名称はノーベル賞創設者のノーベルに、否定を表す接頭辞的にIgを加え、英語の形容詞ignoble(恥ずべき、不名誉な、不誠実な)にかけた造語に由来する。
公式パンフレットにはノーベルの親戚と疑わないIgnatius Nobel(イグネイシアス・ノーベル)という人物の遺産で運営されているという説明も書かれているが、これはノーベル賞にちなんだジョーク。
「Laugh(笑い)and then(そして)think(考えさせられる)!」
イグノーベル賞のベースにあるのはこのコンセプトだ。
90年代、イグノーベル賞受賞者の主な研究
ジャック・ベンベニスト――1991年、1998年。
同賞唯一のダブル受賞者。
『水が記憶を持つ』などの、いわゆるホメオパシー治療法信者の生き字引的存在であり、世界的科学雑誌「ネイチャー」にしつこく論文を投稿していた"業績"を評価された。
エドワード・テラー――1991年、平和賞。
水爆の父。核抑止論を生涯にわたって熱心に主張した一人であり、衛星などを利用した防衛機構・『戦略防衛構想』の提唱者でもあった。スタンリー・キューブリックの「博士の異常な愛情」に登場した水爆大好き博士・ストレンジラブのモデル。
受賞理由は、「我々の知る"平和"の意味を根本から変えることに生涯にわたって努力した」から。
セシル・ヤコブソン医師――1992年、生物学賞。
「人工授精の、簡単で、独力で可能な画期的な方法の開発」。優れた遺伝子を持つ男性の精子による人工授精を望む女性患者に対し、自分の精子を使って人工授精。詐欺罪と偽証罪に問われた。
ジム・ノールトン、米国国立芸術基金――1992年、美術賞。
ありとあらゆる動物のペニスをスケッチした画集「動物界のペニス」を出版。
さらに同時に受賞した基金は、ノールトンの「飛び出す絵本にしたいから資金援助を!」という申請を通してしまった。
ジェイムス・F・ノーラン、他2名――1994年、医学賞。
「ジッパーに挟んだペニスの応急処置の研究」。
挟んだところに軟膏を塗り、ファスナーをペンチで壊すべし。
バーナード・ヴォネガット――1997年、気象学賞
「ニワトリの羽根の千切れ方で竜巻の風速がわかる」という俗説を、実験と計算により検証したことに対して。
結論は「ニワトリの健康状態や空気抵抗、空気衝撃などの影響を考慮すると、正確さに欠ける」。
なお、SF作家のカート・ヴォネガット(Jr.)は実の弟。
トロイ・ハーツバイス――1998年、安全工学賞。
グリズリーにも負けないパワードスーツ(グリズリースーツ)の開発と、果敢にも自分で実地試験をしたことに対して。
現在彼は、軍用強化外骨格の発明に励んでいる。
アタル・ビハーリー・ヴァージペーイ、インド首相。ナワズ・シャリフ、パキスタン首相――1998年、平和賞。
「核爆弾の平和的利用の成功」。
これは、両国が「平和的核爆発」とか何とか抜かして核実験を開始したことへの皮肉。
アーヴィッド・ヴェイトル――1999年、医学賞。
「検尿の際、患者がどんな容器を用いるのかの傾向の研究」。
ブロンスキー夫婦――1999年、健康管理賞。
「画期的な妊娠補助設備の開発」。
妊婦の乗った分娩台を高速で回転させ、遠心力で胎児を取り出しやすくする。
ちなみに妊婦に7G相当の力が加わる設計だったというが、5G以上の力が加わると人間は失神する。
ジッパーにペ●スを挟むっ!考えただけで悶絶っ!
1994年、ジェイムス・F・ノーラン氏、他2名の研究によって、問題解決には局部に軟膏を塗って、ペンチでファスナーを壊すという超未来思考の画期的な研究結果が導き出された。
授賞式はハーバード大学で!受賞しても授賞式への交通費すら出ない!
ノーベルの命日である12月10日にスウェーデンのストックホルムで行われる本家・ノーベル賞に対して、毎年9、10月頃、ハーバード大学で行われるイグノーベル賞の授賞式。
ノーベル賞では式の冒頭でスウェーデン王室に敬意を払うのに対して、イグノーベル賞では、スウェーデン風ミートボールに敬意を払う。
スピーチでは聴衆から笑いをとることが鉄則とされ、スピーチが終わると、観客が一斉に紙飛行機を投げつけるのが恒例行事。
毎年この紙飛行機を掃除するのは、世界的な物理学者であるハーバード大学教授のロイ・グラウバー博士。
彼自身はイグノーベル賞を受賞したことはないが、この賞でモップ係を務めているうちに本家・ノーベル物理学賞を受賞したというエピソードつき(※「光のコヒーレンスの量子理論への貢献」で2005年に受賞した)。
ノーベル賞では式の冒頭でスウェーデン王室に敬意を払うのに対して、イグノーベル賞では、スウェーデン風ミートボールに敬意を払う。
スピーチでは聴衆から笑いをとることが鉄則とされ、スピーチが終わると、観客が一斉に紙飛行機を投げつけるのが恒例行事。
毎年この紙飛行機を掃除するのは、世界的な物理学者であるハーバード大学教授のロイ・グラウバー博士。
彼自身はイグノーベル賞を受賞したことはないが、この賞でモップ係を務めているうちに本家・ノーベル物理学賞を受賞したというエピソードつき(※「光のコヒーレンスの量子理論への貢献」で2005年に受賞した)。
イグノーベル賞の創設者マーク・エイブラハムズ氏
「ユーモア科学研究ジャーナル」という雑誌の編集者でもあった。創設当初は批判も強かったが、マーク氏の尽力もあり、今では”裏ノーベル賞”としてすっかり地位と人気を獲得している。
2015年には東京の東大で講演を行った。当日はイグノーベル賞受賞者のドクター中松氏も登壇者として参加した。
ちなみにドクター中松氏の受賞は栄養学賞。「34年間、自分の食事を撮影し、食物が脳の働きや体調に与える影響を分析」したことによる。
2015年には東京の東大で講演を行った。当日はイグノーベル賞受賞者のドクター中松氏も登壇者として参加した。
ちなみにドクター中松氏の受賞は栄養学賞。「34年間、自分の食事を撮影し、食物が脳の働きや体調に与える影響を分析」したことによる。
賞金の小切手が贈られるノーベル賞と違い、イグノーベル賞では賞金が出ない。
それどころか授賞式への交通費も出ないので、受賞者の金銭的な負担が大きい。
北米以外に住む金欠の研究者には厳しい待遇だが、それでも参加する研究者は多い。
意外にも賞品は出ることになっている。
2004年にカラオケの発明が評価され、イグノーベル賞の平和賞を受賞した井上大佑氏。
その際の賞品は、紙パックだったそう。中を開けてみると空っぽ。
しかし、そこにはハーバード大学キャンパス内の空気が詰め込まれていたとのことで、受賞者によってはブチ切れしそうな賞品だった。
それどころか授賞式への交通費も出ないので、受賞者の金銭的な負担が大きい。
北米以外に住む金欠の研究者には厳しい待遇だが、それでも参加する研究者は多い。
意外にも賞品は出ることになっている。
2004年にカラオケの発明が評価され、イグノーベル賞の平和賞を受賞した井上大佑氏。
その際の賞品は、紙パックだったそう。中を開けてみると空っぽ。
しかし、そこにはハーバード大学キャンパス内の空気が詰め込まれていたとのことで、受賞者によってはブチ切れしそうな賞品だった。
受賞者のスピーチの持ち時間はたったの60秒!!
スピーチに用意された時間は、たったの60秒!制限時間を過ぎると、舞台袖から8歳の少女が現れる。8歳の少女というのはお決まりで、「8歳」には特別な意味があるらしい。彼女は、ミス・スウィーティー・プー。もちろん会場に迷い込んだわけではない。スピーチに夢中の受賞者もお構いなしで、「もうやめて、飽きちゃったわ!」の連呼が始まる。
90年代に受賞した日本人
「足の匂いの原因となる化学物質の特定」
(1992年:医学賞:神田不二宏・資生堂研究員)
「ピカソの絵とモネの絵を区別できるハト」
(1995年:心理学省:渡辺茂・慶応大学教授)
「ミニ恐竜、ミニ馬、ミニドラゴン、ミニ王女の化石の発掘」
(1996年;生物学的多様性賞:岡村長之助)
「ガムの味による脳波の変化の研究」
(1997年:生物学賞:柳生隆視・関西医科大学講師)
「たまごっち」
(1997年:経済学賞:真坂亜紀・バンダイ)
「夫のパンツに吹きかけることで浮気を発見できるスプレー「Sチェック」の開発功績」
(1999年:化学賞:牧野武・セーフティ探偵社)
via i2.wp.com
ハトはピカソとモネの絵を見分けられること実証した渡辺茂氏
ハトにピカソとモネの絵をランダムに見せ続け、絵によって”つつく”か”つつかない”で餌を与える実験を行った。正解率が90%を超えるまで訓練は続けられたそう。
結果、ハトは絵の識別が可能という結論に至った。
ちなみに渡辺氏はカラスが本当に頭のいいことを証明したり、文鳥の音楽の好みが渋いことを証明するなど、鳥類の研究が多い。
結果、ハトは絵の識別が可能という結論に至った。
ちなみに渡辺氏はカラスが本当に頭のいいことを証明したり、文鳥の音楽の好みが渋いことを証明するなど、鳥類の研究が多い。
via dokutetsu.pya.jp
via heaaart.com