機動武闘伝Gガンダム 今川監督列伝
2017年7月8日 更新

機動武闘伝Gガンダム 今川監督列伝

ガンダムの父親とも言うべき巨人、富野由悠季監督は体調を崩して監督から一時退いた。言い残したことはふたつ「ロボットプロレスをやって」「今川を呼べ」。無茶ぶりとも思えるような指名を受けた我らが今川監督は、ガンダムという重い看板を背負いつつも個性を発揮。できあがったのが「機動武闘伝Gガンダム」であった。ガンダムファイト……レディ、ゴー!

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 さてここでいくつかの転機が訪れます。
 監督をつとめていた富野由悠季さんが体調を崩してしまいました。単純なバイオリズムの問題ではなくガンダム作成が絡んだあれやこれやが原因だったとか。
 彼はある言葉を残しガンダムの監督から一時撤退します。

「次の監督は今川さんで。戦争モノではなくてロボットプロレスをやって」

 なんでやねん。

今川監督伝Gガンダム

 注文をつけてくるのは富野監督だけではありません。スポンサーもあれやこれやと言ってきます。

 そもそもガンダムは「テレビ原作なので話を変えやすい」「グッズ展開が強い商業性を持っている」「ガンプラブームが起きている」とクリエイターにとって厄介な特徴の目白押し。
 本来出す予定が無かった機体が出てきたり死ぬはずだった人が生きていたり話の途中で路線を変えたり程度は〝もはや日常茶飯事〟という有様。そら監督の体調も崩れるわけです。

 スポンサーからは「ガンダム以外のグッズが売れないから相手もガンダムにして」という意見があったとかなかったとか。


 以上のような事情を諸々ふまえてできあがったのが、
機動武闘伝Gガンダム

機動武闘伝Gガンダム

汚れた地球を捨ててスペースコロニーへと去った人類が、コロニー間戦争を避けるためにそれぞれの代表をガンダムに乗せ、ファイトと称して戦い、最後まで勝ち残ったガンダムのコロニーが主導権を握るというガンダムファイトが繰り広げられる。出てくるマシーンのほとんどがガンダム

機動武闘伝Gガンダム オープニング

 つまり「〝ガンダム〟と〝ガンダム〟が〝ガンダムファイト〟で争いつつ地球や人類を狙う〝ガンダム〟を打ち倒す、というガンダム」

 これには一休さんも苦笑い。

 今川監督は演出やアレンジが大変上手で(皮肉ではない)、相手がガンダムだからと言って遠慮するようなぬるい人でもないわけです。
 すると、

参考動画

「必殺!シャイニングフィンガー!」

「ガンダムファイト国際条約第1条、頭部を破壊された者は失格となる」

「食らえ、愛と怒りと悲しみのシャイニングフィンガーソーーード!面!面!!メェーーーーーン!」
参考画像

参考画像

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参考画像

参考画像

参考画像

 こうなります。私は好きですね。より正確に言うと〝大好き〟です。

 ただ〝今までのガンダムの雰囲気をぶち壊した〟というだけなら「これもガンダム、よろしおすなあ」で済んだかもしれないのですが、

 ・舞台が宇宙世紀ではなく未来世紀(別世界)である。
 ・ガンダムは従来の《操縦》ではなくパイロットの動きをトレースする《モビルトレースシステム》を採用。
 ・そもそもガンダムがMS(モビルスーツ)ではなくMF(モビルファイター)。
 ・個性豊かで大量のガンダムたち

 といった特筆すべき要素があり、同業者のなかには〝「富野さんじゃなくても自由にガンダムをつくっていいんだ」といった安堵が生じた〟人もいるとか。

 シリーズは大きくなればなるほど飽き、マンネリ、慢性化、エンドレスといったものが大敵となってきます。
 今川監督とGガンダムはそれらを打破する絶好のカンフル剤としても作用したのでした。イイハナシカナー?

今川監督作品を摂取する際に気を付けるべきこと

ルールとマナーを守って楽しくアニメを視よう!

ルールとマナーを守って楽しくアニメを視よう!

 今川監督作品はGガンに限らず〝オリジナルとアレンジが存在感を放っている〟〝しかも面白い〟という二大特徴があります。
 よってオリジナル要素をもとに作品で遊んでいると〝原作好きな人と最悪殴り合いになる〟可能性があるのでご注意ください。

 このあたりの事情と「ツッコミをいれ始めたらキリが無い」ということを踏まえてつくられたのが某百科事典の《今川だからしょうがない》という項目。

「仕方がない……その一言で片付けるしかない事もあるんだ」
〝個性豊かで大量のガンダム〟の例

〝個性豊かで大量のガンダム〟の例

胴がガンダムのカニガンダム

胴がガンダムのカニガンダム

横に顔があるヒラメガンダム

横に顔があるヒラメガンダム

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