「赤い洗面器の男」とは
三谷脚本のドラマで、主要人物が小咄を話すシーンがあります。それが「赤い洗面器の男」。ドラマやシチュエーションは異なれど、話の内容はほぼ同じで、肝心の話のオチに差し掛かるとハプニングがあり、オチは語られずに終わってしまいます。1990年代のドラマでたびたび見られましたが、2024年現在もそのオチは分からずじまいです。
「赤い洗面器の男」の小咄が登場したドラマの中から、『古畑任三郎』の各シーズンから1話ずつ、『王様のレストラン』から1話を振り返ります。
「赤い洗面器の男」の小咄が登場したドラマの中から、『古畑任三郎』の各シーズンから1話ずつ、『王様のレストラン』から1話を振り返ります。
古畑任三郎・第1シーズン・第11話『さよなら、DJ』
放送日:1994年6月22日
小咄を語った人
ラジオDJ・中浦たか子(真犯人、演:桃井かおり)
他の登場人物
付き人・沢村エリ子(被害者、演:八木小織)
三谷脚本で初めて「赤い洗面器の男」が登場したのが、正にこの放送回。ラジオDJの中浦たか子が自身の番組のオープニングで「赤い洗面器の男」を語り始めます。
小咄を語った人
ラジオDJ・中浦たか子(真犯人、演:桃井かおり)
他の登場人物
付き人・沢村エリ子(被害者、演:八木小織)
三谷脚本で初めて「赤い洗面器の男」が登場したのが、正にこの放送回。ラジオDJの中浦たか子が自身の番組のオープニングで「赤い洗面器の男」を語り始めます。
中浦「赤い洗面器の男の話。ある晴れた日の午後道を歩いていたら、向こうから赤い洗面器を頭にのせた男が歩いてきました。洗面器の中にはたっぷりの水。男はその水を一滴もこぼさないように、ゆっくりゆっくり歩いてきました。私は勇気をふるって、『ちょっとすいませんが、あなたどうしてそんな赤い洗面器なんか頭にのせて歩いているんですか?』と聞いてみました。すると男は答えました。(ポン!)この話の続きは番組の最後に。中浦たか子のミッドナイトジャパーン!午前4時までお付き合い下さいませませー!」
中浦はその後、沢村を殺害し、あたかも自分の身代わりで殺されたかのようにトリックを仕掛けますが、古畑に見破られます。
そして、中浦の番組放送中に古畑が登場。中浦は再び、番組のエンディングで「赤い洗面器の男」の話を始めますが、動揺したのか言葉に詰まり、最後まで話せずに終わってしまいます。
そして、中浦の番組放送中に古畑が登場。中浦は再び、番組のエンディングで「赤い洗面器の男」の話を始めますが、動揺したのか言葉に詰まり、最後まで話せずに終わってしまいます。
中浦「今週もそろそろお別れの時間がやってきました。ある日の午後、道を歩いていたら、向こうから赤い洗面器を頭にのせた男が歩いてきました。私は勇気をふるってその男に聞いてみました。(沈黙)『どうして・・・どうしてあなたは、あ、赤い洗面器なんか頭に、の、のせて歩いているのですか?』」
最後のシーン。古畑が中浦を連行する前、彼女に「赤い洗面器の男」のオチについて尋ねますが、結局、彼女は話してくれませんでした。これが、三谷脚本の定番となる「赤い洗面器の男」の "語られないオチ" の始まりです。
古畑「あのう、一つ気になってたんですが、男はどうして赤い洗面器を頭にのせてたんですか?」
中浦「ああ、あれね」
古畑「はい。できたら教えてもらえませんか?」
中浦「いやだ。この問題は墓場まで持ち込んでやる」
中浦「行きましょう」
古畑「はい」
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王様のレストラン・第7話『笑わない客』
放送日:1995年5月31日
小咄を語った人
オーナー・原田禄郎(演:筒井道隆)
他の登場人物
ギャルソン・千石武(演:松本幸四郎)
大臣(演:村井国夫)
秘書(演:近藤芳正)
EUとの会議の場に選ばれた、ベル・エキップ(レストラン)。しかし、会議は難航し、料理が出されても双方ともまったく手をつけない険悪なムードになります。見るに見かねた原田禄郎が、テーブルまで足を運び、いきなり始めた小咄が「赤い洗面器の男」です。
大臣、秘書、EU側も最初は無視していたものの、途中から話の展開が気になり始めます。場を盛り上げるチャンスでしたが、禄郎は肝心のオチを忘れてしまい、さらに険悪なムードに・・・。
小咄を語った人
オーナー・原田禄郎(演:筒井道隆)
他の登場人物
ギャルソン・千石武(演:松本幸四郎)
大臣(演:村井国夫)
秘書(演:近藤芳正)
EUとの会議の場に選ばれた、ベル・エキップ(レストラン)。しかし、会議は難航し、料理が出されても双方ともまったく手をつけない険悪なムードになります。見るに見かねた原田禄郎が、テーブルまで足を運び、いきなり始めた小咄が「赤い洗面器の男」です。
大臣、秘書、EU側も最初は無視していたものの、途中から話の展開が気になり始めます。場を盛り上げるチャンスでしたが、禄郎は肝心のオチを忘れてしまい、さらに険悪なムードに・・・。
禄郎「ある男の人が道を歩いていたら、前からおじいさんがやってきました。そのおじいさんは、頭の上に赤い洗面器をのせてました。そして、その洗面器の中には水がたっぷり入ってました。で、その男の人は聞いたんです。『もしもし、おじいさん。どうして頭の上に洗面器のせてるんですか?』そしたら、おじいさんは答えました」
大臣「それで?」
禄郎「あ、こういうなぞなぞ知ってます?黄色くって、鼻が長くて、くるくるまわってるもの?」
秘書「それはいいから、さっきの話は?」
大臣「どうして赤い洗面器をのせてたんだ?」
千石「みなさん、話のオチが聞きたいそうです。オーナー?」
禄郎「すいません、忘れました」
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古畑任三郎・第2シーズン・第21話『魔術師の選択』
放送日:1996年2月28日
小咄を語った人
マジシャン・倉田勝男(被害者、演:池田成志)
他の登場人物
元マジシャン・南大門昌男(真犯人、演:山城新伍)
新人マジシャン・毛利サキ(被害者の恋人、演:松たか子)
マジッククラブの開店10周年のパーティーに招待された古畑。元マジシャンでオーナーの南大門がマジックを披露した後、歓談の時間となり、倉田は恋人の毛利に話しかけます。その際に登場したのが「赤い洗面器の男」の話。ショートバージョンで、いきなり核心部分から入ります。しかし、オチを話す直前に突然吐血し、その場に倒れて即死。自殺と他殺の両面で捜査が始まります。
小咄を語った人
マジシャン・倉田勝男(被害者、演:池田成志)
他の登場人物
元マジシャン・南大門昌男(真犯人、演:山城新伍)
新人マジシャン・毛利サキ(被害者の恋人、演:松たか子)
マジッククラブの開店10周年のパーティーに招待された古畑。元マジシャンでオーナーの南大門がマジックを披露した後、歓談の時間となり、倉田は恋人の毛利に話しかけます。その際に登場したのが「赤い洗面器の男」の話。ショートバージョンで、いきなり核心部分から入ります。しかし、オチを話す直前に突然吐血し、その場に倒れて即死。自殺と他殺の両面で捜査が始まります。
倉田「でね、彼女は男に聞いたんだよ。『どうして赤い洗面器を頭の上に乗せているんですか?』って。そしたら奴は答えた。『それは君の・・・』」
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古畑任三郎・第3シーズン・第38話『最も危険なゲーム・後編』
放送日:1999年6月22日
小咄を語った人
SAZのリーダー・日下光司(真犯人、演:江口洋介)
他の関係者
駅の管理センター局長・武藤田(演:佐々木功)
前後編の2話に渡って放送された、第3シーズンの最後の事件。身代金の受け渡し場所となった野球場に、古畑、日下、武藤田の3人が向かいます。しかし、実は真犯人は日下で、身代金要求は本来の目的を隠すためのカムフラージュ。古畑もそれを見破っていました。古畑がそのことを日下に暗に告げると、日下が突然切り出したのが「赤い洗面器の男」の話。
以前もオチを聞きそびれた古畑は、事件のことを一瞬忘れたかのように、興味深く日下の話に耳を傾けます。しかし、必死になって犯人を探していた武藤田が突然倒れ、日下は話を中断。偽装することを忘れ、武藤田を助けに向かいます。
結局、最後までオチが語られることはありませんでした。
小咄を語った人
SAZのリーダー・日下光司(真犯人、演:江口洋介)
他の関係者
駅の管理センター局長・武藤田(演:佐々木功)
前後編の2話に渡って放送された、第3シーズンの最後の事件。身代金の受け渡し場所となった野球場に、古畑、日下、武藤田の3人が向かいます。しかし、実は真犯人は日下で、身代金要求は本来の目的を隠すためのカムフラージュ。古畑もそれを見破っていました。古畑がそのことを日下に暗に告げると、日下が突然切り出したのが「赤い洗面器の男」の話。
以前もオチを聞きそびれた古畑は、事件のことを一瞬忘れたかのように、興味深く日下の話に耳を傾けます。しかし、必死になって犯人を探していた武藤田が突然倒れ、日下は話を中断。偽装することを忘れ、武藤田を助けに向かいます。
結局、最後までオチが語られることはありませんでした。