【アンナ・パキン】11歳でアカデミー助演女優賞受賞!『ピアノ・レッスン』の子役で名演!
2022年11月6日 更新

【アンナ・パキン】11歳でアカデミー助演女優賞受賞!『ピアノ・レッスン』の子役で名演!

世界的人気を博す名優でも、未受賞者の多いアカデミー賞。中には、80歳を過ぎて初受賞する俳優もいるほどです。ところが過去には、"10代前半"でサプライズ受賞した少女がいました!最年少がテータム・オニールの10歳、その次が今回ご紹介するアンナ・パキンの11歳です。当時の受賞の様子を振り返りましょう。

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女優デビューまで

アンナ・パキンは、1982年カナダ生まれ。カナダ人で体育教師の父と、ニュージーランド人で英語教師の母の間に生まれ、三人兄妹の末っ子でした。4歳の時、ニュージーランドに移住し、9歳の時、映画『ピアノ・レッスン』子役オーディションに応募。学芸会でスカンクしか演じたことのない彼女でしたが、ジェーン・カンピオン監督は、彼女のモノローグの演技に感銘を受けます。そして、5,000人もの応募者を抑えて子役を勝ち取ったのは、アンナ・パキンでした。

映画『ピアノ・レッスン』

映画『ピアノ・レッスン(原題:The Piano)』は、ニュージーランド出身の女性監督ジェーン・カンピオンの作品です。あらすじは次の通り。

19世紀半ば、主人公のエイダ(演:ホリー・ハンター)は、娘のフローラ(演:アンナ・パキン)ピアノとともに、スコットランドから未開の地ニュージーランドに移住します。入植者のスチュアート(演:サム・ニール)に嫁ぐためです。口のきけないエイダにとって、ピアノは感情表現できる唯一無二のもの。しかし、スチュアートはそのピアノを、運び手がいないと言って海辺に放置します。娘を連れ、ピアノを弾きに海辺に足を運ぶエイダ。そんなエイダに惹かれたベインズ(演:ハーヴェイ・カイテル)は、自分の土地と引き換えに、スチュアートからピアノを入手します。そして、エイダには、自分へのピアノ・レッスンを条件に、ピアノを弾かせることを約束します。最初は嫌悪感を抱いていたエイダでしたが、レッスンを重ねるうち、ベインズに惹かれていきます。

第66回アカデミー賞では8部門にノミネートされ、ジェーン・カンピオンが脚本賞ホリー・ハンターが主演女優賞を受賞。アンナ・パキンも、当時11歳ながら助演女優賞にノミネートされます。結果はどうなったのでしょうか。
映画『ピアノ・レッスン』

映画『ピアノ・レッスン』

11歳でアカデミー助演女優賞受賞!

興奮した発表の瞬間

1994年に行われた第66回アカデミー賞。アカデミー助演女優賞のプレゼンターは、前年、『許されざる者』で助演男優賞を受賞した名優ジーン・ハックマンです。

ノミネートされた候補者は以下の5名。

ホリー・ハンター・・・『ザ・ファーム 法律事務所』
ロージー・ペレス・・・『フィアレス』
ウィノナ・ライダー・・・『エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事』
エマ・トンプソン・・・『父の祈りを』
アンナ・パキン・・・『ピアノ・レッスン』


いずれも評価の高い作品で、演じた女優も錚々たる面々です。中でも、ホリー・ハンターとエマ・トンプソンは、主演女優賞とのダブルノミネート。エマ・トンプソンは、前年の主演女優賞の受賞者でもあり、2年連続の受賞がかかっています。

そして、オスカー受賞したのは・・・・

アンナ・パキンでした!

客席からは、特段大きな拍手と驚きの喝采。特に、発表直後のホリー・ハンターは興奮状態で、娘役のアンナの受賞を大喜びしていました。

ドキドキの受賞スピーチ

隣に座るホリー・ハンターに促され、ステージに向かうアンナ。ジーン・ハックマンからオスカー像を受け取ると、演台に向かいます。11歳の少女が演台に立つと、マイクの位置が高すぎて、額の高さに。そのレアな光景が、歴史的快挙を物語っていました。

スピーチを始めようとするアンナ。しかし、緊張のせいか、激しい呼吸が止まらず、話し始められません。客席からは、あたたかい笑いが起きます。しかし、すぐに事前に用意した(であろう)スピーチをこなし、大役を果たしました。

内容は次の通り。
I'd like to thank the Academy for the honor of letting me be here today. I'd like to thank Jane, Jan and Holly for making this all possible. I'd like thank Eddie Campbell, Pat Quirke, and Beanie for taking such good care of me during the making of the film.
アンナ・パキンのアカデミー助演女優賞受賞スピーチ全文(日本語意訳)

今日、この場に立てることを光栄に思い、アカデミー協会に感謝したい。すべて、ジェーン、ジャン、ホリーのおかげだ。撮影期間中は、エディ・キャンベル、パット・クアーク、ビーニーにも面倒を見てもらった。皆に感謝したい。

Anna Paquin Wins Best Supporting Actress for "The Piano" | 66th Oscars (1994)

史上最年少のオスカー受賞!?

11歳での受賞は史上最年少かと思われましたが、実は、1974年第46回アカデミー賞で、当時10歳テータム・オニール助演女優賞を受賞していました。アンナ・パキンは、それに次ぐ史上2番目に若い受賞記録で、受賞から30年近く経った今も破られていません。

因みに、翌年のアカデミー賞で、アンナは助演男優賞のプレゼンターを務めます。この時の受賞者が、なんと当時66歳で初受賞のマーティン・ランドー。12歳から66歳へオスカー像を手渡すシーンは、アカデミー賞ならではの感動的な演出でした。

Martin Landau Wins Supporting Actor: 1995 Oscars

現在も女優として活躍

『ピアノ・レッスン』は、元々インディーズ映画として作られた作品で、関係者は誰も世界的ヒットなど期待しておらず、アンナも女優を続ける予定はありませんでした。ところが、映画のヒットでアンナのところには様々なオファーが殺到。後に、アメリカに移住し、女優活動を続けることになります。

代表作は、『X-MEN』シリーズ『トゥルーブラッド』『アイリッシュマン』など。現在も、女優として活躍中です。2021年には、伝説のクォーターバック、カート・ワーナーの実話に基づく物語を描いた映画『アメリカン・アンダードッグ』準主役で出演しています。

実話に基づく感動の物語『アメリカン・アンダードッグ』

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