「たかなシアター六番街」-四丁目の夕日-
2019年6月9日 更新

「たかなシアター六番街」-四丁目の夕日-

たかなシアター六番街、今回お届けするのは「四丁目の夕日」です。

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10連休が明け、仕事に追われた社会人の皆さん。お疲れ様です。
10日間も休んだら、誰だって会社に行きたくはないはず。

「会社爆発しねーかな」「誰か○なないかな!」

等と過激なことを少しでも思ったら、ワタクシのコラムを読むべきです。

特に後者の「だれか○なないかな」という社会的に完全アウトな発想をお持ちのアナタとは、気が合いそうな予感。

この発言により「そんな不謹慎なことを言ってはいかん!」と憤慨するアナタは今すぐこのページをそっ閉じしましょう。

そもそも「そっ閉じってナニ?」という人はもう帰れ。
「四丁目の夕日」 (2110747)

via 「四丁目の夕日」
このページに残った過激な皆さんは、「四丁目の夕日」をご存知でしょうか。

間違ってもあの「三丁目の夕日」を想像してはいけません。

三丁目~の続編かと勘違いをし、ワクワクして読んだピュアな方とんでもない目に遭ったという被害報告まで出ているほど。

読むには相当の覚悟が必要な作品とも言えます。

しかし一部の大きなお友達にはたいへんウケており、古い漫画でありながらひっそりと長い人気を誇っているのです。
   
今回はそんな「四丁目の夕日」を紹介します。

「四丁目の夕日」(山野一)

まず主人公の別所たけしですが、登場時は高校三年生。進学のためにせっせと勉強し、ガールフレンドまでいるリア充ですが、彼が通常の生活を送れているのは序序序序序盤のみです。(前前前世っぽく)
「四丁目の夕日」 (2110751)

(もうこのセリフの時点で不穏な雰囲気だよ!たけしくん!)
via 「四丁目の夕日」
喫茶店にて愛するガールフレンド・恭子とのケンカが勃発。

涙ながらに去る恭子を必死に追いかけようとするたけしですが、店内を走った途端、運悪く不良の飲み物を零してしまう事態に……。

もちろん不良は黙っていません。開始24ページから主人公・まさかのフルボッコ。
「四丁目の夕日」 (2110753)

(諸事情によりモザイクを入れてお送りしております)
via 「四丁目の夕日」
ここから彼の見事な転落劇が始まります。

ボコられた直後、家に帰ると母親が救急車に運ばれているのを目撃するたけし。

なんと母親のマス江は自宅にある焼却炉で、誤ってスプレー缶を燃やして大爆発。
「四丁目の夕日」 (2110755)

via 「四丁目の夕日」
オカンホッカホカ……じゃなくて、全身に大怪我を負ってしまったのです。

親が大怪我をするだけでも家族の精神状態は不安定になるもの。

ですが悪夢は序章に過ぎず、マス江のケガは本人の過失による自損事故のため、保険の支払いがほとんど期待出来ない状態に。

この医療費が、別所家をどんどん圧迫していくことになるのです。

別所家は元々、印刷屋でした。父親の富茂は医療費のために仕事の量を増やし、懸命に仕事を頑張るのですが……またしても悲劇が別所家を襲います。

あまりの忙しさに、過度の睡眠不足となっていた富茂。
「四丁目の夕日」 (2110757)

via 「四丁目の夕日」
カフェインたっぷりであろうヅバゲロン(怪しい)と共に、体に鞭を打つ日々。

ある日、印刷機の紙切れに気付き、立ち上がったその時でした。

重い紙の束を持ち、体をふらつかせた富茂。

その後、印刷機に体を巻き込まれて……アーーーーーッッッ!!
「四丁目の夕日」 (2110759)

(※諸事情により90年代ビデオ風モザイクでお送りしています※)
via 「四丁目の夕日」
ちなみにここの描写が見開きとなっているのですが、あまりのインパクトに忘れられない読者も多いとか。

もうこの時点で「無理……多分無理……ってか不可能……」と伊藤開司のように震えるか、「ここまで読んだらおさえることができない……どうしたものだ」と吉良吉影っぽくなるかはアナタ次第。

ちなみに悲劇はまだまだ終わらず、これ以上の悲しみや辛さがたけしを奈落の底へと突き落とします。

わけのわからない住人が住むボロアパートへ引っ越しを余儀なくされたり……
「四丁目の夕日」 (2110761)

via 「四丁目の夕日」
で、電話七輪焼き……

学業を諦め、鉄工所に勤務するも馴染めず……
「四丁目の夕日」 (2110763)

(めっちゃチョイ役なのにこのフレーズでインパクトを残す彼)
via 「四丁目の夕日」
「四丁目の夕日」 (2110764)

via 「四丁目の夕日」
こんな不幸話があるのだろうかとつい思ってしまいますが、全くないとは言い切れないのが怖いところ。

二度あることは三度ある、という言葉があるように、この世界では負の連鎖がこれでもか!というくらい詰め込まれています。

好き嫌いがハッキリと分かれる作品ですが、私は初めて読んだ時、あまりの衝撃にどんどんページをめくってしまいました。

たった1巻の短い漫画なのですが、とても1冊読んだとは思えない内容の濃さ。

「ただ人の不幸劇を覗いているだけじゃないか」と考える人には向きませんが、少し普通の作品に飽きてしまった、何か刺激を欲している時には心にガツンとくるかもしれません。

最後まで展開が読めず、終盤は「えぇぇ……」となること間違いなし。

この「えぇぇ」がどんな意味に捉えるかは、読んだ人によって意見がまた割れるんだろうなぁと、ワタクシはニヤニヤしながらこの文章を打っています。

ちなみにコミカルな言い回しやブラックな笑いも含まれており、山野一先生の遊び心(?)も伺えます。
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