なお、没後25年が経過した2014年には『ネオ・ファウスト』と『グリンゴ』の草稿4枚が発見されています。これらの草稿は、一時期兵庫県宝塚市の「市立手塚治虫記念館」に展示されていました。『ネオ・ファウスト』の結末について、主人公の魂が救済されて天国に昇るのか、それとも地獄に落ちるのか、どちらも魅力的だと述べていた手塚。果たして発見された草稿には、結末のヒントはあったのでしょうか?
アニメ作品として最期となった『青いブリンク』
1989年から1990年にかけてNHKで放送された『青いブリンク』。こちらがアニメとしての最期の手塚作品です。手塚がこよなく愛し「火の鳥」のイメージの源となったソ連のアニメ映画「せむしの仔馬」を現代版にアレンジした内容でした。
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『青いブリンク』ですが、第5話のあらすじを仕上げた時点で手塚が死去。その後は手塚の意志を受け継いだスタッフの尽力により完成までこぎつけました。漫画家であると同時にアニメーターでもあった手塚のアニメへの情熱は強く、それは「アニメーターにあらずんば人にあらず」という虫プロの社風にも反映されています。
青いブリンク
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そして最晩年には梅原猛の小説「ギルガメシュ」のアニメ化の構想を練っていた手塚。最期まで漫画家であると同時に、アニメーターとしても生涯を全うしました。そして、1989年4月に刊行された手塚の最期のメッセージである著書「ガラスの地球を救え―21世紀の君たちへ」では、地球への愛、子供たちへの愛、使命などが綴られています。同書の執筆途中に手塚が死去し、未完に終わったため、講演会などでのコメントを追記して出版されています。同書からは漫画・アニメを通じて「愛」を伝えたかったことが伺えます。そんな彼の遺志は、没後30年を経過した今でも多数の漫画家・アニメ関係者によって確かに受け継がれているのです。
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