かつては子どもたちのお兄さん、今は進化し続ける落語家。【古今亭志ん輔】さんをまとめてみました。
2022年1月11日 更新

かつては子どもたちのお兄さん、今は進化し続ける落語家。【古今亭志ん輔】さんをまとめてみました。

落語家の古今亭志ん輔さん。NHKのおかあさんといっしょに長きに渡り出演されていたため、小さい頃よく見ていた方も多いのではないでしょうか?そんな古今亭志ん輔さんの活動をまとめてみました。

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古今亭志ん輔(ここんていしんすけ)さんのプロフィール

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古今亭 志ん輔(ここんてい しんすけ)
1953年(昭和28年)9月25日生まれ
東京都品川区出身
本名:大塚英夫
中央大学附属高等学校卒業
出囃子∶越後獅子
落語協会所属

1972年3月:3代目古今亭志ん朝に入門。前座時代は朝助を名乗る。兄弟弟子に六代目古今亭志ん橋、七代目桂才賀などがいる。
1977年3月:二ツ目昇進。朝太を襲名。
1985年9月:真打ち昇進。志ん輔を襲名。
2010年から落語協会理事に就任。現在は同協会の相談役を2020年から務めている。

高校生の頃に落語家を志す

3代目古今亭志ん朝師匠

3代目古今亭志ん朝師匠

高校2年生の頃、3代目古今亭志ん朝さんの落語を生で聴いたことがきっかけで落語家を目指すことを決意します。志ん朝さんの噺を聞いた瞬間、奴隷になってもいいと思えるくらい虜になり、一瞬のうちに弟子入りしたいと思ったそうです。高校卒業後の春に入門し、当初は古今亭朝輔(ここんていちょうすけ)という高座名で活動していました。

落語家としての活動

入船亭扇遊

入船亭扇遊

1972年に志ん朝一門に入門し5年後の1977年に二ツ目昇進。古今亭朝太(ここんていちょうた)を襲名します。1978年から現:入船亭扇遊(いりふねていせんゆう)さんと共に「(現在の名称)志ん輔・扇遊の会」という2人会を始め、現在も立川龍志(たてかわりゅうし)さんを加えての3人会などとして長きに渡り継続されています。
1985年には真打ちに昇進し古今亭志ん輔を襲名します。放送作家などで活躍した永六輔さんが実家の最尊寺(東京都台東区)で1986年に立ち上げた落語会「永住亭」に第1回から長きに渡り出演していました。
浅草演芸ホールなどの都内の定席の出演を行う一方、「気軽に志ん輔」「志ん輔の会」といった自主興行を定席以外にも開催したりしています。また「シェイクスピアを楽しむ会」という会も定期的に開催しており、シェイクスピアの作品を舞台を江戸時代にしたような創作落語を披露しておられます。志ん輔さんは「シェイクスピア好きの人はシェイクスピアの作品ではない」「落語好きの人には落語ではない」などと枕のネタにしていたりもしているそうです。

真打ち昇進はトップ通過

1985年9月、兄弟弟子の桂才賀ら9人の噺家と共に真打ちに昇進しました。当時の落語協会には真打ち昇進時に試験制度があり志ん輔さんは10人中のトップの成績で昇進しています。そしてその後行われた真打ち昇進の披露興行を単独で開催しています。

おかあさんといっしょ

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1984年4月から1999年4月までの15年間、幼児向け教育番組「おかあさんといっしょ(NHK Eテレ)」のレギュラーを務めていました。「はい、志ん輔です」から始まり、落語の枕のような語りかけや手紙などを紹介する1部と、ミニコーナーを挟んだ後の「志ん輔ショー」の2部構成になっていました。
志ん輔ショーは様々なキャラに扮した志ん輔さんのミニコントのようなコーナーや志ん輔さん司会のクイズコーナー、落語や紙芝居などが日替わりで放送されていました。
特にクイズコーナーは定番で、へびくんとぶたくんという2人のぬいぐるみキャラが回答者に扮し、声は志ん輔さんが1人3役で担当し、落語のような振る舞いで進行していました。クイズの内容は、例えば「私は誰でしょう」という回では正解のある一部分を見せて何かを当てるといった問題が出題されていました。毎回、少し抜けているぶたくんが最後にヘマをして、しっかり者のへびくんがそのおこぼれを拾って正解して優勝するというのがお決まりのパターンでした。

番組加入から1年半は二ツ目で「朝太(ちょうた)ショー」というコーナー名でしたが、真打ち昇進と共に志ん輔に改名したため1985年9月からは「志ん輔ショー」に変更されました。志ん輔さんは15年間番組に出演し続け、現在でも番組歴代最長のレギュラー出演者です。ちなみにへびくんとぶたくんも志ん輔さん卒業までずっと出続け、最後は志ん輔さんと共にお別れの挨拶をしました。

落語以外の伝統芸能にも深い造詣

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※画像はイメージです
志ん輔さん48歳の2001年に師匠の古今亭志ん朝さんが63歳で逝去されます。この時「もしかしたら15年以内に自分も亡くなるかもしれない。いつまでも命があると思うとダラダラ続けるかもしれない。師匠が亡くなった63歳になるまでの15年間は期限を区切って必死に稽古して精進しよう」という思いもあり、この頃から伝統芸能の浄瑠璃のひとつである義太夫節を自らの芸に取り入れようと女流義太夫の竹本朝重さんの元に通うなどして稽古されるようになります。
直近では2021年に国立演芸場で文楽(人形浄瑠璃)と落語をコラボした「ぶんらくご」を開かれ、新しいことに対して次々に挑戦されています。

若手の育成にも力を注がれています

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※画像はイメージです
若手の育成にも力を入れておられ、2014年に神田須田町(東京都千代田区)に二ツ目専用の寄席「神田連雀亭」の立ち上げにプロデューサーとして関わっています。また翌年には2軒目の二ツ目専用寄席「巣鴨獅子座(2017年閉館)」の立ち上げにも関わっています。
そして以前は志ん朝一門の若手の育成のために「たまごの会」を池袋演芸場などで開催していました。さらにこの会は志ん朝一門だけでなく、落語協会の他の一門や落語芸術協会に対しても門戸を開いていたそうです。
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