大阪の定番ご当地ソングとして知られる『大阪で生まれた女』
大阪を代表的ご当地ソングといえば?
そんなアンケートをとったとしたら、上田正樹の『悲しい色やね』、海原千里・万里の『「大阪ラプソディー』、欧陽菲菲の『雨の御堂筋』などと並んで、確実にBOROの『大阪で生まれた女』もかなりの支持を集めることでしょう。
そもそもこの歌、歌手のBOROが、大阪・北新地で弾き語りをしていた1970年代後半に、若いカップルから「自分たちが歌える大阪の歌がない」という不満を聞き入れるカタチで制作したのだとか。でき上がった『大阪で生まれた女』を宵町の酔客相手に披露すると大変な評判を呼び、たまたま演奏を目の当たりにした内田裕也からも絶賛され、メジャーデビューのナシをつけてもらったといいます。
そんなアンケートをとったとしたら、上田正樹の『悲しい色やね』、海原千里・万里の『「大阪ラプソディー』、欧陽菲菲の『雨の御堂筋』などと並んで、確実にBOROの『大阪で生まれた女』もかなりの支持を集めることでしょう。
そもそもこの歌、歌手のBOROが、大阪・北新地で弾き語りをしていた1970年代後半に、若いカップルから「自分たちが歌える大阪の歌がない」という不満を聞き入れるカタチで制作したのだとか。でき上がった『大阪で生まれた女』を宵町の酔客相手に披露すると大変な評判を呼び、たまたま演奏を目の当たりにした内田裕也からも絶賛され、メジャーデビューのナシをつけてもらったといいます。
via coconutsdisk.com
内田裕也から“関西人のブルース”と評された
内田は『大阪で生まれた女』ついて「関西人にしかつくれないブルース」と表現。たしかに、ブルースがその“持ち主”である黒人シンガーの歌唱によって光り輝くのと同様に、“関西人のブルース”である同曲は大阪人であるBOROが歌ってこそ、命が吹き込まれるというもの。
事実、内田のプロデュースによって『大阪で生まれた女』は、当時人気絶頂だった“ショーケン”こと萩原健一のバージョンも発売され、BOROが歌うバージョンと共にスマッシュヒットを記録しましたが、現在、同曲をショーケンの歌と認識している人などほとんどいないはずです。それもやはり、BOROが関西人にしか出せない味・渋みを醸しながら歌ったからこそ、後世に残る名曲として今もなお語り継がれているのでしょう。
事実、内田のプロデュースによって『大阪で生まれた女』は、当時人気絶頂だった“ショーケン”こと萩原健一のバージョンも発売され、BOROが歌うバージョンと共にスマッシュヒットを記録しましたが、現在、同曲をショーケンの歌と認識している人などほとんどいないはずです。それもやはり、BOROが関西人にしか出せない味・渋みを醸しながら歌ったからこそ、後世に残る名曲として今もなお語り継がれているのでしょう。
via www.amazon.co.jp
シングルバージョンは原曲の4番と6番で構成された
1979年8月に、BOROのセカンドシングルとしてリリースされた『大阪で生まれた女』。同曲は、大阪で生まれた若い女が男と共に上京するか、地元に留まるかの2択に揺れる歌であり、最終的に、「あなたについて行こうと決めた」と大阪を後にするところまでが描かれています。これはこれで何とも味わい深い名曲。実際、累計セールス17万9000枚(オリコン調べ)と商業的成功も収めています。
BORO 大阪で生まれた女 - YouTube
第12回新宿音楽祭
しかし、本来の『大阪で生まれた女』は、全18番からなる34分の長編組曲。出会った時は高校生だった男女が、共に成長し、愛を育み、やがて大人になって、それぞれの道を歩むまでを描いた大河ドラマとなっています。シングル版は、この原曲の4番6番と、16番の一部の歌詞を用いてつくられた“編集版”だったのです。
では、具体的にどんな物語になっているのか1番から順に解説していきます。
では、具体的にどんな物語になっているのか1番から順に解説していきます。
大阪で生まれた女 1番~6番までのストーリー
1番はまだ高校生の男と女が登場。「放課後のグランドで 待ち合わせて帰る」と淡い青春の1コマを叙情的に歌っています。
2番では男の母親が死亡。その出来事をきっかけに、男はミュージシャンになるという夢に向かって歩む決意を固めるのです。
3番は、高校卒業を迎える3月が舞台。2人の愛はより深くなります。けれども、男は密かに大阪を出る決心をしていました。
4番。ここはシングルカットされたパートです。大阪へ行く男と大阪を離れられない女。2人の立場から「青春も終わりかな」と思ったら泣けてきたと、女目線で語られています。
5番はシングルの1番と2番の間に入る挿話。「男は夢に立ち向かうけれど、女は守るものがある」と、BOROが思う普遍的な哲学を表現。
6番もシングルカットされたパート。夜の一人の部屋。そこに男がいないことを想い、さめざめと泣く女。そして、女は大阪を出て、男についていこうと決心するのです。
2番では男の母親が死亡。その出来事をきっかけに、男はミュージシャンになるという夢に向かって歩む決意を固めるのです。
3番は、高校卒業を迎える3月が舞台。2人の愛はより深くなります。けれども、男は密かに大阪を出る決心をしていました。
4番。ここはシングルカットされたパートです。大阪へ行く男と大阪を離れられない女。2人の立場から「青春も終わりかな」と思ったら泣けてきたと、女目線で語られています。
5番はシングルの1番と2番の間に入る挿話。「男は夢に立ち向かうけれど、女は守るものがある」と、BOROが思う普遍的な哲学を表現。
6番もシングルカットされたパート。夜の一人の部屋。そこに男がいないことを想い、さめざめと泣く女。そして、女は大阪を出て、男についていこうと決心するのです。
大阪で生まれた女 7番~12番までのストーリー
7番は女が東京へ向かうシーン。ひかり32号に乗って、大阪を去る悲しみを振り切りつつ、男の待つ新たな愛の住処へ想いを馳せます。
8番では、立教大学近くに小さな部屋を借りて新生活をスタート。
9番では、大学生で賑わう街に、ポツンと寄る辺なく暮らす自分たちに心細さを感じながらも、女は「負けられへん」と気張ります。
10番。池袋駅西口ロータリーで起こった警察と学生の揉め事(学生運動)を、「こっちは生きるのに必死なのに…」と、冷めた目で見つめます。
11番で、男の「夢」は崩れ去る寸前に。どんな状況になっても、愛さえあれば…そう、抱き合うようにして2人は暮らし続けるのです。
しかし12番。「そんな暮らしはやめて大阪に帰ってこい」と親からの手紙が届き、2人はただただ現実から逃避するのでした。
8番では、立教大学近くに小さな部屋を借りて新生活をスタート。
9番では、大学生で賑わう街に、ポツンと寄る辺なく暮らす自分たちに心細さを感じながらも、女は「負けられへん」と気張ります。
10番。池袋駅西口ロータリーで起こった警察と学生の揉め事(学生運動)を、「こっちは生きるのに必死なのに…」と、冷めた目で見つめます。
11番で、男の「夢」は崩れ去る寸前に。どんな状況になっても、愛さえあれば…そう、抱き合うようにして2人は暮らし続けるのです。
しかし12番。「そんな暮らしはやめて大阪に帰ってこい」と親からの手紙が届き、2人はただただ現実から逃避するのでした。
大阪で生まれた女 13番~18番までのストーリー
13番。あなたの夢は終りじゃない…。そうつぶやき、「夢」に生きることをあきらめ、一人現実に生きることを決めた女が、眠る男を置いて、東京の街を去ります。
14番。別々の人生を歩み始めた2人。それぞれに好きな人ができます。2人は子供から大人になったのです。
15番。愛する人との間に愛する子供ができた女。母として安穏とした日々を送る中で、ふと、あの青春の日々を思い出します。そして、かつての想い人へ心の中、こう言うのです。あの日の思い出にありがとう。
16番。男はミュージシャンとして成功していました。「夢をつかんだ人へおめでとう」と大阪で生まれた女からの賛辞が送られます。
17番と18番は、BOROが語る愛と青春論。正直この部分、何度読んでもよく分かりません。気になる方は調べてみてください。
14番。別々の人生を歩み始めた2人。それぞれに好きな人ができます。2人は子供から大人になったのです。
15番。愛する人との間に愛する子供ができた女。母として安穏とした日々を送る中で、ふと、あの青春の日々を思い出します。そして、かつての想い人へ心の中、こう言うのです。あの日の思い出にありがとう。
16番。男はミュージシャンとして成功していました。「夢をつかんだ人へおめでとう」と大阪で生まれた女からの賛辞が送られます。
17番と18番は、BOROが語る愛と青春論。正直この部分、何度読んでもよく分かりません。気になる方は調べてみてください。
坂本冬美 大阪で生まれた女 2010
坂本冬美もカバーした
via www.youtube.com
そして、2015年。19番から21番までが新しく追加で製作されたといいます。時は流れて、女の年齢は61歳。BOROはこれからも続編を書き続けていくということなので、終わりなき巨編『大阪で生まれた女』の物語を、今後も期待したいところです。