松井冬子 (日本画家)
松井 冬子(まつい ふゆこ、1974年1月20日 - )は、静岡県周智郡森町出身の日本画家。1994年、女子美術大学短期大学部造形学科油彩画専攻卒業。
就職、4年を経て、6度目の受験で東京藝術大学美術学部入学。2002年に東京芸術大学美術学部日本画専攻卒業。2007年、東京芸術大学大学院美術研究科博士後期課程美術専攻日本画研究領域修了。博士論文「知覚神経としての視覚によって覚醒される痛覚の不可避」を東京芸術大学へ提出し博士 (美術)の学位を取得。
2011年 横浜美術館で「松井冬子展 世界中の子と友達になれる」開催
女性、雌に焦点を当て、幽霊画、九相図、内臓、脳、筋肉、人体、動物を題材に採った作品を発表している。絹本に岩絵具を用いて描く。
2002年、学部の卒業制作で「世界中の子と友達になれる」(横浜美術館所蔵)を発表。
2011年、12月17日から横浜美術館で「松井冬子展 世界中の子と友達になれる」が開かれる( - 2012年3月18日)
世界中の子と友達になれる
via fundo.jp
松井:「世界中の子と友達になれる」というサブタイトルは、私の東京藝大の学部卒業制作でつけた作品名なんですが、そもそも私が小学生の頃、本当に幼い時期に本気で思ったことがある言葉なんです。大人になるにつれて、それは不可能であって、狂気のような言葉であるというふうに思い始めたんですが、今でも窮地に陥ったとき、半分壊れ気味のときに時々、その言葉が頭の中に浮かんでくるんです。私の中では特別な言葉という位置づけになっているので今回のサブタイトルとしました。
いわゆる伝統的な日本画の「花鳥風月」とは違い、私の場合は日本画材を使ってはいますが、現代美術という意識をもって制作しているので、一つひとつの作品をじっくり見ていただけたらうれしいです。
浄相の持続
この絵は「九相図」を表現しているという。そして厄払いとしての意味を持つという。現代に欠けている生と死の実感を感じるきっかけとなる絵。
via www.cinra.net
松井:鎌倉時代の「九相図」は、仏教から来ているもので「きれいな女の人もこんなに醜く変わっていくぞ」というような宗教的な意味合いで庶民に見せたりしていたと思いますが、私は自分なりに解釈し、内容ごとすべて変えています。私の新しい「九相図」は、現代の自殺の要因を9つ挙げて、それを順を追って描いていくというもので、今回、新作を3点追加しました。9段階の2番目にあたる「成灰の裂目」、3番目にあたる「浄相の持続」をすでに発表していましたが、4番目の「應声は体を去らない」、7番目の「転換を繋ぎ合わせる」、8番目の「四肢の統一」が加わっています。最終的には、「九相図」なんですけど、10幅合わせて完成予定という…「スター・ウォーズ」のような状態でございます(笑)。