2018年10月19日未明、「積木くずし」著者の穂積隆信さんが、胆のうがんのため神奈川県内の病院でお亡くなりになりました。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
積木くずし
幼いころには衝撃しかなかったですが、改めて見ると世相や時代背景を感じざるを得ません。
積木くずし TV版 暴走シーン 5連 ラクカラーチャ la cucaracha - YouTube
著書の出版の1年後の1983年から1984年にかけて、東宝によりテレビドラマ化、映画化、舞台化された。
中でも1983年からTBSで放送された最初のテレビドラマ版である『積木くずし・親と子の200日戦争』は全7回で放送され、高い視聴率を獲得した(作中で穂積に該当する人物を演じた前田吟は、「男はつらいよ」で穂積と実兄弟役で共演)。
横浜銀蝿の音楽が流れる中、わらべの高部知子が主演、高部は第2の大竹しのぶと目される注目株となった。最終回の視聴率は関東地区で45.3%、関西地区で34.6%であった(ビデオリサーチ調べ)。
関東地区の45.3%は、民放で1977年以降に放送された連続ドラマとして、2013年時点で歴代1位の記録である(総合ではNHKで放送された「おしん」が最高、奇しくも当作品と同年放送である)。
83年 渡辺典子 【積木くずし】映画パンフレット - YouTube
家族が崩壊・・・社会現象にもなった衝撃的な実話『積木くずし』 - Middle Edge(ミドルエッジ)
同書のモデルとなった穂積由香里
タレント活動も行っていた
1982年に発刊された「積木くずし」は、持病といじめにより非行に走った由香里本人と両親との葛藤がつづられたとされる、父親による手記。
約300万部売れた本書は後に東宝映画化、民放各社の複数テレビドラマ化もされるが、1983年にはトルエン所持による毒物及び劇物取締法違反で、また覚せい剤取締法違反でも2度逮捕。
1986年に穂積由里の芸名でテレビドラマ「妻たちの課外授業」で女優デビュー。ヌードまで披露した芸能活動は成功せず、アメリカ留学中に知り合った男性と結婚するが、間もなく離婚。
ナイトクラブ「積木の家」を経営するなどしたが、亡くなる前は父とその再婚相手の後妻と同居し、知人のスナックの手伝いをしていた。
20代で腎臓を患って、十数年の闘病生活を送り、2000年には腎不全で入院。その年の秋には実母(2001年死去)からの提供で生体腎移植を受ける。35歳になった2003年8月18日、隆信夫妻と同居する都内マンションの自室で亡くなっているところを発見された。死因は多臓器不全。
著者で穂積由香里の父親である穂積隆信
穂積隆信
1953年に俳優座養成所を卒業、若い頃より脇役を中心に各映画会社の作品に出演する。テレビ全盛期からはドラマにも多数出演した。時代劇や刑事ドラマでは主に悪役として活躍する。声優としてはアニメや映画のテレビ向け吹き替など。
「積木くずし」の反響とその後
実の娘で後にタレントとなった穂積由香里との家庭内での葛藤の記録をまとめたノンフィクション『積木くずし』シリーズ3部作(『積木くずし〜親と子の200日戦争』『続・積木くずし』『積木くずし崩壊 そして…』)の執筆で話題を集め、教育関連の講座・講演に多数出演した。
これらの著書はテレビドラマ化、映画化もされ、そのヒットにより多額の印税を得た。しかし、その反動や悪徳会計士により多額の負債を抱え、最初の妻の美千子はアパートで自殺、由香里も2003年に自宅で亡くなった。
現在は1993年に再婚した妻の玲子と2人暮らしであるが、2010年に彼女は脳梗塞で倒れ、穂積が介護をしている状態である。2012年発行の自著において、いまだに多額の負債を背負っていることを明かしている。
歌手の島倉千代子・女優の佐藤オリエとは長らく家族ぐるみで交流しており、両人は由香里とも接触が多々あった。このため両人は『積木くずし』シリーズにも実名で登場しており、テレビドラマ化に際しては島倉が本人役で出演している。また、穂積自身も2013年に放送された『積木くずし 最終章』に出演した。
「積木くずし」がヒットしても、印税以上の多額の借金を背負い妻が自殺。また積木くずしのモデルとなった実施の由香里も亡くし、再婚した妻も脳梗塞で介護状態。その上いまだ多額の負債を抱えています。
副題は「親と子の二百日戦争」。映画化、テレビドラマ化されている。
ある日突然不良少女となった実娘・穂積由香里との200日間の葛藤を描いた作品であり、日本国内で300万部を出版。
「積木くずし」出版後、由香里の再度に渡る補導や穂積の妻との離婚、後に大麻所持の容疑で由香里は再逮捕へ。
社会問題となっていた非行を、著名な俳優の家庭環境として描いたことは、反響を呼び、テレビドラマ化もあいまって、穂積自身も「積木くずし」関連の仕事や講演が急増することに。