クリスマス・エクスプレス
素敵なCMだったなあ
JR東海 Xmas Express CM 1988年~1992年 & 2000年 - YouTube
CM制作の経緯と概要
牧瀬里穂が好きでした!
この企画を提案した三浦武彦(電通)らの「新幹線は(人と人が出会う、町と町を結ぶ)コミュニケーションメディアである」というコンセプトに基づいて、以後東海道新幹線を主題としたとしたイメージCM(いわゆる「エクスプレス」シリーズ)を展開した。
第2作の『アリスのエクスプレス』を挟んで、第3作の『プレイバック・エクスプレス』からは早川和良 (TYO) が演出として参加、以降のシリーズは電通とTYOの制作により制作された。
1988年(昭和63年)、三浦は当時の“時代の気分”が「国全体を包み込む大きな不安」を持っていると感じ、「こんな夜は、一番大切な人のそばにいて安心したい」とのメッセージに基づき、12月に放映するCMとして「ホームタウン・エクスプレス」のクリスマス編を制作、遠距離恋愛のカップルが新幹線でクリスマスに再会を果たすストーリーを描いた。
このCMが放映されると、日本において「恋人同士でクリスマスを過ごす」という新たな文化が生まれるなどの社会現象を巻き起こし、以後1989年(平成元年)から1992年(平成4年)まで単独のCMシリーズ『クリスマス・エクスプレス』として制作が続けられた。
音楽には山下達郎の「クリスマス・イブ」を採用(この選曲には、早川が強いこだわりを持っていたという)。同曲は1985年から季節限定シングルとして細々と販売されていたものだったが、本CMをきっかけに知名度が急上昇することに。
2000年に一度復活したんです
その後は制作されていないが、現在もクリスマス期には本作へのオマージュと見られるシーンがさまざまなかたちで見られるなど、後年にも影響を与えている。
ホームタウン・エクスプレス X'mas編
帰ってくるあなたが最高のプレゼント
新幹線から降りてくる彼をホームで待つ女の子。しかし、新幹線から降りてくる人混みが切れても彼の姿は見えない。強がりながらも涙ぐむ彼女の前に、ホームの柱の陰からムーンウォークをしながらブレイクダンスをして現れ、じゃれ合う2人を描くというストーリー。
主人公の女性については、三浦は元々「20代の普通のお嬢さん」のイメージで設定していたが、早川は「(主人公と同世代が見たときに)“私のスタイルとは違う”と見方がシビアになる(=視聴者が感情移入できなくなる)こと」を懸念して、あえて「ホームにたたずむ、目いっぱいのおしゃれしている、どこか気の強そうで、ちょっぴり遊び人風の、いわゆる清純そのものではない17歳の女の子」に設定しなおし、視聴者が「かつて私もああいうことがあったかもしれない」と幻想を抱いてくれることを期待したという。
撮影は11月の深夜に行われ、大部分を名古屋駅16番ホームで、乗客が新幹線から降りてくる場面を岐阜羽島駅で行った。東京駅で撮影を行わなかったのは、企画担当の和田光弘曰く「東京より名古屋の方が人が引けるのが早いから」だという。
主人公の女性には、当時15歳の深津絵里(高原里絵)を起用。撮影当日、深津は高熱を出しながらも撮影に臨んだため、化粧を厚めにしている。ムーンウォークを踊る男性にジャニーズJr.出身の23歳の武口明、それ以外の相手役を19歳の鶴田史郎が担当。
いいなCM JR東海 X'mas Express 深津絵里 1988年 - YouTube
X'mas EXPRESS'89
ジングルベルを鳴らすのは帰ってくるあなたです
彼女がクリスマスイブに故郷に帰ってくる彼の到着時間に遅れまいと、駅の改札口まで走り、改札口の彼を見つけると柱の陰で待ち伏せるというストーリー。当初は「ホームに着いたらちょうど間に合った」というストーリーだったが、別のCMで同じようなシーンが放送されていたことから、直前でラストの描き方を変更したという。
「柱の陰で待ち伏せる」というのは早川自身の実体験が元になっているという。
彼女役には、当時17歳の牧瀬里穂、彼氏役には長澤幸男。撮影場所は、名古屋駅構内(桜通口及び中央コンコース)。最後に息をはずませるシーンは、駅構内を何回も走り息をはずませてから撮影した。
牧瀬里穂 CM JR東海 X'MAS EXPRESS 1989年 30s - YouTube
X'mas EXPRESS'90
どうしてもあなたに会いたい夜があります
彼女が、クリスマスイブの日、彼に公衆電話で電話するも連絡がとれず、街中を一人歩いて自宅へ帰ると、玄関のドアに絆創膏で貼られた彼からの伝言があり、待ち合わせ場所に行くというストーリー。
携帯電話が、まだ一般に普及していなかった恋愛模様を象徴している。周囲から制作サイドへの期待とプレッシャーもあって、前2作が「日常」に近いストーリーであったのに対し、ストーリーの軸を「もう会えないかもしれない」というシチュエーションに置くことになり、物語の背景から登場人物の設定まで細かく作り込んだものとなったことで、より「恋愛ドラマ的」なものに仕上がったという。
彼女役には、前作よりも少し大人の女性としてRINA(高橋リナ・高橋理奈)を起用。撮影場所は東京都港区。公道を借りた深夜のロケで、ホースで路面全体を濡らして撮影した。
【懐かしCM】JR東海 X'mas EXPRESS 1990 高橋里奈 - YouTube
Xmas EXPRESS'91
あなたが会いたい人も、きっとあなたに会いたい
彼女が、クリスマスイブの日、彼を新幹線の改札口で待つストーリー。彼女役には溝渕美保を起用。撮影場所は最後に映る新幹線のみ名古屋駅で、あとはスタジオのセットで撮影した。
やわらかい絵を作るために、光量を落としスモークをたいて撮影した。大きなクリスマスツリーは山形県で伐採したもみの木を使用。