【新八犬伝、紅孔雀】豪華で贅沢なNHKの人形劇を振り返ろう【三国志、平家物語、プリンプリン】
2015年9月25日 更新

【新八犬伝、紅孔雀】豪華で贅沢なNHKの人形劇を振り返ろう【三国志、平家物語、プリンプリン】

平日夕方6時半のお楽しみ。昭和28年から続くNHKの人形劇から、特に名作と名高いものをピックアップ。あの夕ご飯前のひとときが蘇る!

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新八犬伝 1973年~1975年

http://blog.blochiita.jp/resources/member/000/374/0005549/8hx7EG3q.jpg (1372307)

日本が誇る人形師辻村ジュサブロー氏が自ら作製し操る人形が織りなすSF大活劇。
開始当初は「恐い」「気持ち悪い」などクレームが相次いだが、次第に人気が高まり平均視聴率20%を誇るNHKの看板番組に。
元々1年間だった放送予定を2年間に延長するほどの人気だった。
探そうぜ!文字が浮き出る玉!!

探そうぜ!文字が浮き出る玉!!

玉を集めると、人智を超えた大きな力となる。ドラゴンボールの元祖みたいなお話が少年少女達の胸を高鳴らせた。
妖怪退治あり、武士の決闘あり、イケメンありの大スペクタクル。
締めの言葉は「本日これ迄!」
NHKに現存するのは第1話、第20話、第464話(最終話)の3話分のみ。
1973(昭和48)年4月~1975(昭和50)年3月放送

「南総里見八犬伝」をもとにした八犬士が活躍する奇想天外な物語。最後の合戦のシーンは大きな船を2艘作り、操演者がその中に入って船上にいるという設定の人形を操った。人形師・辻村ジュサブローが自ら操った玉梓の怨霊や、語りを担当した坂本九の名調子などが人気を呼んだ。
我こそは玉梓が怨霊!

我こそは玉梓が怨霊!

主人公達を妨害する、強い恨みを持って亡くなった女の亡霊、玉梓が怨霊。
これが出てくるともう怖くて怖くて、下を向いて画面を見ないようにしていました。

仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌 - YouTube

イザとなったら玉を出せ!

真田十勇士 1975年~1977年

戦国動乱の時代が舞台。猿飛佐助を中心に、希代の智将といわれた真田幸村の下に集まった十人の勇士が、徳川家康率いる伊賀や甲賀の忍者たちと激しい戦いを展開する。
http://livedoor.blogimg.jp/godzitoraman/imgs/c/f/cf0a241a.jpg (1372314)

前作に引き続き辻村ジュサブロー氏が人形制作を担当し、その名声を不動のものとした。
原作は柴田錬三郎の同名小説。原作者自らが解説してくれる贅沢な演出も話題に。
放送後は次の放送分を上書きしてテープを繰り返し使用することが通常だったため、現存するのは第1話、第434話、第435話、第443話の4話分のみ。
戦国武将が女性の人気を集める現代、再放送できれば評判となったことだろうに。
イケメン戦国史

イケメン戦国史

新八犬伝では美男子を取り囲む屈強な男たちが物語を成したが、この真田十勇士は、現代の女性にも受けそうな端正な顔立ちの人形が揃っていた。
画像は主要人物の1人、穴山小助。

紅孔雀—新諸国物語より 1978年4月~1979年3月

http://toyokazu.cocolog-nifty.com/photos/uncategorized/2007/09/22/beni9.jpg (1372317)

子供向け情報番組「600こちら情報部」とセットで見ていた人も多い。
最終回はNHKに届いたファンレターや似顔絵を紹介したり、全キャラクター勢揃いで視聴者にメッセージを送ったりと大盛り上がりで幕を閉じた。
初回と最終回の2話分しか現存しないため、残念ながら再放送は有り得ない。
1953年放送の人気ラジオドラマ「新諸国物語」を人形劇化。シリーズの第二弾。日本に流れ着いたアステカ王国の秘宝をめぐって、白鳥党とされこうべ党が戦いを繰り広げる。
第一次声優ブームを巻き起こした、豪華出演陣

第一次声優ブームを巻き起こした、豪華出演陣

神谷 明(キン肉マン、北斗の拳)、
永井一郎(磯野波平)
近石真介(マスオさん)、
里見京子(レインボー戦隊ロビン)
スネ夫の肝付兼太(ドラえもんの初代スネ夫)
松島みのり(キャンディ・キャンディ)
キートン山田(ちびまる子ちゃんの「後半へ続く!」のナレーションでお馴染み)
吉田理保子(魔女っ子メグちゃん)
野沢雅子(オス!おら悟空)
とそうそうたるメンバー。NHKのイベントには彼ら目当ての声優ファンが押しかけた。

プリンプリン物語 1979年4月~1982年3月

http://www.nhk.or.jp/archives/search/special/detail/img_new/puppet-anime000/12.jpg (1372321)

爆発的人気を誇った伝説的人形劇。
前作までの重厚で芸術的な時代劇とは打って変わり、華やかで可愛く、歌あり踊りありギャグありのエンターテイメントに徹した作品。
ダリの絵画から抜け出てきたような悪徳将軍「ルチ将軍」も人気だった。
ヒロイン・プリンプリンの声をアイドルの石川ひとみが演じ、人気に。また、社会や政治のパロディを取り入れ、風紀を効かせた内容も話題となった。愛する地球に幻の王国を求めてさまよう15歳の王女・プリンプリンと仲間たちの冒険物語。

三国志 1982年10月~1984年3月

http://livedoor.blogimg.jp/toei23/imgs/3/f/3f4fafdd.jpg (1372324)

1話45分間という通常のドラマ並みの放送時間、石橋蓮司や森本レオ等当時の人気俳優を多数起用したことなど、人形による大河ドラマと呼ぶにふさわしい大作。
細野晴臣による音楽と辻村ジュサブローと並んで日本を代表する人形作家、川本喜八郎氏による美しく精巧な人形も大きな評判を呼んだ。

最終回はしんみり終わると思いきや、全キャラクターが飛び出してきて明るく最後の挨拶をするという粋な演出。

全話残っているので既に再放送もDVD発売も。良かった!
劉備、関羽、張飛の義兄弟と軍師・孔明を中心に蜀、魏、呉の興亡を描いた「三国志」が原作。人形を川本喜八郎、音楽を細野晴臣が担当した本格人形劇。コンピューターで騎馬軍団を操るなど、人形劇の新境地を開いた。
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