サヴァン症候群の優香とフリー記者の徹の切ない恋愛ドラマ『ピュア』
2020年12月16日 更新

サヴァン症候群の優香とフリー記者の徹の切ない恋愛ドラマ『ピュア』

『ピュア』は、1996年1月から3月まで、フジテレビ系列の「月9」枠で放送されていた。平均視聴率は23.5%と高く、最高視聴率は25.9%を記録した。 生まれつきIQは少し低いが、感性が豊かで羽をモチーフにしたオブジェを作っている。知的障害を持つ主人公の折原優香をという難役を、和久井映見が演じた。

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純粋な心を持つ優香を演じたのは和久井映見

高橋克典演じる従兄弟の涼が、優香の羽のオブジェをコンクールに応募し新時代芸術展大賞を受賞する。その授賞式に来ていたのが、堤真一演じる元新聞記者の徹だ。以前街で見かけた優香が受賞したと気付き、二人のドラマが始まる。
生まれつき知的障害を持っているので難しい会話は出来ないが、清楚で明るい性格の優香。亡くなった父親も芸術家だったように、自宅のアトリエで芸術作品を作り過ごしている。新時代芸術展大賞を受賞したことでその生活にも変化が現れ始め、マスコミからの取材が殺到してしまう。風吹ジュン演じる母の孝子は、興味本位で報道され優香の障害のことを報道されることや、日々の生活が失われてしまうことを恐れ、マスコミを避けるようになる。しかし優香が「徹さんは本当のことを教えてくれる」と、マスコミ側の徹と交流していることを知る。
母親の孝子も従弟の涼も、優香を大切に思うからこそ真実を伝えることは避けてきた。世の中の常識や大人としての現実を徹と出会い学んでいく優香は、展覧会や本の出版へ意欲を見せる。しかし、テーマである愛の形をどう表現したらよいのか悩む。

優香と徹のお互いを思おう気持ちは通い合うのか?

『星の金貨』の脚本を手掛けた、龍居由佳里が脚本。『ピュア』の他にも『バージンロード』などを数々の作品を世に送るヒットメーカーだ。
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優香が魔法のベルと言っていたポケベルは、女子高校生でも持ち歩いていた時代だった。ドラマが放送された1996年の頃に契約者数のピークを迎えている。その後はPHS、ピッチと呼ばれていたPHSが普及し、ポケベルから移行する人が多くなっていった。
生まれながらに障害があっても、純粋な心を持ちながら大人になっていく優香。自分の気持ちに向き合い、恋をすることで人の心に触れ合い成長していく。たくましくなっていく優香は、芸術家としても挑戦し自立していく。ピュアな優香の姿に涙してしまうドラマだ。

火9ドラマではの林遣都の母親役

2020年10月から放送されている『姉ちゃんの恋人』では、2017年のNHK連続テレビ小説『ひよっこ』主演の有村架純(みね子)と再び共演。また、脚本を手掛けている岡田惠和作品には何度も出演している。
林遣都が演じる息子の真人は、傷害事件で刑務所に2年間服役した過去があり、そのことから夫が自殺してしまう。過去の自分の行動でトラウマがある息子の恋愛を、和久井映見が演じる母親の貴子は温かく見守る。

2021年の大河ドラマ『青天を衝け』に出演決定!

新一万円札の顔となった「日本資本主義の父」渋沢栄一の母親ゑいを演じる。ゑいは、誰に対しても愛情深き人だったそうで、栄一が慈善事業や社会事業にも力を注いだのは、ゑいの影響を受けたとも言われている。
栄一の母
渋沢ゑい(しぶさわ・えい)
和久井映見(わくい・えみ)

冬には羽織を手にして栄一を追いかける姿が「羽織のおゑい」と呼び親しまれるほど、栄一を愛情深く育てた慈愛の母。お人好しで情け深く、「みんながうれしいのが一番」の精神を幼き栄一に教える。

【コメント】
昔々の時代から今を生きる私達に繋(つな)がる、たくさんの人の思い、言葉、行動、縁。
人や時代の歴史の中のひとコマひとコマを演じさせていただく事、心して前に進まなければ、と思います。笑ったり泣いたり、心配したりホッとしたり、だれかの事を思い、生きる。その心のひとつひとつをイキイキと生きる事ができますように、頑張らなくっちゃと思います。大勢の皆様の思いが重なってできあがる大河ドラマ。どうぞよろしくお願い申し上げます。

クールな中にも愛情あふれる徹を堤真一が熱演

周囲は優香から徹を引き離そうとするものの、近くにいたいと願う優香。そんな優香の気持ちに優しく答える徹は、優香を抱きしめる。
兵庫県西宮市の高校を卒業後に、千葉真一主宰のジャパンアクションクラブに入所したのが、芸能界へ入るきっかけとなる。真田広之の付き人をしながら下積み時代を過ごし、舞台を中心に出演していた。『ピュア』で連続ドラマ初出演を果たし、見事に知名度を広めていった。プライベートでは関西弁で話しているようだが、トーク番組などでは共通語を使って話すことが多い。
徹の両親は自殺していて、孤児院で育った過去を持つ。優香に徹さんは翼が折れてると言われたことで、自分でも忘れていた幼少期を思い出す。徹は優香の純粋な優しい気持ちに触れることで、次第に惹かれていく。
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