2021年10月15日 更新
「アイ」「アユム」など天才チンパンジーを輩出した京都大霊長類研究所が解体へ。
世界的な霊長類の研究機関である京都大霊長類研究所(愛知県犬山市、略称:霊長研)が、研究費の不正支出問題から2022年3月をもって解体される方向であることが明らかとなりました。
研究資金の不正が問題となっていた京都大霊長類研究所が解体へ。
世界的な霊長類の研究機関である京都大霊長類研究所(愛知県犬山市、略称:霊長研)が、研究費の不正支出問題から2022年3月をもって解体される方向であることが明らかとなりました。
第一報はこちらです!
国内唯一の霊長類学の研究拠点として、チンパンジーやボノボなどの研究を牽引してきた霊長研。天才チンパンジー「アイ」をはじめとした数々の研究で実績を上げていたものの、松沢哲郎元所長が在任中に同研究所などの設備工事に絡み、国からの研究資金を不正使用していたことが発覚。松沢元所長は懲戒解雇となり、霊長研自体の処遇も注目されていました。京大は今後、霊長研を解体した上で、既存の研究機関などに再編していくとのことです。
京都大霊長類研究所の解体で思い出す!懐かしの天才霊長類!!
天才と呼ばれる動物たちのメッカとして世間でも知られていた霊長研。チンパンジーの「アイ」などは、メディア露出も多く高い知名度を誇っていました。ここでは、世界的に著名な霊長類について軽くおさらいしておきましょう。
アイ
まずご紹介するのは、アイ。アフリカ生まれのメスのチンパンジーで、1978年より霊長研の「アイ・プロジェクト」と称した研究により、文字や数を習得。“言葉を覚えたチンパンジー”として一躍有名になりました。お笑い芸人・ジミー大西と計算で対決したことがあり、見事アイが勝利したというエピソードを持っています。現在45歳前後で、存命です。
アユム
アイの息子として知られる、アユム。2000年生まれで、数字を理解しており1から9の文字を小さい方から選ぶことができます。また、電子ピアノを用いたチンパンジーのリズム感の有無を調べる実験で、母親のアイとともにリズム感を持っていることも判明しています。
ワショー
セントラル・ワシントン大学などで飼育されていた、ワショー。アフリカ生まれのメスのチンパンジーで、人類以外で初となるアメリカ手話を覚えたチンパンジーとして世界的に有名です。2007年に32歳前後で死亡。
ココ
メスのローランドゴリラ、ココ。アメリカ手話を習得した世界初のゴリラであり、2000語以上の単語を操ることが出来ました。また“死”の概念を理解しており、ペットとして飼っていた子猫が死んだときには大声で悲しみ、手話で「ゴリラはいつ死ぬのか?」と問われると「年をとり 病気で」と回答したというエピソードが残されています。2018年に46歳で死亡。
このように、コミュニケーションの手段があれば、人間と変わらない能力を発揮する個体が存在することがわかってきている霊長類。このたびの霊長研の解体に際しては、研究用に飼育している霊長類を今後減らしていくことも明らかとなっています。研究の規模が縮小されることが予想されるものの、今後も我々を驚かせる能力を持つ霊長類が登場して欲しいものです。
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