いよいよ準備が整い、火曜の夜に決行と決まりますが、そこにウルフが現れます。D棟から出てきたウルフが、フランクに必ず仕返しをすると宣言したことで、フランクは決行日を1日早め、月曜の点呼後に変更します。一方、所長はフランクの様子に変わりはないか、目を光らせていました。部下にフランクを別の独房に移動するように指示し、火曜の朝に移動させることに決まります。
アルカトラズでの最後の日、フランクは食堂でドクの思い出の花の菊を飾りますが、それを見咎めた所長は、規則で決まっていると、菊の花を握りつぶしてしまいます。それに怒ったリトマスは、所長に掴みかかろうとしますが、心臓発作を起こしてその場で亡くなってしまいます。所長の「死なない限りここからは出られない」という言葉が響きます。
脱獄の決行
脱獄の日が決まり、フランクは本を配りに来たイングリッシュに、さりげなく別れを告げます。脱獄するのだと察したイングリッシュとフランクは、鉄格子越しに初めて握手を交わします。その後の運動場で、フランクを狙うウルフを、イングリッシュが止めに入り、ウルフに言い聞かせながら騒ぎになることを防ぎました。消灯後に屋上に集合と決め、いよいよ脱獄を決行することになります。
消灯時間になり、フランクとアングリン兄弟は、直ぐに行動を開始しますが、バッツは勇気が出ず行動に移せません。屋上で合流した3人は、バッツが来ないことにいら立ちながら、計画通りに実行していきます。3人は協力し合い、高い場所やフェンスを乗り越え、林を抜けて海岸までたどり着き、救命胴着と浮き輪を使ってサンフランシスコ湾に泳ぎだします。ようやく意を決したバッツは、屋上にたどり着きますが、1人ではそれ以上進むことができませんでした。
翌朝、フランクの独房に移動を知らせに来た看守は、まだ寝ているフランクの独房の明かりをつけて驚きます。張り子の頭部と、穴の開いた通気口、無人の独房を見て、あわてて非常用の笛を鳴らします。
翌朝、フランクの独房に移動を知らせに来た看守は、まだ寝ているフランクの独房の明かりをつけて驚きます。張り子の頭部と、穴の開いた通気口、無人の独房を見て、あわてて非常用の笛を鳴らします。
アルカトラズ周辺では、大規模な捜索が行われましたが、3人の姿も溺死体も見つかりませんでした。所長は溺死したと決めつけますが、司法長官からすぐに出頭するようにと連絡が入ります。その後1年も経たずにアルカトラズ刑務所は閉鎖されてしまいました。
映画「アルカトラズからの脱出」の主な登場人物
フランク・モリス:クリント・イーストウッド
西部劇ローハイドや夕日のガンマン、ダーティーハリーなど、俳優としても成功していますが、最近は監督としての作品も多く評価されています。物静かでありながら存在感があり、相手によって態度を変えることがない、強い男のイメージそのままにフランクを演じています。
刑務所長:パトリック・マクグーハン
プリズナーNo.6や刑事コロンボの犯人役など、テレビドラマの出演などのほか、ブレイブハートや評決のとき他の映画にも出演していますが、この作品では、冷徹に囚人を監視する刑務所長を演じています。
via d.hatena.ne.jp
イングリッシュ:ポール・ベンジャミン
真夜中のカーボーイや110番街交差点などに出演していますが、この作品では、刑務所内の黒人グループのリーダー的存在で、フランクとはお互いに認め合っている、図書係のイングリッシュを演じています。
via bearslife.net
映画「アルカトラズからの脱出」日本語字幕付きオリジナル予告篇
via www.youtube.com
刑務所が舞台ということで、この作品には女性はほとんど登場しません。面会に来た2人のほかは、男性ばかりで、音楽もほとんどありませんが、淡々と続く看守の目を盗んでの脱獄の準備に、ハラハラしながら、あっという間に時間が過ぎていきます。
映画「アルカトラズからの脱出」の監督
この作品の結末で、監督ドン・シーゲルと、クリント・イーストウッドの意見が対立したという話しも残っています。ドン・シーゲルは暗い刑務所内を移す案を出していましたが、クリント・イーストウッドは所長のカットを主張し、結果としてはクリント・イーストウッド案が採用されたようです。このアルカトラズからの脱出が、クリント・イーストウッドと組んだ最後の作品になりました。
この作品の冒頭、フランクが収監される際の医師の役でカメオ出演しています。
この作品の冒頭、フランクが収監される際の医師の役でカメオ出演しています。