Kazuo Oga 男鹿 和雄 At the Master's Workshop ( eng subs)
男鹿さんが仕事をされている様子です。
繊細な筆遣いに、思わず見入ってしまいます。
繊細な筆遣いに、思わず見入ってしまいます。
via www.youtube.com
背景画はもはやアートの域に達しており、「緑(色)の使い方に天賦の才がある」と宮崎に評され、宮崎・高畑両監督の高い評価を得る。
絵の背景にある優しい人柄
男鹿さんは背景画に、今まで以上に心配りをするようになりました。
例えば、メイがトトロの住処へ通じる穴を見つけ、トンネルを転げ落ちるシーンです。
ここではそのトンネルの出口に、たくさんの花や雑草が描かれています。
漠然と描かれているのではなく、幼いメイがシナリオの通り地面に転がり落ちても、怪我をしないようにと、意識して柔らかくふわふわした地面になるように描いたのだそうです。
まるで本当の人間の子役の子どもにするような配慮ですね。
そうした優しい配慮は、見ている私たちにも安心感を与えてくれるのだと思います。
例えば、メイがトトロの住処へ通じる穴を見つけ、トンネルを転げ落ちるシーンです。
ここではそのトンネルの出口に、たくさんの花や雑草が描かれています。
漠然と描かれているのではなく、幼いメイがシナリオの通り地面に転がり落ちても、怪我をしないようにと、意識して柔らかくふわふわした地面になるように描いたのだそうです。
まるで本当の人間の子役の子どもにするような配慮ですね。
そうした優しい配慮は、見ている私たちにも安心感を与えてくれるのだと思います。
サツキとメイの家
この絵を見ればすぐ、サツキとメイの家だ!とわかる方も多いと思います。
和風建築と洋風建築が取り入れられている家。
このような家を造ることが、実際流行している時期もあったそうです。
この家の和風建築の部分、実はモデルになった家がありました。
群馬県にある男鹿さんの親戚の家を参考にしているそうです。
宮崎監督から絵コンテを見せられた時、その家の印象に似ていると思い、縁側や階段など、家の写真を親戚の方に送ってもらったのだそうです。
和風建築と洋風建築が取り入れられている家。
このような家を造ることが、実際流行している時期もあったそうです。
この家の和風建築の部分、実はモデルになった家がありました。
群馬県にある男鹿さんの親戚の家を参考にしているそうです。
宮崎監督から絵コンテを見せられた時、その家の印象に似ていると思い、縁側や階段など、家の写真を親戚の方に送ってもらったのだそうです。
via www.asahi.com
これは、愛知県長久手市にある「愛・地球博記念公園」(モリコロパーク)内にある「サツキとメイの家」です。
映画で描かれた家が、リアルに再現されています。
見るだけでワクワクしますね。
描かれていた背景美術が、生活感のあるリアルな絵だったからこそ、こんなにもそっくりに再現できたのだと思います。
映画で描かれた家が、リアルに再現されています。
見るだけでワクワクしますね。
描かれていた背景美術が、生活感のあるリアルな絵だったからこそ、こんなにもそっくりに再現できたのだと思います。
高畑勲監督からのラブコール『おもひでぽろぽろ』
via www.jigsaw.jp
「メイが迷子になって、里山の風景がどんどん夕方になっていく、その積み重ねが素晴らしかった。トトロでの、男鹿さんの仕事の占める比重は大きいなと」
鈴木プロデューサーの言葉を借りれば、「北の人(東北出身の人)と南の人の描く絵は空気が違う。北の人の絵は空気が澄んでいる。高畑さんは空気の澄んだ絵が好き」なのだそうです。
高畑監督からの依頼を受け、次の仕事は『おもひでぽろぽろ』の美術監督になりました。
高畑監督からの依頼を受け、次の仕事は『おもひでぽろぽろ』の美術監督になりました。
おもひでぽろぽろ.mpg
via www.youtube.com
高畑監督は、宮崎監督とは全く違うやり方で映画を作っていきました。
宮崎監督の下では、監督自身が自分で絵コンテまで描いてイメージを伝えてくるので、背景美術の人はそれを元に背景を起こすやりかたでした。
しかし高畑監督の場合は、自分では全く絵を描きません。そのため何度も話し合いを重ね、ロケハンに出かけ、同じイメージを共有する事から仕事が始まっていきました。
宮崎監督の下では、監督自身が自分で絵コンテまで描いてイメージを伝えてくるので、背景美術の人はそれを元に背景を起こすやりかたでした。
しかし高畑監督の場合は、自分では全く絵を描きません。そのため何度も話し合いを重ね、ロケハンに出かけ、同じイメージを共有する事から仕事が始まっていきました。
リアリティーあふれる山形の背景美術
スタッフは、タエ子が乗ったのと同じ夜行列車に乗り、深夜の上野駅から早朝の山形駅に行ったそうです。
ブルートレインの中の様子、早朝ならではの朝の静かなホーム、駅前がまだ寝静まっている風景など、実際に行ったからこそわかる、臨場感に裏打ちされた背景画が描かれました。
ブルートレインの中の様子、早朝ならではの朝の静かなホーム、駅前がまだ寝静まっている風景など、実際に行ったからこそわかる、臨場感に裏打ちされた背景画が描かれました。
via middle-edge.jp
知らない風景は、思うようには描けません。実物を知っていれば、サラッと描いても植物の縮尺が多少ズレても「むしろこの勢いがいい」と自信を持てるんですよ。知らないものほど、「せっかく調べたのだから」と省略できないで窮屈な絵になってしまいがちですから。そして、写真では奥行きや立体感や軽重についてはなかなかわからないのではないでしょうか。だから、風景を描く時には、自分の体験した中で一番いい風景を思い出して描くわけです。
山形の特産品である紅花。
とげのある紅花は、摘み取り作業で手を怪我しやすい。早朝はとげが昼間より柔らかいので、早朝に収穫する。そうした農作業の手順を知り、正確に描くことが背景美術に説得力と深みを与える。
話の核となる紅花農家の生活を描くため、もちろんスタッフも、早朝の紅花摘みの作業を体験しました。
とげのある紅花は、摘み取り作業で手を怪我しやすい。早朝はとげが昼間より柔らかいので、早朝に収穫する。そうした農作業の手順を知り、正確に描くことが背景美術に説得力と深みを与える。
話の核となる紅花農家の生活を描くため、もちろんスタッフも、早朝の紅花摘みの作業を体験しました。
「これはもう一度、自分できちんと見直そう」
そこから時間をかけて、木々の種類、花の咲く頃、天気や時間によって変わる光や雲の様子など、移り変わる自然の表情を丁寧に描こうとするようになったのだそうです。