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タイトル音楽と映像の魅力
細野晴臣 詞・曲
小池玉緒 唄
それらが強い風に煽られ、やがてタイトルの「三国志」の文字が、砂の中からゆっくり浮かび上がる仕掛け。
古いところでは「ウルトラQ」、新しいところでは「真田丸」のように、オープニングにこだわる作品は、名作が多いように思います。
番組の進行役は、異色の「紳助・竜介」
「三国志のことならなんでも知っている島田紳助、松本竜介です。」というのが決まり文句でした。
毎回、おおまかに今までのストーリーを整理したり、複雑な人間関係を分かりやすく解説し、物語をより身近にしてくれました。
劇中、2人にそっくりな人形・紳々(しんしん)、竜々(ろんろん)が登場し、お話にスパイスを効かす役割もありました。
三国志のテーマソングの動画に、ちらっと映っていたのに気づきましたか?
ダイナミックな画面を作るための裏側の努力
それまで人形劇というのは、「蹴込み」を境にして、人形もセットも「向こう側にあるもの」でした。
ところがこの「三国志」では、「蹴込み」を取り払い、360度あらゆる方向から撮影できるようにする、という手法がとられたそうです。
今まで以上に、細かいところや、今まで見られなかった角度から撮影されるようになるため、人形たちは、よりリアルな演技を求められるようになりました。
特に、「三国志」は人と人との駆け引きが多い乱世のお話のこと。
人間の役者と同じように、眉をひそめる、肩を落とす、策略をめぐらせる、目が泳ぐ・・・などの表現が重要になってきます。
人形の動きにこだわり、照明の当て具合や顔の向き、肩や腕の動き、仕草まで計算していたそうです。
悲しいときは肩をがっくりと落とし、首をうなだれ、怒ったときは肩をいからせる・・・。
複雑な動きができる人形と、それを操る人形操演者が一体になって、この難題をクリアしていったのだと思います。
掟破り!本物の火と水を使った演出『赤壁の戦い』
魏の曹操が大敗を喫する、三国志の中でも非常に大きな戦いです。
大量の船で圧倒的な力を見せつける曹操の水軍。
しかしにわか船乗りの兵士たちは、船酔いする者が続出。軍師の「連環の計」の進言を受け、すべての船と船を鎖でつなぎ、船の揺れを抑えようとします。
船は揺れなくなりましたが、同時に動くこともできなくなり、敵に火を射かけられて大火事に。
曹操は多くの犠牲を払って退却を余儀なくされるというものです。
実写版映画での「赤壁の戦い」のワンシーン
この画像の中に、本物があるのかどうかもわかりませんね。
しかし3世紀のころ、実際にこのような風景が広がっていたのですから、
曹操の力、恐るべしです。
ちょっと考えただけでも身震いしてきます。
スタジオ一杯にプールを作り、その上に船を浮かべ、といってもその上に人形がいれば、人形操演者はその船の下にいなければならないので、船のあるところにはシマを作って、操演者が人形を支えられるようにして、その周りを船で囲む。(中略)船の上で5体の人形が芝居をすると、下では5人の操演者が文字通りひしめき合って演技をしている・・・という凄まじい収録になっていた。
その船の帆柱は炎をあげて燃え落ちるのである。操演者は、黒子に水をかぶって人形を操演していた。今のようにCGを使わなかったために、全てが緊張の連続で、終わった時には一同拍手で祝ったものである。
赤壁の戦いでは曹操軍との開戦を決断し勝利を収め、のちに劉備から 荊州を奪還する。
孫権の声は、松橋登さんが担当。
【川本喜八郎のこだわり】
江東の碧眼児と呼ばれたので、孫権には何処かの血が混ざっている、という設定。
髪もいくらか茶髪で縮れているように作られたそうです。