ドラマ化もされた漫画「いいひと。」TVドラマは原作とは別物!?
2020年12月1日 更新

ドラマ化もされた漫画「いいひと。」TVドラマは原作とは別物!?

草彅剛さん主演でドラマかされ話題になった「いいひと。」原作漫画は高橋しんさんがビックコミックスピリッツで連載されていました。今回は原作漫画について

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漫画「いいひと。」の連載時期

漫画「いいひと。」はビックコミックスピリッツで1993年1998年50号まで5年に渡って連載されていました。コミックスは全26巻。文庫版は全18巻出版されています。

作者の高橋しんさんは1990年に漫画家デビュー。その後、ビックコミックスピリッツで新人漫画家の短期集中連載企画があり、ノミネートしていました。ですが掲載されたのは1話のみ。原因不明の病気で執筆ができなくなってしまったのです。

その後、療養して復活。連載の話が上がりました。短期集中連載で企画していたストーリーをそのまま連載用に直したものが「いいひと。」だったのです。

逆に言えばその時病気にならなければ短期で終わってしまった作品だったかもしれないんですね。

「いいひと。」の連載終了後は、アニメ化、映画化もされた「最終兵器彼女』をビックコミックで連載。週刊少年サンデーで「きみのカケラ」などを連載しています。

「いいひと。」のストーリー

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主人公の北野優二は底抜けのいいひと。

高校、大学時代は陸上部の選手でした。その時愛用していたシューズが自分に夢を見させてくれたからという理由で国内の大手スポーツメーカー「ライテックㇲ」を志望し上京してきました。ですが、面接に行く時にさえ持ち前のいいひと、を発揮。面接に遅刻してしまいます。ですが紆余曲折あり、念願のライテックㇲに努めることになります。

ゆーじには高校時代の後輩、妙子という彼女がいます。ゆーじが上京することで2人は遠距離恋愛になりました。

「いいひと。」は主人公ゆーじとその周りの人たちのいいひとの物語です。たいとるに「。」がついているのもゆーじだけでなく、まわりにいいひとみんなを表しているからなんですよ。

ゆーじのポリシーは「自分の周りの人の幸せが自分の幸せ」。ゆーじと関わることでみんな自分のいいひとな部分が引き出されていきます(変わらない人もいますが・・・)

基本的に仕事を題材としているストーリーです。全体の主人公はゆーじなのですが、各エピソードごとに主人公が存在し、ゆーじは媒体として位置づけられているという構成になっています。3巻から収録されているLCチーム編から意識してそのような体制になっています。

各エピソードで主人公が違うので好きなエピソード、嫌いなエピソードも別れそうですがその分共感できるキャラクターにも出会えるのではないでしょうか。

草彅剛主演でドラマ化!

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「いいひと。」は1997年4月から6月までテレビドラマ化もされています。

主人公のゆーじは草彅剛さん。彼女の妙子役は菅野美穂さんでした。草彅さんはこの作品でドラマ初主演。ザ・テレビジョンの主演男優賞も受賞し、出世作だといわれています。

視聴率も平均20%超え、最終回は60分拡大するなど大ヒットしました。

設定は原作と同じなのですが、中盤からストーリーはドラマオリジナルになっています。全10回前後のテレビドラマでエピソードごとの主人公がメインという設定は難しかったのでしょう。ドラマ版はすべて草彅さんがメインで原作よりもかなりゆーじの存在感が濃いです。

他には財前直見さん、矢部美穂さん、野村佑香さん、京本政樹さん、片平なぎささん、伊東四朗さんなどが出演されています。

ドラマの影響で原作が連載終了に。

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テレビドラマ版は大ヒットし、知名度もかなりアップしたのですが作者の高橋しんさんは納得がいかなかったそうです。

高橋さんが「いいひと。」のドラマ化にあたって出した条件は「ゆーじと妙子のキャラクターを変えないこと」でした。ですが実際、ドラマ版のゆーじと妙子は原作とはかけ離れたものになってしまっていました。これに高橋さんが激怒し、「原作」という言葉を使うことを許さず、「原案」に変わっています。

確かに、ゆーじと妙子はどこにでもいそうな感じですが、実際にはいそうでいない。漫画だから成立するキャラクターだと思います。先に原作を読んでいた身としては、「実写化?大丈夫??」というのが本音。ドラマは1話しか見ていなかったのですが、作者は怒っていたんですね。

そして、高橋さんはこのドラマがきっかけで連載を終了させたということをはっきり最終巻で語っているんです。終了させた理由は、原作の「いいひと。」を守るため。そして読者に切ない思いをさせてしまった責任、だそうです。

正直、「これ、作者OK出したの?」という漫画原作の実写化、たくさんあります。それでもこれだけ怒ってくれる作者はなかなかいないと思います。ドラマファンの方はは悲しいと思いますが、原作ファン、そしてマンが好きとしてはそれだけ原作を守ってくれる作者が頼もしいです。

そして高橋さんは最終巻の後に「さよなら、パパ」というタイトルで登場人物の後日談を描いた短編集を執筆しています。急な連載終了で描ききれない部分がたくさんあったんでしょうね。それもカバーしてくれているというのは嬉しいですよね。

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後日談を読んだことがない、という方はこちらをどうぞ。
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