キットの出来の方は、古来(笑)からガンプラ界隈では有名なことわざとして「ドムにハズレなし。ゲルググに当たりなし」というのがあるように、今回もまた、素晴らしい出来である。
肘こそ二重関節ではないものの、この2006年というタイミングで、キットにはABS樹脂が一切使われていない優秀設計。
しかも、特に腕部などは、パーツ分割が巧みで、後で消さなければならないような合わせ目が、ほとんど出ない仕様になっている辺り、さすが2015年になってなお、ドムR35なる架空設定のドムバリエーションに金型が流用されるだけのことはある名作。
両手はそれぞれ、サーベル用の穴が開いた握り拳と、右手はバズーカ握り手、左手は表情豊かな平手の4種類と、この辺りは興が乗ってきたHGUC全盛期の典型的な布陣。
肘こそ二重関節ではないものの、この2006年というタイミングで、キットにはABS樹脂が一切使われていない優秀設計。
しかも、特に腕部などは、パーツ分割が巧みで、後で消さなければならないような合わせ目が、ほとんど出ない仕様になっている辺り、さすが2015年になってなお、ドムR35なる架空設定のドムバリエーションに金型が流用されるだけのことはある名作。
両手はそれぞれ、サーベル用の穴が開いた握り拳と、右手はバズーカ握り手、左手は表情豊かな平手の4種類と、この辺りは興が乗ってきたHGUC全盛期の典型的な布陣。
頭部なども、元の設定では動かすことも不可能っぽかったデザインが、動力パイプ内臓の内部メカと外部装甲という概念で分割されて、上手く上を向いたり横を向いたりできる構造アイディアは、1999年に発売された、1/100 MG版ドムからの転用であり、いかにMG版ドムがポテンシャルが高かったかの証明にもなっている。
オマケにこのドムでは、モノアイレールを包む赤いパーツのカバーが、もちろん別パーツな上に、簡単に外せて、中のモノアイの位置を変えられるギミックが付いている。
ジオン系モビルスーツのHGUCで、モノアイ部分が動かせるギミックが付いている物も今では珍しくないが、変更ギミックの簡単さと、余計なギミック用パーツが露出しない高度なバランスは、このドムがやはり一つの頂点だったのかもしれない。
今回は、そんな優秀なキットを二つ用意して、ノーマルのドムとリック・ドムの二種類にそれぞれ組み立てた。
これは、バンダイへというよりも、本放映当時にリック・ドムの差別化を、率先して取り入れてくださった、板野一郎氏への敬意の意味を込めてである。
これは、バンダイへというよりも、本放映当時にリック・ドムの差別化を、率先して取り入れてくださった、板野一郎氏への敬意の意味を込めてである。
さて、お次はカラーリング、色の問題である。
一番悩んだのが、ドム系基本装備のバズーカ、ジャイアントバズの色味である。
一応『ガンプラり歩き旅』では、武器系の色はミディアムブルーで統一するという方針を打ち立ててはみたものの。
手元にある資料やDVDのキャプチュア画面を見ると、うんミディアムブルーにはさすがに見えない。やはりこれだけはグレー系で塗られているように見える。
しかし、ありがたいことにキットの方の武装類は、ほんのりミディアムブルーがかったグレーで成型されている。この辺は、先行したHGUC 032 シャア専用ザクなどを踏まえている。
なので、ジャイアントバズはキットのままの成型色で行くことにした(決して手抜きではない)。
一番悩んだのが、ドム系基本装備のバズーカ、ジャイアントバズの色味である。
一応『ガンプラり歩き旅』では、武器系の色はミディアムブルーで統一するという方針を打ち立ててはみたものの。
手元にある資料やDVDのキャプチュア画面を見ると、うんミディアムブルーにはさすがに見えない。やはりこれだけはグレー系で塗られているように見える。
しかし、ありがたいことにキットの方の武装類は、ほんのりミディアムブルーがかったグレーで成型されている。この辺は、先行したHGUC 032 シャア専用ザクなどを踏まえている。
なので、ジャイアントバズはキットのままの成型色で行くことにした(決して手抜きではない)。
また、このHGUC版ドムのボディカラーの紫に関して、ネットのモデラー諸氏の一部からは、色味が少し赤すぎないかという意見も散見したが、自分の目で確認してみたところ、『機動戦士ガンダムⅢ めぐりあい宇宙編』などの作画では、今回のHGUC版の成型色と極めて近いことが確認された。
まぁ、そんなこんなで、武器もボディもキットのままを採用しているのだけれども、今回は、意外と細かく塗装をしておりますですよ。
例えばドムの、各部の黒いアーマーは、アニメ彩色では、概ね裏側が赤で裏打ちされているのだけれども、今回のキットでは、“裏地の赤”は肩アーマーでしか再現されてない。
例えばドムの、各部の黒いアーマーは、アニメ彩色では、概ね裏側が赤で裏打ちされているのだけれども、今回のキットでは、“裏地の赤”は肩アーマーでしか再現されてない。
しかも、その肩アーマーも、結構無理をして、黒いパーツと赤いパーツの二重構造に仕立てたものだから、アーマー内部の赤いゾーンに、黒パーツのパーツ接合用縦長ピンが3本露出しちゃってるし、逆に赤パーツの内壁で、ボディとの接合面を構成していて、しかも露出しちゃっているので、そこが赤く見えると興ざめしちゃう。
なので、腰のスカート周りと脛の裾のフレア内部をキャラクターレッドで塗装。
肩アーマーの内部の黒い接続ピンもレッドで塗って、代わりに肩アーマーのボディ接続面を黒で塗装しておく。
また、やはりキャラクターレッドで、バックパックやスカート内部や裾の中のバーニアの内側を塗装。
肘と膝の関節は、もはやお約束どおりに、ドムの四肢の色のガンダムカラーUG08 MSパープルで塗装する。
なので、腰のスカート周りと脛の裾のフレア内部をキャラクターレッドで塗装。
肩アーマーの内部の黒い接続ピンもレッドで塗って、代わりに肩アーマーのボディ接続面を黒で塗装しておく。
また、やはりキャラクターレッドで、バックパックやスカート内部や裾の中のバーニアの内側を塗装。
肘と膝の関節は、もはやお約束どおりに、ドムの四肢の色のガンダムカラーUG08 MSパープルで塗装する。
モノアイやジャイアントバズのスコープや、胸の拡散ビーム砲口は、キット付属のシールで再現。
完成して改めて「ドムにハズレなし」を実感できる、傑作ガンプラである。
完成して改めて「ドムにハズレなし」を実感できる、傑作ガンプラである。
市川大河公式サイト
光の国から愛をこめて
フリーランスライター・脚本家・演出家・元映画助監督・制作進行
市川大河が語る、ウルトラマン、ガンダム、日本のカルチャー