尾崎豊「盗んだバイクで~」のCM使用は犯罪助長?BPOに意見が!
2016年6月8日 更新

尾崎豊「盗んだバイクで~」のCM使用は犯罪助長?BPOに意見が!

1983年発売の尾崎豊のデビュー曲「15の夜」。10代のカリスマの名曲が物議を醸している。「15の夜」が大手アパレルメーカーGUのCMに使用されたが、歌詞の「盗んだバイクで~」が犯罪を助長しているのではないかとの意見がBPOに寄せられた。

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尾崎豊「15の夜」の歌詞はCMには不適切!?

ファンションブランド「GU(ジーユー)」のテレビCMが、子供たちの「犯罪の助長」につながるのではないか、そんな意見がBPO(放送倫理・番組向上機構)に寄せられた。

対象となっているCMは「GU」のスカンツ&マキシスカートを紹介するといった内容。

仲良し三姉妹を演じる女優の香椎由宇さん、波瑠さん、山本美月さんがキックスケーターに乗って海沿いの道を颯爽と滑走する際に、「盗んだバイクで走りだす・・・」と3人でやや気だるげに歌っている。

CMに使われている楽曲は尾崎豊さん(享年27)のヒット曲「15の夜」。
対象となっているCMの画像

対象となっているCMの画像

BPOのホームページに掲載された文章

CMソングに「盗んだバイクで・・・」という歌詞が使われている。大人であればこの歌全体の意味を理解できるだろうが、子どもたちがどう理解するかについては不安がある。子どもたちの間で「盗みは犯罪である」という認識が薄れてしまうのではないかと心配だ。
J-CASTニュースが6月6日、BPO広報に取材したところ、問題があるCMだからこうした意見をホームページに出したのかどうかについて、「純粋に来た意見を掲載したというだけであり、何らかの意図があるというわけではありません」と回答された。

ただ、16年4月に寄せられた意見は1669件あるが、事実関係が曖昧なものや、誹謗中傷、コンプライアンスに関わる意見は掲載しない、ということも付け加えた。

【GU CM】「15の夜」高良健吾 / 山本美月 / 香椎由宇 / 波瑠 「キックスケーター」篇 スカンツ&マキシスカート - YouTube

対象のCM

「お客様が不適切だと感じてしまう可能性が無いとはいえない」

「物買うお店で『盗んだ』って歌詞はどうなのよ?」
「俺も六本木で750盗まれた。あんまり気にしてなかったけど、大っぴらにCMであの歌歌われると確かにムカつくな」
「GUだもんな。あの層にあてたCMだから、洒落にならん」
などといった意見が掲示板に書き込まれた。そもそも「15の夜」という曲自体が嫌い、という人もいる。

ジーユーにも、J-CASTニュースが6日に話を聞いてみたところ、今年は尾崎さんの生誕50周年にあたり、CMでコラボをすることを決めた。CMは春から数本公開していて、それぞれ尾崎さんの代表曲を使っている。「卒業」「Scrambling Rock'n'Roll」「I LOVE YOU」などだ。16年3月に公開したスカンツ&マキシスカートのCMでは、キックスケーターに乗っても颯爽と滑走できることを強調したかった。それにマッチした曲として選んだのが「15の夜」だということだった。BPOに意見が寄せられたことについて、同社広報は、

「意見にあるようなことは当社では全く意図してはおりません。ただし、色んな意見があり、お客様が不適切だと感じてしまう可能性が無いとはいえませんので、今後のCM制作の参考にさせていただきたいと思っています」

他にもネット上では、今回の「意見」について、昔のヒット曲に噛み付くなんてバカバカしい、何でもクレームを入れる風潮はますます世の中を住みにくくする、子供のしつけは親の問題だ、などとこの意見に批判もあるが、賛同する人も結構いる。

尾崎豊 「15の夜」の世界観

「10代の代弁者」「若者のカリスマ」等と呼ばれた尾崎豊のデビュー曲。
1983年12月1日リリース。7インチレコード。
英題は「THE NIGHT」(ザ・ナイト)。

作詞/作曲・尾崎豊
オリコン最高第15位、売り上げ12万枚。
MP3 「15の夜」

MP3 「15の夜」

この歌は尾崎の実体験を基にして製作された。

14歳の時に、尾崎の同級生で友人の一人が中学校の教師にバリカンで髪の毛を刈られた(髪が長いという理由)ことに反発。その後、仲間と共に実際に家出した事があり、それは歌詞にも反映されている。

ちなみに当初は「14の夜」と作詞したかったが、それでは語呂が悪いため、「15の夜」とされた。
また、家出の計画を立てた場所は練馬区にある向山公園。

尾崎豊 15の夜 歌詞つき - YouTube

プロデューサーの須藤晃は後に著書でこの歌の歌詞について、「誰も書いたことのないような、ティーンエイジャーのための、ティーンエイジャーによる、ティーンエイジャーの詞だった。」と書き著している。

この「15の夜」は、プロデューサー・須藤晃に初めて持っていった詞であり、その際のタイトルは「無免で…」というタイトルだった。その後、デモテープの段階では「無免許」となり、さらに「15の夜」に改められた。
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