森田芳光監督 × 沢田研二 「ときめきに死す」
『ときめきに死す』(ときめきにしす)は、丸山健二の小説、およびそれを原作とした1984年制作の日本映画である。
盛りを過ぎた信州の避暑地の様子、世話を依頼された「彼」との生活、そして政治家の暗殺に成功すると思われていた彼が謎の死を遂げるまでを「私」の視点から緻密に描く。
原作には出てこないコンピューターや同居の女、舞台が信州ではなく北海道、暗殺対象が政治家でなく宗教家であるなど、原作とはかなりの差異がある。当時、歌謡界のスーパースターであった沢田研二の壮絶なラストシーンが話題となった。
共演の杉浦直樹は、本作で1984年度アジア太平洋映画祭助演男優賞を受賞している。
1980年代。スピルバーグ、ルーカスが活躍したアメリカに負けじと、日本でも「若手監督」達が気勢を挙げていました。『オレンジロード急行』の大森監督、『サード』の東監督、『遠雷』の根岸監督など。
中でも、ピンク映画出身、一般作デビューの『家族ゲーム』で各映画賞を総ナメにした森田芳光監督は、若手のホープでありました。
そんな彼の次なる作品がこの『ときめきに死す』であったのです。
不思議な世界観を感じる≪予告動画≫
ときめきに死す (1984) - 劇場予告編 - YouTube
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「ときめきに死す」 あらすじ
都会から遠く離れた田舎町。そこの駅で、歌舞伎町で医者をいる大倉洋介(杉浦直樹)は工藤直也(沢田研二)を迎えに来ていた。大倉はある組織から工藤の世話をする仕事を請け負ったのであった。
工藤直也、彼の仕事は殺し屋であった。
そして、大倉と工藤の二人きりの奇妙な生活が始まった。
大倉は工藤を別荘に案内し、組織の指示通りに調理した夕食で持てなすが、工藤は酒も煙草も拒否、食事もデザートから手をつけるという変わり者だった。大倉は工藤の正体も、ここに現われた目的も一切知らされず、また質問する事も禁じられていた。
ただひたすら、組織からの一方的な電話による指示通りに彼の世話をするのだった。
工藤は早朝、森林を駆け回り昼は海で水泳をし、別荘に帰っては室内トレーニングを続けるという日課を黙々とこなしていた。大倉はそんな彼のストイックな姿に魅せられていく。
あるコンピューター室で少年がキーを叩いている。
ブラウン管には工藤と大倉の行動がグラフィック化され、二人の体格、性格に対照して「コヅエ・ヒロミ」という女が叩き出された。
そして、梢が組織から工藤のために別荘に送り込まれてきた。男二人と女一人の奇妙な生活が始まる。
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