『ガンプラり歩き旅』その24 ~さすがゴックだ、なんともないぜ!(ないのか!?)~
2021年6月22日 更新

『ガンプラり歩き旅』その24 ~さすがゴックだ、なんともないぜ!(ないのか!?)~

ガンプラ! あの熱きガンダムブーム。あの時代を生きた男子であれば、誰もが胸高鳴り、玩具屋や文房具屋を探し求め走ったガンプラを、今改めて当時のキットから現代キットまで発売年代順に、メカ単位での紹介をする大好評連載の第24回は、ジオン水陸両用モビルスーツから、ゴッグの紹介です!

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腹部があまり前屈出来ないので、ゴッグの印象的な、「『あしたのジョー』の矢吹丈両手ぶらり戦法のようなポーズ」が取れないし、両手の可動範囲が狭いので、ガンダムハンマーを鷲掴みにするポーズも取りにくい。

前屈姿勢に関してはむしろ、そのポーズ優先でデザインが改めて練りこまれた、出渕裕氏デザインの『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』(1989年)のハイゴッグが、後に2003年にHGUC版が発売されているが、今回のゴッグの問題点は、ほぼぞちらで解決してしまったので、今後ゴッグのREVIBE版発売は難しいと思われる。
指は、両手10本の指が全て根元から可動するので、手の表...

指は、両手10本の指が全て根元から可動するので、手の表情付けは申し分なし。付け根の隙間が気になるという意見もあるが、動かないより百万倍マシ

とりあえずこのHGUC版ゴッグ、確かにアニメのデザインには忠実だし、20年前の旧1/144からの技術革新のアピールには成功しているが、むしろガンプラの現在進行形のテクノロジーを知っている者からすると、いろいろガッカリ感は否めない。
2000年時点のガンプラの技術力で、ゴッグという素材をあてがわれれば、もっとあれもこれも出来ただろうにとの残念さが、強く出てしまうアイテムに仕上がっているのだ。
なまじ、腹部や頭部にまで関節を仕込んで、腕などはABSのボールジョイントで節単位で全てを独立接続にしたにもかかわらず、それらのギミックのほぼ半分が、死んだ結果というのはいただけない。
色分け、可動、共に旧キットからは大幅な進歩を遂げたHG...

色分け、可動、共に旧キットからは大幅な進歩を遂げたHGUCゴック

塗装の方は、キットの状態で殆ど色分けが成されているので、こちらは膝関節のグレーを足の色と似せる手法をとれば、アニメのゴッグにより近づく(幸い、ゴッグには肘関節という概念がない)。
なので、膝関節部をサンディブラウンで、あと、頭部のモノアイレールを艶消し黒で塗装した。
細かい塗装でいえば、腹部メガ粒子砲(パーツ成型色は赤)の中央は、指定だとピンクだが、劇中での塗装に準じて白で塗装。腹部脇の両サイドのミサイル発射管はミディアムブルーで塗った。

うむ、20年で進歩を遂げた技術が、一見上手く組み込まれつつも、微妙に空回りしてしまったという、しかし、物がゴッグだけに、あまり問題が取りざたされなかったという、二重にも三重にも物悲しいキットの話になってしまったという(笑)
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