フルハウスの魅力と思い出
2017年7月9日 更新

フルハウスの魅力と思い出

1987年から8年間放送されていたアメリカドラマ『フルハウス』。本国アメリカでも人気のあった作品でしたが、日本でもNHK教育テレビで放送された人気ドラマでした。この作品のヒントになった作品紹介と主役であるタナー家に住む6人とそれを演じた役者、日本での吹き替え声優を中心に魅力を語ります。

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(吹き替え)堀内賢雄

ダニーの義弟、3人の娘達の叔父ジェシーを演じた堀内賢雄さん。
二枚目だけど、どこか三枚目の愛嬌のあるジェシーを二枚目と三枚目の演技で巧みに演じ分けた堀内さん。真面目さと明るいお調子者と二枚目で色気のある雰囲気のあるジェシーにピッタリとあっていたと思います。
アニメの仕事も多い堀内さんですが、大塚さんと同じく洋画の印象が強いせいか、声がアニメのキャラクター声というより、自然な声の印象が強く感じたので、ジェシーにあっていたなと思います。
堀内さんは、1994年に出版された『メディアックス ムック26 ザ・声優1995』のアンケートで、『フルハウス』のジェシー役で、ロック歌手のジェシーの歌を吹きかえるのが、毎回苦労していると答えていました。
『ロック歌手で歌がうまいのです。その歌は後日収録するのですが、生来のオンチの私は毎回苦労しています』
via 『メディアックス ムック26 ザ・声優1995』より

ジョーイ・グラッドストーン

小5の頃からのダニーの親友。スタンダップ・コメディアンになるのが夢。家賃がタダになるということで、ダニーの子育てを手伝うために、タナー家へ。物まねがうまく、また、仕事が少ないので、タナー家の家事担当になっていきます。
ひょうきん者でお人よしなムードメーカー。
デイブ・クーリエ(1959年9月21日生まれ)

デイブ・クーリエ(1959年9月21日生まれ)

ジョーイを演じたデイブ・クーリエは、カトリックの男子高校卒業後、地元のデトロイトのクラブでスタンダップ・コメディアンとして修業。ロサンジェルス移住後、クラブ、コメディ・ストア、ドアマンと地道に働き、やがて、人形劇の声優として売れっ子に。『フルハウス』は、声優として人気者になったデイブが顔出しで初めて出演したドラマ作品でした。
ジェシーのところでも触れましたが、ジョーイを演じていたデイブがスタンダップ・コメディアンでもあったというスタンダップ・コメディアンを夢に持つジョーイを演じているところも、特にアメリカの視聴者の人達には現実と重なって見えていたのかな?って思います。
声優としての知名度のほうが高かったデイブ。ジョーイ役でも、声優のしごとをしていた場面がありましたね。

(吹き替え)山寺宏一

日本版でジョーイの声を担当したのが、山寺宏一さん。当時は、若手ながらも既にその実力が認められていた声優でした。山寺さんは、既に、『魔神英雄伝ワタル』(1988年)のクラマ役、『それゆけ!アンパンマン』(1988年)のチーズ役、『超音戦士ボーグマン』(1988年)のダスト・ジード役『らんま1/2』(1989年)の良牙役、『天空戦記シュラト』(1989年)龍王リョウマ役と多種多彩、幅広い役を演じていました。

後に、顔出しでドラマにも進出し、また物真似番組にも出演して、見事な物真似を披露されています。1997年にテレビ東京で始まった朝の番組『おはスタ』のメイン司会として広く愛されました。
山寺さんが、顔出しの仕事を積極的に行うきっかけになったのが、『トイ・ストーリー』のウッディ役を無名の声優より有名俳優を使ったほうがいいという判断で変えられたから。
顔出しでも幅広い活躍をしながらも、今でも幅広い役柄とさらに磨かれた演技力で活躍を続ける山寺さん。ジョーイが物真似芸人でもあるので、演ずる役の幅が広い山寺さんは最適だと、当時は思っていましたが、後に物真似芸人としても活躍された山寺さんを見て、本当に適任だったんだなって思いました。また、ジョーイを演じたデイブとの共通点も多く、『フルハウス』の中で、ジョーイ役はアメリカも日本も演じた役者がジョーイに近かったなって思います。

ドナ・ジョー・タナー(愛称D.J.)

タナー家の長女。しっかり者で成績はほとんどA。やや頼りない大人三人の男たちをフォローに回る役割も持っていて、調子の良いちゃっかりした二人の妹に対しても、親友のキミーに対しても、ツッコミの役割を果たすところがありましたが、本人自身がボケに回ることも。大学生のスティーブと付き合って、父親のダニーをハラハラさせたりもしましたが、基本、しっかり者なので、父親を助けることも多かった長女でした。
キャンディス・キャメロン(1976年4月6日生まれ)

キャンディス・キャメロン(1976年4月6日生まれ)

D.J.を演じたキャンディスは、1986年ディズニー社のTVムービー『リトル・スパイ』で芸能界デビューします。翌年に『フルハウス』に出演。実力派子役として活躍し、映画『パンチライン』(1988年)、TVムービー『Big foot』(1987年)、『Camp Cucamonga』(1990年)で地位を確立。また、『フルハウス』と同じくアメリカABC、NHK教育放送で放送されていた『愉快なシーバー一家』(アメリカ1985年~1992年、日本1997年~2000年)の主演カーク・キャメロンは兄。
カークは、『フルハウス』19話「ふくれっ面のD.J.」に三姉妹の従兄スティーブ役で出演しています。
また、キャンディスも『愉快なシーバー一家』にジェニー役で出演しました。

(吹き替え)坂本千夏

坂本さんは、私の中で『フルハウス』以前からアニメでその声に馴染んでいた声優でした。一番、最初に私が知ったのは『キャッツ・アイ』(第1期1983年、第2期1984年)の美人三姉妹の末っ子来生愛役。メカに強く、ボーイッシュな感じのする女の子。それから、『キャプテン翼』(1983年~1986年)の姉御、後に南葛中サッカー部マネージャーになる中沢早苗役。早苗も小学生時代は男勝りな女の子でしたが、中学生になってからは女の子らしさが出ていきました。それから、『となりのトトロ』(1988年)のメイ役など多数。
坂本さんは、元気な女の子、男の子役が多く、また女に見えて実は男という『ここはグリーン・ウッド』(OVA1991年、ラジオドラマ1993年)の如月瞬役、『ふしぎ遊戯』(1996年)の柳宿役など男女のどちらにも受け取られる役を演じることが多い印象があったのですが、『フルハウス』のD.J.は自然でしっかり者の女の子で、普段の男勝りな女の子を演じていた坂本さんが演じることで、ナヨっとしていない印象となり、しっかり者のD.J.を好演されたと思います。

ステファニー・タナー(愛称ステフ)

タナー家の次女。優等生の姉、可愛い妹にコンプレックスを持ってはいるけれども、おしゃまで可愛いステフ。かなりお喋りで口達者な印象がありました。妹の我侭さと姉としてのしっかりした部分をバランス良く持っていたと思います。ちゃっかり者という印象もあって、思ったことをハッキリと言うタイプだったなって思います。D.J.が遠慮するところを代わりに代弁してくれていたなって思います。
ジョディ・スウィーティン(1982年1月19日生まれ)

ジョディ・スウィーティン(1982年1月19日生まれ)

ステフを演じたのは、ジョディ・スウィーティン。4歳の時のホットドッグの仕事が初仕事。4つのCMに立て続けに出て、1987年『Valerie』にゲスト出演してドラマの仕事を始めます。ジム・ヘンソン(1936年~1990年操り人形師・代表作『セサミストリート』他)が手がけた『マザー・グース』(1987年NHK教育で放送)にゲスト出演して好演し、『フルハウス』のステフ役を演じることになります。『フルハウス』の日本版でのシリーズが終わった後に、演じた役者達のその後の姿を紹介した番組がNHKで放送されましたが、その時には、本当に綺麗に成長されていて、びっくりしました。ジョディは、その後、薬物依存や結婚、離婚などの辛い経験をしましたが、『フルハウス』で出来た絆によって、薬物依存から立ち直ったということを、『フルハウス』終了後、数年経ってネットニュースで知り、ドラマを越えた『フルハウス』家族の絆を強く感じました。続編『フラハウス』でも元気な姿で、ステフを演じてくれました。

(吹き替え)大谷育江

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