西部劇の裏側!ネイティブアメリカン側の視点からも描かれた映画2選!
2023年10月5日 更新

西部劇の裏側!ネイティブアメリカン側の視点からも描かれた映画2選!

西部劇でネイティブアメリカンは移民を襲う野蛮なイメージを持った映画が多かったため、怖いイメージがありました。でもネイティブアメリカン側から見れば、移民は住む場所を奪う侵略者ですよね。違う立場から見ると歴史観は180度異なりますが、ネイティブアメリカン側の視点の映画は少ないため一方の歴史観に偏りがちです。今回はそんなネイティブアメリカン側からの視点も交えた映画2選、「ダンス・ウィズ・ウルブス」と「ラスト・オブ・モヒカン」をご紹介します。

143 view

ダンス・ウイズ・ウルブス

Amazon | ダンス・ウィズ・ウルブズ [DVD] | 映画 (2549910)

まずは白人至上主義への警鐘と、フランティアへの敬意と郷愁を表し、西部劇とは一線を画した映画「ダンス・ウィズ・ウルブス」からご紹介します。

公開年月日(アメリカ):1990年11月9日
公開年月日(日本):1991年5月18日
監督・製作・主演:ケビン・コスナー
興行収入:27.3億円
原作:マイケル・ブレイク

あらすじ:1863年、南北戦争の激戦地だったテネシー州で北軍のジョン・ダンバー(ケビン・コスナー)は右足に重傷を負ってしまいます。
その足を切断されると危惧したジョンは、馬を駆って敵軍兵士の囮となり目をそらしました。その隙をついて進軍し、北軍は勝利を収めたのです。
南北戦争 - Wikipedia (2549913)

英雄となったジョンは、好きな勤務地を選べることになり、失われるフロンティアを見たいという願望から、サウスダコタ州のセッジウィック砦への赴任を希望したのでした。

砦で自給自足を始めたジョンは、荒野に生息する2匹の狼と戯れながら気ままな生活を始めます。
そんなジョンのもとに、シスコを盗みに入ったスー族。
そのことをきっかけに親交を深めて行く、スー族とジョン。

幼い頃にスー族と敵対する部族に両親を殺され、スー族に育てられた白人女性と愛し合い、結婚もしました。
バッファローの狩りを共に行い、やがてスー族の一員となっていきます。
だが白人たちにスー族の足取りを知られないよう、砦に日記を取りに戻ったところ、押し寄せていた騎兵隊に捕まってしまい…
アメリカバイソン - Wikipedia (2549915)

平原に住んでいたネイティブアメリカンにとって、バッファローは食料、その他生活のあらゆるもの(武器、装身具、外套、容器、燃料、テントなど)欠かせない存在だったのです。

だから、ネイティブアメリカンは生活に必要な分だけのバッファローを殺し、決して乱獲することはありませんでした。

白人もまたバッファローの肉に目をつけ、鉄道建設の労働者の食料として、また東部開拓者の食料として大量に鉄道で輸送されたのです。

毛皮も東部で珍重され、いっそうバファローは乱獲されました。
映画の終盤では、視聴者もすっかりネイティブアメリカン気分になっています。

またそれだけでなくネイティブアメリカンにとって、欠かせない存在のバッファローを減らすことで西部開拓の邪魔者ネイティブアメリカンの生存を追い詰めること乱獲の一因だったのです。

かつて6千万頭いたバッファローは、1905年にアメリカバイソン協会が発足し、セオドア・ルーズベルト大統領が保護区の設立に動き出した時には、500頭にまで激減していたのでした。

ジョンはスー族の神聖なバッファロー狩りに参加する中で、今まで感じたことのない安らぎを感じます。

必要な分だけ自然の恵みを頂く…ネイティブアメリカンの文化は、かつての日本の文化にも通じているように感じましたね。

ラスト・オブ・モヒカン

Amazon | ラスト・オブ・モヒカン ディレクターズ カット [DVD] | 映画 (2549917)

続いてはアメリカ建国前夜まで、時代が遡りイギリスとフランスがアメリカ大陸で覇権を賭けて争っていた時代の映画で「ラスト・オブ・モヒカン」です。

公開年月日(アメリカ):1992年9月25日
公開年月日(日本):1993年3月6日
監督・製作:マイケル・マン
出演:ダニエル・デイ・ルイス
:マデリーン・ストウ

ラスト・オブ・モヒカン オリジナル予告編

あらすじ:1757年、イギリスとフランスがアメリカで戦ったフレンチ・インディアン戦争のさなかに、イギリス軍指揮官マンロー大佐のもとに、コーラとアリスの2人の娘は向かっていました。

マンロー大佐を逆恨みし、しつこく突け狙うヒューロン族のマグアに襲われたところを、モヒカン族酋長の父親と2人の息子が助け、それぞれコーラとアリスと恋に落ちます。
父子は勇敢なモヒカン族の最後の3人でした。
ただ2人の息子の内一人は、実は白人の養子です。

その後マンロー大佐の守るヘンリー峠は、フランス軍とヒューロン族によって攻め落とされてしまいます。
砦を明け渡し去って行くイギリス軍をヒューロン族が急襲し、マンロー大佐はマグアに生きたまま心臓を取り出され、殺されてしまいました。

逃げ出した姉妹と、ホークアイ、そしてコーラの婚約者のヘイワード少佐でしたが、再び捕らえられヒューロン族の酋長のもとに連れて行かれてしまいます。

THE LAST OF THE MOHICANS Final Scene (1992) Daniel Day-Lewis

火炙りにされそうになった、コーラの身代わりに火炙りにされるヘイワード少佐…。
そしてアリスは妻としてマグアに連れて行かれそうになりますが、アリスに恋するモヒカン族の息子は一人助けに向かいますが…。

なんと言っても見どころは、命を懸けた激しい愛です!
コーラと白人息子ホークアイの激しい愛も良いのですが、寡黙な息子ウンカスとアリスの目と目で言葉を交わすだけの純愛もたまりません。

ラスト・オブ・モヒカン 日本版予告編

原作の「モヒカン族の最後」は、ジェイムズ・フェニモア・クーパーの著作で1826年に初版が刊行されています。

ネイティブアメリカンを野蛮人として描く作品が多かった当時に、モヒカン族は勇敢で紳士的に描かれていて敬意を感じますね。
滅びゆく部族の悲哀が描かれた名作です!

まとめ

今回は「西部劇の裏側!ネイティブアメリカン側の視点からも描かれた映画2選!」についてご紹介しました。
どちらも、従来と違う視点でネイティブアメリカンを描いた名作映画です。
何度でも観たい作品ですね!
18 件

思い出を語ろう

     
  • 記事コメント
  • Facebookでコメント
  • コメントはまだありません

    コメントを書く
    ※投稿の受け付けから公開までお時間を頂く場合があります。

あなたにおすすめ

関連する記事こんな記事も人気です♪

60・70年代の名作西部劇を一挙に!ジョン・ウェイン、リチャード・ハリス、ヘンリー・フォンダらがズラリ!!BS12 トゥエルビで放送

60・70年代の名作西部劇を一挙に!ジョン・ウェイン、リチャード・ハリス、ヘンリー・フォンダらがズラリ!!BS12 トゥエルビで放送

全国無料放送のBS12 トゥエルビは、6月9日(金)、10日(土)、11日(日)の3日間にわたり名作西部劇を放送。6月9日(金)「小さな巨人」「100万ドルの血斗」、6月10日(土)「ウエスタン」6月11日(日)「馬と呼ばれた男」「勇気ある追跡」をお届けします。
映画『ロング・ライダーズ』実在した最強の強盗団の物語を描いた西部劇作品だった!!

映画『ロング・ライダーズ』実在した最強の強盗団の物語を描いた西部劇作品だった!!

映画『ロング・ライダーズ』は、実在した南北戦争後の西部7州を荒らしまわった最強の強盗団のたちの物語でした。登場するギャングは、実際の兄弟俳優たちが演じていました。またライ・クーダーの初の映画音楽作品でした。
星ゾラ | 3,293 view
イーストウッド最後の西部劇「許されざる者」。リアリティを追及した映画!

イーストウッド最後の西部劇「許されざる者」。リアリティを追及した映画!

1992年公開の「許されざる者」。クリント・イーストウッドが監督と主演を務め、アカデミー賞も受賞した。最後の西部劇と言われ、徹底的なリアリティを求めた撮影エピソードから、イーストウッドの「許されざる者」にかけた想いを感じ取れる一作。
ひで語録 | 3,493 view
めっちゃカッコいい!ロバートワグナー主演の「スパイのライセンス」を見ましたか?

めっちゃカッコいい!ロバートワグナー主演の「スパイのライセンス」を見ましたか?

「スパイのライセンス」は、1968年から放映されたロバート・ワグナー主演のテレビドラマです。放送は1970年まで続き、日本での放送は「プロ・スパイ」という題名で始まりましたが、1970年から1971年にかけて「スパイのライセンス」として放送されました。
五百井飛鳥 | 779 view
超感動作!映画【アルマゲドン】出演者のその後・・

超感動作!映画【アルマゲドン】出演者のその後・・

1998年に大ヒットした映画『アルマゲドン』。今回はこの超感動作に出演していた個性豊かなキャスト勢のその後にスポットを当てて、ご紹介したいと思います。
mm | 2,090 view

この記事のキーワード

カテゴリ一覧・年代別に探す

あの頃ナウ あなたの「あの頃」を簡単検索!!「生まれた年」「検索したい年齢」を選択するだけ!
リクエスト