男はつらいよ『僕の伯父さん』
さくら、お前の息子が恋してるってよ さすが俺の身内よ!
『男はつらいよ ぼくの伯父さん』 予告編 - YouTube
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男はつらいよ第42作目である「ぼくの伯父さん」は寅さんの甥である「満男の恋」にスポットライトを当てた初めての作品です。渥美清さんは撮影時62歳になっており、フラれ役や恋愛メインが苦しい年齢になってきたこと、渥美さんの体調が思わしくなく、以前の様にメインで大きく動けなくなった事が重なり寅さん自体の恋愛は控えめに、満男の青春を描く作風にシフトチェンジしました。
マドンナは史上初の2人
今作では満男と寅次郎二人に1人ずつマドンナが登場します。長い男はつらいよシリーズの中でもマドンナが2人になったのはこの作品からでした。
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あらすじ
寅次郎が久々に柴又に帰ると、そこには大学受験に失敗して浪人中だった甥の満男(吉岡秀隆)の姿があった。さくらから人生に悩む満男の相談に乗って欲しいと頼まれた寅次郎は、早速近所の飲み屋に出かけ、満男にしこたま酒を飲ませる。満男から勉強が身につかない原因を聞き、人生について語る。帰宅後、未成年にも関わらず酒を飲ました事に激怒する博と大喧嘩した寅次郎は怒って旅に出てしまう。一方、満男もさくら達と大喧嘩し、家出してしまう。行く場所のない満男は高校時代の初恋の相手・泉(後藤久美子)が親の離婚で引越した名古屋までオートバイで向かう。スナックで泉の母親(夏木マリ)に出会えた満男だったが、泉はここには居ないと告げる。泉が佐賀にいることを知った満男は、事故を起こしたり、ホモに迫られたりしながら、オートバイで佐賀に向かう。一方、旅に出た寅次郎も佐賀にいた。宿に帰った寅次郎の部屋に一人の若者が相部屋に入ってくる。浪人だというと「甥っ子も浪人でろくなもんじゃない」。相手は満男であった。
名言集
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いいか、まず片手で杯を持つ。酒のにおいをかぐ。な。酒のにおいが鼻の芯にずーっと染み通ったころ、
おもむろに一口…
さあ、お酒が入って行きますよ、ということを五臓六腑に知らせてやる。
な。そこで、ここに出ている突出し、これを舌の上にちょこっと乗せる。
これで、酒の味がぐんとよくなるんだ。
満男に酒の飲み方を教える寅さん
だって、恋って言うのは美しい人を美しく思う気持ちのことだろう
でも、オレのはちっとも美しくなんかないよ。不潔なんだよ。
だってオレ、あの子の唇とか、胸とか…
そんなことばっかり考えてんだよ。
オレに女の人を愛する資格なんかないよ
泉への気持ちに不純なものを感じて悩む満男
オレはな、学問っていうものがないから、うまいこと言えねえけれども、博がいつかオレにこう言ってくれたぞ
自分を醜いと知った人間は決してもう醜くねえって。な?
考えてみろ、田舎から出てきてタコの経営する印刷工場で働いていたおまえの親父が3年間、じーっとさくらに恋をして、何を悩んでいたか、今のお前と変わらないと思うぞ。
そんな親父をおまえ、不潔だと思うか
悩む満男に寅さんが博とさくらの事を引き合いに励まします。確かに博もとても真面目でしたから、同じ悩みを持っていたと考えられます。
親不孝の「考」の字が間違ってる!大学なんてあきらめた方がいいんだ!
書置きを残して家出した満男。初めての家出に博とさくらは動揺してしまいます。しかし『親不孝をお許しください』との書置きの誤字に気づき、発狂する博。博は裕福な家庭に育ちましたが学歴を持たず自立したため苦労人でした。息子には大学で学歴を作ってほしいと学費や進学の事を考えていたのにこの仕打ちは親として落胆するのも無理はありません。
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