山本政志監督による劇場映画『ロビンソンの庭』がクラウドファンディングを実施中!
ロカルノ映画祭審査員特別賞、ベルリン映画祭zitty賞、日本映画監督協会新人賞を受賞した、1987年公開の山本政志監督劇場映画デビュー作『ロビンソンの庭』。幻想的な映像、大地の鼓動を感じさせる音楽、そして個性あふれる出演者と三位一体で描き切った衝撃作で、公開から30年経った今も、その魅力は衰えることがありません。
しかし、現存するフィルムは損傷や変色などで劣化しており、DVDも現在発売中止に。ネット上でプレミア価格で販売されており、『ロビンソンの庭』を観る機会が失われつつあるのが現状です。そこで『ロビンソンの庭』を記憶の中だけの「伝説の映画」にとどまらせず、HDデジタルリマスターを製作することで、現代に蘇らせる企画が始動。現在、クラウドファンディングで資金を募っています!
映画『ロビンソンの庭』とは?
1987年の山本政志第一回35mm監督作品『ロビンソンの庭』。撮影にジム・ジャームッシュ監督「ストレンジャーパラダイス」のトム・ディッチロ、音楽にフランシスフォード・コッポラ監督「少年の黒い馬」のハムザ・エル・ディンを迎え、ベルリン映画祭を始め20を越す国際映画祭で絶賛を浴びました。
主人公クミに、山本監督の8mm時代からの常連で、強烈な存在感で観る者を圧倒してきた太田久美子。”悪ガキ” ユウには、1200人の中から選ばれた上野裕子。キイ役には、日本のパンクシーンで確固たる存在感を放ちつつ、現在は小説家として、その名を轟かせている町田町蔵(現町田康)。他にもハードコアパンクバンド G.I.S.M.の横山SAKEVI、じゃがたらの江戸アケミ、OTO、ナベ、当時”ばちかぶり”のボーカルであった田口トモロヲ等、ミュージシャンが多数出演しています。
身体をはみ出していくようなエネルギーとある種のナイーヴさが、目を見張るような効果をもたらしている『ロビンソンの庭』。荒廃した物質文明と、その毒さえも養分にして増殖する自然のエネルギー、終末感と生命力の対比を、幻想的な映像、大地の鼓動を感じさせる音楽、そして個性あふれる出演者と三位一体で描き切った大脳直撃の衝撃作であり、公開から30年経った今もその魅力は衰えることがありません。
映画監督「山本政志」とは?
山本政志は70年代後半から活動を続ける日本の映画監督。1982年の16mm自主映画『闇のカーニバル』がベルリン、カンヌ国際映画祭で連続上映され、ジャームッシュらNYのインディペンデント監督を中心に絶大な支持を得、欧米で日本インディーズ映画の代表的監督として認知されました。
1990年の香港との合作『てなもんやコネクション』では、専用上映館を渋谷に建設し4ヶ月のロングラン上映を敢行。1997年、文化庁海外派遣文化研修員としてニューヨークに1年間滞在。この間に『JUNK FOOD』を全米12都市で上映しました。2001年公開の映画『リムジンドライブ』で単身再渡米し、全アメリカスタッフによるニューヨーク・ロケを敢行。2012~13年、実践映画塾〈シネマ☆インパクト〉を主宰、12人の監督とともに15本の作品を世に送り出し、その中から大根仁監督『恋の渦』をスマッシュヒットさせました。
2014年、〈シネマ☆インパクト〉から生まれた自身の監督作『水の声を聞く』はベルリン国際映画祭を始め、香港、全州、ニューヨークなどの映画祭で上映。またキネマ旬報ベストテンに選出されるなど、国内外で高い評価を獲得しました。また2017年、プロデュース作品である吉田光希監督『三つの光』がベルリン国際映画祭に選出。これにより5本の監督作品と合わせ、6度目のベルリン国際映画祭での登壇となりました。今尚あらゆる ”ボーダー” を超え、常に新しい挑戦を続けています。