80年代後半に発売されまくったお笑いタレントのゲームソフト
『たけしの挑戦状』『さんまの名探偵』『加トちゃんケンちゃん』『所さんの守るもせめるも』『風雲たけし城』などなど…
80年代後半に大流行した、お笑いタレントをモチーフゲームソフト。有名人の名を借りたことで一定の売り上げが見込めるとの安堵感からか、伝説のクソゲー『たけしの挑戦状』をはじめとして、そのクオリティは往々にして並み以下。多くのソフトが売り出し時を終えた後、ゲームショップのワゴンで、何度も値札を貼り直されて、たたき売りされていたものです。
80年代後半に大流行した、お笑いタレントをモチーフゲームソフト。有名人の名を借りたことで一定の売り上げが見込めるとの安堵感からか、伝説のクソゲー『たけしの挑戦状』をはじめとして、そのクオリティは往々にして並み以下。多くのソフトが売り出し時を終えた後、ゲームショップのワゴンで、何度も値札を貼り直されて、たたき売りされていたものです。
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そんなタレントゲームブームもひと段落していた1994年。性懲りもなく、1人の芸人を扱ったゲームが発売されます。その名も『松村邦洋伝 最強の歴史をぬりかえろ!!』。当時モノマネ芸人として売出し中だった松村邦洋をアバターとして動かしていくこの作品も、なかなかのキワモノゲームでした。
『進め!電波少年』で人気者になった松村邦洋
松村邦洋といえば、つい最近、ライザップの新CMに登場したことで話題になりました。別人のような痩せ細り具合に、驚いた人も多かったのではないでしょうか。
松村邦洋、30キロの減量に成功!「こんな幸せない」 「ライザップ」新CM発表会1
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もともと、ビートたけし・石橋貴明らのモノマネで頭角を現した彼は、高田文夫の「そうそう!それそれ!」との相槌が「バウバウ!それそれ!」と聞こえることから生まれたギャグ「バウバウ」によってブレイク。1992年からテレビに引っ張りだことなり、この年のゴールデン・アロー賞芸能新人賞を獲得するに至っています。
また同年には、『進め!電波少年』のMCにも抜擢。司会進行役をつとめつつ、「有名人の豪邸でウンコ」に代表されるアポなしシリーズや渋谷にたむろするチーマーの更生企画、一般公募の女性と婚姻してすぐに離婚し「バツイチ」になる企画など、身体をはった挑戦の数々で、一躍お茶の間の人気者となりました。
また同年には、『進め!電波少年』のMCにも抜擢。司会進行役をつとめつつ、「有名人の豪邸でウンコ」に代表されるアポなしシリーズや渋谷にたむろするチーマーの更生企画、一般公募の女性と婚姻してすぐに離婚し「バツイチ」になる企画など、身体をはった挑戦の数々で、一躍お茶の間の人気者となりました。
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異色のゲーム『松村邦洋伝 最強の歴史をぬりかえろ!!』とは?
そんな人気絶頂期だった頃の松村を主人公としたゲームが『松村邦洋伝 最強の歴史をぬりかえろ!!』です。「対戦格闘ゲーム」を謳う同作のパッケージは、ご覧のように松ちゃんの顔写真がイラストの身体にアイコラされています。疑似空間の中を実写の顔が浮いているというデザインは、そこはかとなく『電波少年』を意識したのでしょうか。
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パッケージには実際の顔写真を使っていますが、ゲーム中は、さすがにディフォルメされたアバターを使うのだろうと思いきや、これがなんと違います。ゲーム中も、写真ライクなリアルフェイスをもつ松村を動かしていくのです。
「ストーリーモード」と「対戦モード」が存在した
ゲームには2つのモードが存在し、1つは対戦モードで、もう1つはストーリーモード。「マツムラ・ファイター」と名付けられた対戦モードはその名の通り、タイマン勝負の格ゲーをプレイできます。フリーター、拳法使い、レスラーなど職業を選択できますが、顔はすべて松村。
ストーリーモードは、松村の所属事務所である太田プロ社長に呼び出されて、「自分を最強にしたゲームソフトを作ってもらうのだ!」と唐突に命令されるところからスタート。これまた、『電波少年』を意識したような始まり方です。
指令の通りに、ゲーム会社へソフトの開発をお願いしに向かう松村。街を歩いていると、チンピラや女忍者など、さまざまな一般人(?)からイチャモンをつけられて、対戦モードに突入。あらゆる攻撃をかわせる回避技「バウバウ」と、体力回復技の「ピロピロ」を駆使して並み居る強敵をなぎ倒し、ストーリーを進めていきます。
最終目的地であるゲーム会社へ行き、そこでラスボスを倒せば、ゲームクリア。晴れて、『松村邦洋伝』をつくってもらう約束を取り付けられ、ジ・エンドです。
ストーリーモードは、松村の所属事務所である太田プロ社長に呼び出されて、「自分を最強にしたゲームソフトを作ってもらうのだ!」と唐突に命令されるところからスタート。これまた、『電波少年』を意識したような始まり方です。
指令の通りに、ゲーム会社へソフトの開発をお願いしに向かう松村。街を歩いていると、チンピラや女忍者など、さまざまな一般人(?)からイチャモンをつけられて、対戦モードに突入。あらゆる攻撃をかわせる回避技「バウバウ」と、体力回復技の「ピロピロ」を駆使して並み居る強敵をなぎ倒し、ストーリーを進めていきます。
最終目的地であるゲーム会社へ行き、そこでラスボスを倒せば、ゲームクリア。晴れて、『松村邦洋伝』をつくってもらう約束を取り付けられ、ジ・エンドです。
【クソゲー】松村邦洋伝を実況プレイ!
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敵キャラの顔は、公募で選ばれた素人の顔写真を使用
ちなみに、敵キャラもリアルな実写ライクの顔になっているのですが、こちらは『松村邦洋のオールナイトニッポン』のリスナー及び『ファミ通』内で行われた公募によって選ばれた一般人の写真を使用しているのだとか。キャラのモデルになった人は、ゲーム内において実名・年齢まで公開されていて、当時のプライバシー意識がいかにおおらかなものだったかをうかがい知ることができます。
松村邦洋伝のプレイ動画
ガッツリ一般の方の名前が記載されています。
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こうしたチープなゲーム内容に加え、容易にハメ技が可能であり、しかもそれをコンピューターの敵キャラが仕掛けてくるという傍若無人なシステムゆえに、発売当初からクソゲー扱いされている『松村邦洋伝 最強の歴史をぬりかえろ!!』。タレントゲーム全盛だった頃の徒花として、これからもゲーム史にひっそりと名を刻んでいくことでしょう。
(こじへい)
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