人妻・園子と若く美しい光子の同性愛描写がエロチックな「卍(まんじ)」。演じるのは若かりし頃の岸田今日子と若尾文子
2020年2月24日 更新

人妻・園子と若く美しい光子の同性愛描写がエロチックな「卍(まんじ)」。演じるのは若かりし頃の岸田今日子と若尾文子

若く美しい光子と人妻の園子の同性愛を軸に、園子の夫の幸太郎、そして婚約者の栄次郎を含め、泥沼の4画関係を描いた「卍」。原作はあの谷崎潤一郎。演じた若かりし頃の岸田今日子と若尾文子があまりにも魅力的です!

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卍(まんじ)

「卍」は、谷崎潤一郎の小説が原作です。内容は簡単に言ってしまうと両性愛の女性と関係を結ぶ男女の愛欲の物語です。中でも官能的なレズシーンは大きな見どころといえます。

ビジュアル的な小説といえるのでしょうね、過去に5度も映画化されています。

・1964年 監督:増村保造。脚本:新藤兼人。出演:若尾文子、岸田今日子ほか
・1983年 監督:横山博人。脚本:馬場当。出演:樋口可南子、高瀬春奈ほか
・1985年 監督:リリアーナ・カヴァーニ。出演:グドルン・ランドグレーベ、高樹澪ほか
・1998年 監督:服部光則。出演:坂上香織、真弓倫子ほか
そして一番新しいのが2006年の監督・脚本:井口昇。出演:不二子、秋桜子などが出演したバージョンです。

どれもエロチックで刺激的ですが、お勧めは若かりし頃の若尾文子と岸田今日子が主演した最初の映画です。
卍(まんじ)

卍(まんじ)

監督:増村保造
脚本:新藤兼人
音楽:山内正
配給:大映
上映時間:90分
とにかくこの2人が美しい。エロチック全開でもあります。そしてひたすら情熱的。その様子は滑稽ですらあります。全て関西弁というところがこれまた独特のムードを醸し出していて実にいい感じです。
徳光光子と柿内園子

徳光光子と柿内園子

演じるのは若尾文子(左)と岸田今日子
思っていた以上にと言っては失礼ですが、岸田今日子が可愛いです。色気とはこういったものなのでしょう。出来ることなら結婚したい!そう思わせるに十分な魅力を振りまいています。
そして、一方の若尾文子。これまた魅力的です。小悪魔的な難しい役どころだと思いますが、見事に演じ切っています。

この映画は、この2人の存在なくしては成り立たないと言っても過言ではないでしょう。

谷崎潤一郎

原作は谷崎潤一郎。言わずと知れた日本を代表する作家の一人ですね。
谷崎潤一郎

谷崎潤一郎

誕生:1886年7月24日 東京市日本橋区蛎殻町2丁目14番地
死没:1965年7月30日(満79歳没)
活動期間:1910年 - 1965年
「卍」は、1928年3月から1930年4月まで断続的に雑誌「改造」に掲載され、1931年に単行本として刊行されました。

若尾文子と岸田今日子が出演した映画は、ほぼ原作に忠実に作られています。

あらすじ

Manji (1964) Japanese Trailer

予告編
若尾文子が演じる光子と岸田今日子の演じる園子の同性愛を軸に、園子の夫・柿内考太郎(船越英二)と光子の婚約者・綿貫栄次郎(川津祐介)の男性2人を絡めた、男女4人による性と官能に溺れたまさしく「卍」がらめの関係が目まぐるしく展開する愛欲のドラマです。
卍(まんじ)

卍(まんじ)

左から川津祐介、若尾文子、船越英二、岸田今日子
物語は園子が先生に告白するという形式で進んでいきます。

美術学校に通い始めた園子はそこで徳光光子という美しく魅力的な若い女性と知り合うのですが、学校で「2人は同性愛者ではないか」という噂が広まります。
徳光光子と柿内園子

徳光光子と柿内園子

最初はただの噂に過ぎなかったのですが、2人は会うたびに互いに惹かれあい、遂に同性愛関係となります。このことはやがて園子の夫である孝太郎に知られてしまうのですが、園子は光子との関係を断つことを拒否するのでした。

幸せな日々を送っていたある日のこと、光子の妊娠が判明します。光子に裏切られたと思いながらも光子を忘れることが出来ない園子。
そんな最中に光子の婚約者である綿貫栄次郎が園子の前に現れ、光子との関係をお互いに続けていくために姉弟になろうと誓約書を持ってきます。
異常と思える行為ですが、園子は印を押すのでした。
園子と綿貫栄次郎を手玉に取る光子でしたが、綿貫栄次郎に嫌気がさし別れを決意します。園子も夫・孝太郎との仲がこじれていたこともあり2人で死なない程度に睡眠薬を飲むという偽装心中を行います。

園子の意識が混濁している最中、なんと光子は園子の夫・孝太郎と関係を結ぶのでした。
そして、関係は切れたものの、園子、光子、孝太郎の三角関係を綿貫栄次郎に知られてしまいます。
園子と孝太郎に睡眠薬を飲ませる光子

園子と孝太郎に睡眠薬を飲ませる光子

「好き言うたら絶対的な気持ちやから、死んでも後悔せん」というセリフが何とも印象的ですが、栄次郎によって三角関係を世間に暴かれた3人は心中を選びます。

しかし、園子だけが取り残されてしまうことに。
死んでしまった光子を憎いと思いつつも、今でも変わらない愛を感じる園子なのでした。
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