アラフォー世代のトラウマ映画:『はだしのゲン』『震える舌』『この子の七つのお祝いに』ほか
2017年3月17日 更新

アラフォー世代のトラウマ映画:『はだしのゲン』『震える舌』『この子の七つのお祝いに』ほか

『震える舌』も、『この子の七つのお祝いに』も、当時、テレビで放映されたときは、あまりの恐怖にチャンネルを変えた子どもが続出したという。原爆投下時の熱線や爆風で老人や乳児を含む市民が犠牲となる描写が余りにも残虐なため、トラウマになったという者も多い『はだしのゲン』。小学校・中学校の「平和学習教育時間」で『はだしのゲン』を見た人は多いでしょう。ホラーを超える現実の恐ろしさと女優の迫真の演技の恐ろしさを思い知らされるトラウマ映画を振り返ってみましょう。

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全国各地の小学校・中学校の「平和学習教育時間」に見たアニメ映画『はだしのゲン』(1983年)

全国各地の小学校・中学校の「平和学習教育時間」に見たア...

全国各地の小学校・中学校の「平和学習教育時間」に見たアニメ映画『はだしのゲン』(1983年)

1980年代から多くの図書館や、小中学校の図書室に置かれた漫画であり、少年少女に広く読まれている。

「原子爆弾投下」という現実を学ぶことが出来る、参考書としての側面を持つ漫画作品だという声がある。また、戦争漫画としてだけでなく、戦中戦後の風俗・社会情勢を捉えており、土俗的な描写の巧さについて、呉智英は「作者の中沢啓治が自ら体験したか、間近で見聞きしたのだろう」と推測している。

また、呉は中沢の左翼的な作品のスタンスについて「稚拙な政治的言葉しか持ちえなくとも、それでも運命に抗う人々の軌跡」だとしている。
「平和教育」としてのアニメ映画『はだしのゲン』

全国各地の小学校・中学校では、夏休みの登校日などに「平和学習教育時間」が設けられているところもあるが、アニメ版「ゲン」はその時に鑑賞する原爆アニメの定番となっていた。

特に、「平和教育」の盛んな広島市では、他機関からのフィルムのレンタルによる上映を含めると実に多くの小中学校でゲンが上映されていた。

しかし、原爆投下時の熱線や爆風で老人や乳児を含む市民が犠牲となる描写が余りにも残虐なため、トラウマになったという者も多い。

そもそも児童にグロテスクな表現を見せることが教育上よいものかとも懸念されており、児童が「平和教育」自体に拒否感を持つに至った事例も報告されている。

そのためこのアニメを学校で強制的に鑑賞させることに否定的な意見を持つも多い。

現在では描写がよりソフトな「トビウオのぼうやはびょうきです」などの方が好まれる傾向にある(教育現場における「ゲン」の受容に関しては『「はだしのゲン」がいた風景』第五章に詳しい)。

アニメ映画『はだしのゲン』(1983年)原爆が投下されたシーン - YouTube

これはアニメ映画としては厳しい残酷なシーンです。目を背けたくなるような戦争や原爆の恐ろしさをリアルに表現しています。

現実の原爆投下の現場は、このアニメよりも、もっとはるかに過酷だったのだろうと思います。
中沢啓治本人は「はだしのゲンのアニメ映画を見たことでトラウマを植え付け、それによって原爆に対して嫌悪感を持ってくれればいい」という旨を語っているほか、自伝でも「泣き叫んだ子供達、ありがとう 君たちは原爆の本当の真実を知ってくれたのだ!」と語っており、原爆によるショックを受けることが原爆の悲惨さ、真実を知ることになるというスタンスである。
漫画『はだしのゲン』の方もトラウマになりますよね。原爆...

漫画『はだしのゲン』の方もトラウマになりますよね。原爆の本当の真実は小中学生が直視するには厳し過ぎる現実です。

ですが「平和教育」は一時的な感情論や場当たり的な議論で済ますことではなく、戦争と原爆の悲惨さ、真実を知ることは、根底的に必要なことでしょう。

何らかの手段で、原爆の悲惨さを、真実を理解してもらう必要があります。
どうやって真実を深く理解してもらうのがいいのか。

トラウマ級のパンチを食らわすしか手段がないのか?知恵が求められます。

『震える舌』(1980年)

『震える舌』(1980年)

『震える舌』(1980年)

『震える舌』(ふるえるした)は、三木卓が1975年に発表した小説。河出書房新社より刊行され、後に新潮文庫および講談社文芸文庫として刊行された。また、これを原作とした1980年公開の日本映画である。

破傷風菌(テタノスパスミン)に侵された少女とその両親を、題材にした作品。三木が自分の娘が破傷風菌に感染した時のことを、モチーフとして描いている。

映画は医療ドラマというよりも、オカルト・ホラー的趣向で製作された。予告編での惹句も、「新しい恐怖映画」と銘打たれている。

破傷風に侵されてしまう少女・昌子を演じる若命真裕子(わかもり まゆこ)の迫真の演技が、話題となった。

1985年にVHS版が発売されて以来、長らくソフト化の機会に恵まれなかったが、2011年11月23日にDVD版がリリースされた。また、2014年12月3日には「あの頃映画 the BEST 松竹ブルーレイ・コレクション」シリーズの第3弾としてBD版が発売された。
(出典:Wikipedia「震える舌」)

「震える舌」 あの頃映画松竹DVDコレクション - YouTube

おいで、おいで・・・幼ない娘・・・。彼女はその朝、悪魔と旅に出た。

『あの頃映画松竹DVDコレクション』第一弾!蔵出しムービー特集初DVD化作!
■破傷風に侵された少女と、それを看病する両親の闘病記を、ホラー映画のように纏め上­げた異色作。
■監督は、『砂の器』や『八つ墓村』などで社会派、恐怖を描くことで定評の野村芳太郎­。
■奇病に取り組み、血も凍る恐怖を熱演した当時5才の子役の圧倒的な演技が見所。
■渡瀬恒彦はこの年、キネ旬主演男優賞を受賞(他作品含む)
『震える舌』は「破傷風の恐怖」と戦う少女と看病する両親...

『震える舌』は「破傷風の恐怖」と戦う少女と看病する両親の闘病記

映画『震える舌』は、泥んこ遊びをきっかけに破傷風に冒されてしまった少女・昌子と、彼女を看病する両親が次第に追い詰められていく様子を描いた作品。
『震える舌』のワンシーン。怖すぎます!!!!ヒイイイギ...

『震える舌』のワンシーン。怖すぎます!!!!ヒイイイギィアアアア!!!(c)1980 松竹株式会社

エクソシストを超えた演技力かもしれませんね。

医療・闘病ドラマとしても最高峰の出来ですが、オカルト・ホラー的恐怖映画としてもトラウマ級の作品。
ずば抜けた才能を見せているのが、娘役を演じている子役の若命真裕子。

口の周りを血だらけにし、舌を噛み切ってしまうほど痙攣する姿はとにかくリアル。

「ヒイイイイイギアアアアアア!」と恐ろしい金切り声で叫び狂う彼女の声は思わず耳を塞ぎたくなるほどで、破傷風特有の症状である激烈な筋肉発作により、弓のように体を反らす姿は、『エクソシスト』を上回る、全身鳥肌ものの恐ろしさだ。
破傷風特有の症状である激烈な筋肉発作により、弓のように...

破傷風特有の症状である激烈な筋肉発作により、弓のように体を反らす姿は、『エクソシスト』並みの恐ろしさ。

闇の病室(真っ暗な防音された部屋)での不気味な戦争を終...

闇の病室(真っ暗な防音された部屋)での不気味な戦争を終えられない戦慄感

『この子の七つのお祝いに』(1982年)

『この子の七つのお祝いに』(1982年)

『この子の七つのお祝いに』(1982年)

『この子の七つのお祝いに』(このこのななつのおいわいに)は、1982年10月9日公開の日本映画で、原作は斎藤澪。第一回横溝正史ミステリ大賞を受賞した同名小説の映画化作品である。

昭和25年頃、東京都大森の古い木造アパートで真弓と娘の麻矢が2人きりで住んでいた。真弓は麻矢に「お父さんは私達を捨てた悪い人。恨みなさい、憎みなさい。大きくなったら必ず仕返しをしなさい。絶対に許しては駄目。」と毎日毎晩教え込み、虐待していた。そして麻矢が7歳の正月、真弓は彼女に晴れ着を着させて手首と頚動脈を切って自殺した。

それから約35年後、ある日の夜に東京の住宅街で池畑良子が残忍な手口で殺された。初め警察は、殺害方法や被害者の派手な男性関係から、犯人は男とみられたが、その後、現場に残されていたケーキから、そのケーキを売っていた店に聞き込みをしたところ、死亡推定時刻直前にサングラスをかけた女がケーキを買っていたことがわかり、犯人は女と断定された。

一方、元新聞記者のフリーライター・母田耕一は池畑良子から秦一毅や妻・「青蛾」麗子についての秘密を教えてもらう約束をしていたが、その前に殺害されたので秦と青蛾が事件に関係していると睨んで調べ始める。

そして、母田は調べを進めては自身が新聞記者だった頃の後輩・須藤洋史の行きつけのバーで須藤と事件について情報交換をした。その後、母田は秦の過去を調べていく内、その秘密が会津にあることを突き止めて会津に向かうものの帰京してすぐに殺されてしまう。

警察は手首を切っての自殺だと断定するが、須藤は取材ノートから会津の件が消えていることで他殺だと気づく。また母田は須藤がまだ駆け出しの頃、取材の"いろは"を教えてくれた恩人だったため、危険を覚悟の上で母田の遺志を継いで事件の捜査を始め、会津で犯人に関する事実を知った矢先に青蛾惨殺の報を受ける。

その頃、漸く父・高橋佳哉を見つけ出した麻矢は復讐すべく子供の頃に住んでいた木造アパートに呼び出し、同行した須藤の前で高橋が父親であり母と自身を捨てたのだと語る。

実は、母田は事件の真相を会津で知るが、愛するがゆえにゆき子に敢えて殺されたのだった。しかし、そこで麻矢にとって思いがけない事実を知り愕然となる。

真弓と高橋との間に生まれた娘・麻矢は生まれてふた月と経たない頃、ネズミに顔中を齧られ喉を喰いちぎられて死亡しており、ショックのあまり精神を病んだ真弓は日に日に異常な言動が目立つようになり身の危険すら感じた高橋が生き別れの妻・みやこと再会したのを機に彼女の元に去り、正常な思考や判断が完全に出来ない狂人と化した真弓は2人の間に生を受けた娘・きえを盗み出して復讐の道具に仕立て上げたのだった。

それこそが麻矢として育った彼女だった。最初は高橋の話を否定するゆき子だったが、調査の過程で「本当の麻矢」が死亡していたことを知った須藤にアルバムと犯行現場の彼女の手型を鑑定するよう勧められ、自身が「麻矢」ではないことを悟ったゆき子は事実に耐え切れずに精神が崩壊してしまう。
(出典:Wikipedia「この子の七つのお祝いに」)
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岸田今日子が演じるのは、自分を裏切った男への恨みだけで生きる、錯乱状態の超猟奇的な母親。

そんな母親の娘はなんと不幸なことか・・・
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