声優デビューは30歳近くになってから!
兄弟を頼りに東京に出て、劇団の試験を受けるのですがどこも不合格。中卒だったので2年遅れで定時制高校に通うことになります。高校卒業後も劇団のテストを受けるのですがどこも不合格だったのですが、劇団東演に2年間勉強で通うことになります。
その後さまざまな舞台に立つようになります。ある現場でアテレコの仕事に誘われて参加。何度か参加していくうちに割のいい仕事だと思うようになりもっと声の仕事をしようと青二プロダクションにに所属します。
デビューは30歳近くと遅かったのですが、演技の経験はあったのですぐにレギュラーの仕事をもらえるようになりました。1970年は東映動画(現:東映アニメーション)の常連だったんですよ。
それから声優の仕事に力を入れるようになりますが、今でも舞台でも活躍されています。1985年から2013年まで劇団すごろくの座長を務めました。現在は応援活動に精を入れていますが、決して舞台俳優を引退したわけではなく、「舞台だけは最後まで続けていきたい」と語っていたこともあります。
「宇宙戦艦ヤマト」で数多くの役を熱演!
その後、1974年の「宇宙戦艦ヤマト」でも数多くの役を演じています。レギュラーではアナライザーとガンツ。単発の敵や名前のない兵士、いわゆるモブキャラまで演じています。これも演じ分けができるからですよね。
緒方さんは3枚目の役を演じることが多いですが悪役から渋い役までこなしています。
また、アナライザーは元々無機質なロボットだったのですが徐々に感情を出す演技に変えていったそうです。するとアナライザー自体も酒を飲んだり、スカートめくりをしたり人間らしくなりキャラ設定が変わっていったのだとか。まさに命を吹き込むというか、声で性格まで作られていくというのはすごいですよね。
ロボットアニメでは数々の悪役を担当
「ゲッターロボ」では悪の幹部であるバット将軍。「大空魔竜ガイキング」ではラスボスのダリウス大帝を演じています。子ども向けのロボットアニメの悪役を演じるにあたり、子どもに嫌われる話し方や気持ち悪い話し方、悪い声の出し方などを研究されたそうです。
そして「コン・バトラーV」では全悪役を演じています。これはすごいですよね。キャスティングするのもすごいですがこなすのもすごいです。主演の三ツ矢雄二さんは「全部の悪役を演じているのにひとつとして同じ演技がなかった」と絶賛されています。
ですがご本人は「キャラクターが違うから違うように聞こえるだけ。まとめて聞いたらみんな同じ」というような発言をされています。いやいや、そんなことはないですよね。
とはいえ、さまざまなロボットアニメが登場するゲーム「スーパーロボット大戦シリーズ」では、悪役も一気に登場するため苦労されたそうです。
「世界名作劇場」では半数以上の作品に登場!
全26作品中、半分の13作品に出演されているんです。ちょっとした役が多かったのですが「七つの海のティコ」では主人公と同じ船の乗組員、アルフォンゾ・アンドレッティを演じています。主人公のナナミ・シンプソンを演じたのは林原めぐみさん。林原さんは緒方さんと親子役で共演することが多く(らんま1/2の女らんまと父玄馬など)「声優界のお父さん」と慕っているんですよ。
思い出に残る作品は「魔法陣グルグル」
緒方さんはダジャレが好きでアドリブでダジャレを入れることも多いんです。ですからグルグルのようなギャグアニメは楽しんでできるのでしょうね。
他にも「伊賀野カバ丸」「つるピカハゲ丸くん」「燃える!お兄さん」「平成天才バカボン」「南国少年パプワくん」など数々のギャグアニメにも出演されていますよ。
最近ではNHKのドラマにも出演!
数十年来のアニメオタクゆえ、僧正役の緒方賢一さんがええ声で喋るたびに、阿笠博士やらアナライザーやら獅子丸やら一休さんの桔梗屋さんやらがぐるぐるぐるぐる回って困ります。
— かかまつ (@kakamatsukk) October 25, 2020
でも、緒方さんの大河出演は西郷どんから2回目。大御所の声優さん達は多くが元々は俳優さんなのですよね。#麒麟がくる pic.twitter.com/FYk2FGpUrO
その縁からか、NHKのドラマにも出演するようになったんですよ。
2016年に連続テレビ小説「とと姉ちゃん」に出演。その後2018年に大河ドラマ「西郷どん」、2020年にも「麒麟がくる」に出演されています。
70歳を過ぎて新しいことにチャレンジするなんてすごいですよね。これからも緒方さんの活躍が楽しみです。