【「県」というものを考えさせられるマンガ】吉田戦車の不条理ワールド【ぷりぷり県】
2018年4月12日 更新

【「県」というものを考えさせられるマンガ】吉田戦車の不条理ワールド【ぷりぷり県】

漫画家・吉田戦車さんの作品と言えば、「伝染るんです。」が非常に有名ですが、その後に1995年から1998年まで、ビッグコミックスピリッツで連載された「ぷりぷり県」も、吉田戦車ワールドが全開の作品です。当時のスピリッツ読者以外には知られていないかもしれませんが、ご紹介します。

4,657 view

「ぷりぷり県」の概要。

『ぷりぷり県』(ぷりぷりけん)は、吉田戦車による漫画、および作中に登場する架空の県。1995年から1998年まで『週刊ビッグコミックスピリッツ』(小学館)に連載された。単行本は全5巻(小学館)。

ぷりぷり県(1) | 吉田戦車 | マンガ | Kindleストア | Amazon

648
Amazonで吉田戦車の{ProductTitle}。アマゾンならポイント還元本が多数。一度購入いただいた電子書籍は、KindleおよびFire端末、スマートフォンやタブレットなど、様々な端末でもお楽しみいただけます。
紙の書籍は、出版元の小学館では絶版になっているようですが、電子書籍では販売されているようですので、ご参考までに。
(中古品ストアでは紙の書籍もあるようです。)

「ぷりぷり県」第1話。

ぷりぷり県 1ページ目。

ぷりぷり県 1ページ目。

via 小学館「ぷりぷり県」吉田戦車・作 第1巻4ページより。

主人公「つとむ」。

この作品の一番の不条理さは、「苗字がある主人公がいない」ということにあります。
主人公は「つとむ」。
画像下を見ていただくと気づくと思いますが、部長は「静夫部長」。
つとむがあこがれる美人先輩は「よし子先輩」。
誰一人として苗字がなく、かと言って、社内での呼称は「部長」ではなくて「静夫部長」というように、必ず下の名前を付けて呼ぶという、不思議感覚満載の作品です。

故郷「ぷりぷり県」。

この作品では、日本の各県の名物が出てくるのですが、つとむの出身だけが、まだ誰も知らない「ぷりぷり県」という県です。

故郷の「県」を心から愛し、他県にムダなライバル心を燃やすつとむ。

つとむは、故郷ぷりぷり県から就職で東京都にやってきましたが、先輩社員の「出身県」に対して異様なまでのライバル心を燃やしています。
上記画像左下で、つとむは東京タワーを無言でにらみつけていますが、これも、首都東京都(東京と言わずにあえて「東京都」と書きます。)の象徴である「東京タワー」に、自分の故郷ぷりぷり県にはない華やかさを見つけ、「東京都」へのライバル心を燃やしているので、にらみつけているのです。

ありえない不条理ワールド「ぷりぷり県」。

小学館発行「ぷりぷり県」吉田戦車・作第1巻27ページより引用。 (1996215)

via 小学館発行「ぷりぷり県」吉田戦車・作第1巻27ページより引用。
駅弁まつり(イメージ)。
この話では、つとむの会社の同僚たちが、各地のご自慢弁当を集めた「物産展」に出かけるのですが、同僚たちがそれぞれ自分の好きな名物弁当を選んでいると、つとむは激怒します。
「自分のふるさとの弁当業者さんが重い弁当をはるばる東京まで運んでくださったのだ。自分の故郷の弁当を選ばないとはどういうことだ!」と叫び、同僚たちを困らせます。
昼休みのわずかな時間しかない同僚たちは仕方なく、つとむの言う通り自分の故郷の弁当を選びます。
東京都出身のアキラ係長は「深川めし」、埼玉県出身のよし子先輩は「大宮盆栽すし」を買い、「故郷にはこんな弁当があるんだ」と、それなりに感心します。
そしてつとむの故郷ぷりぷり県の弁当を買おうと勇んで探したところ、ぷりぷり県の弁当は、なんと「ガガーリン弁当」・・・。
つとむが「こんな弁当みたことがなかった。」と言うと、店員さんは「人気がないのであまり作っていないんですよ。」という衝撃の発言。
なぜガガーリンの名前になっているかと言うと、ぷりぷり駅の駅弁屋の社長が、ガガーリンのファンであり、ガガーリンのイメージを弁当に表現できないかと考え、「地球は青かった」の発言を元に、ご飯に「青のり」をかけただけという、凄まじいアイデアの弁当を作ったらしいです。

駅弁・商品詳細 | ジェイアール東海パッセンジャーズ JRCP

980
東海道新幹線ならびに東海道エリアでお買い求めいただける駅弁・商品の商品詳細をご覧いただけます。
深川めしの画像を借用させていただきました。

鮨芳(すしよし) | 食事 | 大宮盆栽村

1000から
さいたま市北区盆栽町の住民による大宮盆栽村のご案内。食事処 鮨芳(すしよし) についてご説明します。
大宮盆栽すしは、現在は販売されていないようです。
大宮には盆栽村というレジャースポットがあるそうですね。
29 件

思い出を語ろう

     
  • 記事コメント
  • Facebookでコメント
  • コメントはまだありません

    コメントを書く
    ※投稿の受け付けから公開までお時間を頂く場合があります。

あなたにおすすめ

関連する記事こんな記事も人気です♪

伝説の不条理ギャグバトル漫画が奇跡の舞台化!『超ハジケステージ☆ボボボーボ・ボーボボ』のキャストと公演詳細が決定!!

伝説の不条理ギャグバトル漫画が奇跡の舞台化!『超ハジケステージ☆ボボボーボ・ボーボボ』のキャストと公演詳細が決定!!

漫画『ボボボーボ・ボーボボ』を舞台化した『超ハジケステージ☆ボボボーボ・ボーボボ』が東京・シアター1010にて10月に上演されます。
隣人速報 | 91 view
めくるとあの名作の主人公…少女少年たちが出現する巨大ピールオフ広告「少女まんがってなんだ?」が新宿駅に出現!!

めくるとあの名作の主人公…少女少年たちが出現する巨大ピールオフ広告「少女まんがってなんだ?」が新宿駅に出現!!

白泉社が発行する少女まんが雑誌『花とゆめ』が5月に創刊50周年を迎えるにあたり、5月27日(月)〜 6月2日(日)にかけてピールオフ広告を東京メトロ丸ノ内線新宿駅メトロプロムナードにて掲出しています。
隣人速報 | 136 view
明日の朝刊載ったぞテメー!加瀬あつしによる伝説のヤンキー漫画「カメレオン」のOVAが初のBlu-rayパッケージ化!!

明日の朝刊載ったぞテメー!加瀬あつしによる伝説のヤンキー漫画「カメレオン」のOVAが初のBlu-rayパッケージ化!!

フロンティアワークス(アニメイトグループ)より、加瀬あつし原作によるヤンキー漫画「カメレオン」のOVAを初のBlu-rayパッケージ化した映像作品『OVA「カメレオン」Blu-ray』が発売されます。
隣人速報 | 453 view
アイツらが梅田に帰ってきた・・・!平成を代表する伝説のギャグ漫画「行け!稲中卓球部」POP UP STOREが開催!!

アイツらが梅田に帰ってきた・・・!平成を代表する伝説のギャグ漫画「行け!稲中卓球部」POP UP STOREが開催!!

マンガ、アニメ、特撮などを始めとするサブカルチャーをテーマとした企画展を開催・運営しているクレイジーバンプが、大阪・ハンズ梅田にて「『行け!稲中卓球部』POP UP STORE in 梅田」を開催します。
隣人速報 | 406 view
ガタロー☆マン(漫☆画太郎)による笑本(えほん)新刊『おだんごとん』が好評発売中!!

ガタロー☆マン(漫☆画太郎)による笑本(えほん)新刊『おだんごとん』が好評発売中!!

マガジンハウスより、ギャグマンガ界の鬼才「漫☆画太郎」が「ガタロー☆マン」として描く、大人気の「笑本(えほん)」シリーズ待望の新作『おだんごとん』が現在好評発売中となっています。
隣人速報 | 340 view

この記事のキーワード

カテゴリ一覧・年代別に探す

あの頃ナウ あなたの「あの頃」を簡単検索!!「生まれた年」「検索したい年齢」を選択するだけ!
リクエスト