「ラコステ」と「クロコダイル」、ワニのロゴに違いはあるの?
「ラコステ」と「クロコダイル」の2種類あるけど一緒なのか、兄弟ブランドなのか、全く違うブランドなのか、わからないままの人も多いはず。
そこで、両ブランドの違いや長年に渡る因縁について紹介します。
実は「ラコステ」と「クロコダイル」は全く別のブランド。
ワニの頭の向きも異なっており、ラコステは右向き、クロコダイルは左向きと逆になっている。
『ラコステ』のブランドヒストリー
ブランドのトレードマークでもあるワニは、ルネ・ラコステの粘り強いプレースタイルからつけられたニックネーム「ワニ」(The Alligator, または Crocodile)に由来している。
ルネ・ラコステ(René Lacoste)
15歳からテニスを始め、4大大会のシングルスで、全仏選手権3勝、ウィンブルドン選手権2勝、全米選手権(現在の全米オープン)2連覇を達成し、通算7勝を挙げた。
1976年国際テニス殿堂入り。
結核のため25歳で引退し、スポーツウェアブランド「ラコステ」を立ち上げた。
それまで服の内側やタグに隠されていたブランドロゴをラコステがはじめて服の表に出したと言われている。
テニスラケットを生産していた時期もあったが、現在はテニス・ゴルフなどスポーツウェアを中心としたアパレルに特化している。
『クロコダイル』のブランドヒストリー
日本国内での展開としては、ヤマトインターナショナルが1963年に輸入する形で販売を開始。
ブランドの歴史では「ラコステ」より後発になるが、「ラコステ」が日本に上陸したのが1971年のため、日本においては「クロコダイル」が先に販売されていたことになる。
1980年にヤマトインターナショナルは日本におけるクロコダイルの商標を買い取り、輸入販売から自社ブランドへ切り替えている。
日米のプロゴルファーや阪神タイガース球団、巨人の中畑清とイメージキャラクター契約を行い、テレビCMや雑誌広告などの積極的プロモーションによって全国的にブランド知名度を高めていった。
クロコダイル 阪神タイガース主力選手出演CM(1981年)
パクリだ!いや違う!長年に渡る両社の『ワニ戦争』
日本においては、高等裁判所において「両者の関連する標示は共存しており混同を起こさない。」と和解に達し、1983年に和解契約を締結した。
フィリピンにおいては、2014年に「対象は安価な日用品や家庭用品ではなく慎重に購入する商品である、さらに文字と図形が組み合わされているため、購入者に混同を招くとは言えない。」とクロコダイルの商標登録に対するラコステ社の異議申立を退けた。
中国においては、共に高い人気と知名度があり、 『ラコステ=フランスワニ』、『クロコダイル=香港ワニ』と全く別のブランドとして認識されているため、混同することはないという理由で何度もラコステ側が敗訴していた。
しかしラコステ側が何度も訴え続けた結果、2003年10月23日、クロコダイル側が従来のロゴの使用をやめ、ワニの色に緑色を使わず、ワニの鱗を細かくリアルに描かれたものに変更することで和解した。
ラコステのワニはデフォルメされ可愛らしいのが特徴。
クロコダイルのワニはリアリティを感じさせる雄々しさが特徴。
こうしてデザインを並べて比較すると間違えるほどの類似性は感じられない。