【歌謡曲】女性アイドルが女性アイドルをカバー!?どっちが好きか聴き比べ7選
2023年3月3日 更新

【歌謡曲】女性アイドルが女性アイドルをカバー!?どっちが好きか聴き比べ7選

女性アイドルの楽曲は、実力派のソングライターが手がけた名曲が多く、後に別の女性アイドルが同じ曲をカバーすることがよくあります。ヒット曲になるかは別として、それぞれの作品にはアイドルごとの魅力があり、聴き比べるといろんな発見があるものです。今回は1980年代にフォーカスし、女性アイドルが女性アイドルをカバーした曲7選をご紹介します。

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彼が初恋(南沙織→石野真子)

南沙織版
タイトル:『ふるさとの雨』
リリース日:1971年10月1日
作詞:有馬三恵子
作曲:筒美京平
編曲:筒美京平

石野真子版
タイトル:『彼が初恋』
リリース日:1980年9月21日
作詞:有馬三恵子
作曲:筒美京平
編曲:矢野立美

石野真子のシングル『彼が初恋』は、元々は『ふるさとの雨』というタイトルの曲で、南沙織のデビューアルバム『17才』の収録曲でした。石野真子のカバーでは、タイトルだけでなく、歌詞の一部も変更され、間奏に「あなたと別れて のばし始めた髪も もう背中まで届きました」というセリフが加わっています。通算11枚目のシングルで、オリコン22位のヒットを記録しました。

実は、小泉今日子が石野真子の大ファンで、「スター誕生!」の決戦大会で歌ったのが本曲です。

南沙織『ふるさとの雨』

南沙織 - ふるさとの雨 (1971)

石野真子『彼が初恋』

石野真子 彼が初恋 1980

まちぶせ(三木聖子→石川ひとみ)

三木聖子版
リリース日:1976年6月25日
作詞:荒井由実
作曲:荒井由実
編曲:松任谷正隆

石川ひとみ版
リリース日:1981年4月21日
作詞:荒井由実
作曲:荒井由実
編曲:松任谷正隆

『まちぶせ』は、ユーミンこと荒井由実(当時)の作詞・作曲で、三木聖子の歌手デビューのために書かれた楽曲です。当時、彼女はすでに女優としてデビューしており、本曲で歌手としてデビューを果たしました。オリコン47位とまずまずのヒットでしたが、結局シングルは通算3枚のリリースに終わり、翌1977年に引退しています。

一方、その5年後、本曲をカバーしたのが石川ひとみで、11枚目のシングルとしてリリースしました。彼女にとっては唯一のトップ10ヒットで、オリコン6位(年間33位)を記録しています。当時、『プリンプリン物語』の声優としては活躍していたものの、歌の方はヒットに恵まれず、芸能活動を続けるか悩んでいた時期でした。そんな時、本曲のシングル化の話があり、デビュー前によく歌っていた彼女は、自ら志願したといいます。その結果、原曲を超える大ヒットとなりました。
高校の同級生は大学に進学したので、両親を説得したのが4年間でした。でも、自分が描いた歌手人生とはほど遠くて。次の曲で見切りをつけて、人生を見直そうと決めていました。最後だから、悔いのないようにと、自分が気に入った曲を選ぼうと決めました。それまでは、ディレクターやスタッフの指示に従っていたのですが、『まちぶせ』では、初めて、この曲を歌いたいと直訴しました

三木聖子『まちぶせ』

三木聖子 ♪ まちぶせ/1976

石川ひとみ『まちぶせ』

石川ひとみ まちぶせ

ハロー・グッバイ(アグネス・チャン→柏原よしえ)

アグネス・チャン版
タイトル:『ハロー・グッドバイ』
リリース日:1975年12月10日
作詞:喜多條忠
作曲:小泉まさみ
編曲:萩田光雄

柏原よしえ版
タイトル:『ハロー・グッバイ』
リリース日:1981年10月15日
作詞:喜多條忠
作曲:小泉まさみ
編曲:竜崎孝路

『ハロー・グッバイ』は、元々は『ハロー・グッドバイ』というタイトルで、アグネス・チャンの12枚目のシングル『冬の日の帰り道』のB面曲でした。その後、2番の歌詞が変更されて、タイトルも『ハロー・グッバイ』に変更されます。最初にカバーしたのは、柏原よしえではなく、讃岐裕子という歌手でした。

1981年、すでにアイドルとして人気だった柏原よしえが本曲をカバー。彼女にとって初の大ヒットとなり、オリコン6位(年間45位)を記録しました。アイドルらしい左右に体を揺らす振りが特徴的で、日本レコード大賞では、田原俊彦、松田聖子、河合奈保子とともに「ゴールデン・アイドル賞」を受賞しています。その後はトップ10の常連となり、『春なのに』『渚のシンデレラ』『恋人たちのキャフェテラス』など続々とヒット曲が誕生しました。

因みに、"紅茶のおいしい喫茶店" は、実在する喫茶店で、南こうせつの兄のお店です。
柏原芳恵が歌い、大ヒットした「ハロー・グッバイ」(1981年)で、♪紅茶のおいしい喫茶店~とはどこなのか。このほど74歳で亡くなった作詞家喜多條忠さんに構成作家チャッピー加藤氏が電話で質問したところ、こんな答えが返ってきたという。

「あれは南こうせつさんのお兄さんが地元大分で開いていた店なんです」

と。当時かぐや姫のツアーによく同行していて、九州公演の際の行きつけだった。

アグネス・チャン『ハロー・グッドバイ』

Agnes Chan 陳美齡 アグネス・チャン ハロー・グッドバイ

柏原よしえ『ハロー・グッバイ』

ハロー☆グッバイ 柏原よしえ('81)

素敵なラブリーボーイ(林寛子→小泉今日子)

林寛子版
リリース日:1975年9月10日
作詞:千家和也
作曲:穂口雄右
編曲:穂口雄右

小泉今日子版
リリース日:1982年7月5日
作詞:千家和也
作曲:穂口雄右
編曲:矢野立美

『素敵なラブリーボーイ』は、子役時代からマルチに活躍していた林寛子の6枚目のシングルで、彼女が16歳になる直前にリリースされました。オリコン31位を記録し、彼女にとって最大のヒット曲となります。1980年に20歳で結婚。その後のマルチタレントとしての活躍ぶりは、周知の通りです。

一方、その7年後、本曲をカバーしたのが小泉今日子。デビュー曲『私の16才』に続く2枚目のシングルで、オリコン19位と前曲を超えるヒットとなりました。実は、『私の16才』も1979年に森まどかが歌った『ねえ・ねえ・ねえ』のカバーです。その後、『ひとり街角』『春風の誘惑』『まっ赤な女の子』と着実にランクアップし、アイドルとしての人気を確立していきました。

林寛子『素敵なラブリーボーイ』

林寛子

小泉今日子『素敵なラブリーボーイ』

小泉今日子 1982年8月9日

色づく街(南沙織→三田寛子)

南沙織版
リリース日:1973年8月21日
作詞:有馬三恵子
作曲:筒美京平
編曲:筒美京平

三田寛子版
リリース日:1982年10月1日
作詞:有馬三恵子
作曲:筒美京平
編曲:川口真

『色づく街』は、デビュー以来順調にヒットを続けていた南沙織の9枚目のシングルで、オリコン4位(年間37位)のヒットを記録しました。南沙織はカバーされることの多い歌手ですが、本曲も『17才』と同様、様々な歌手に歌われている楽曲です。紅白歌合戦で二度歌っており、一度目は本曲がリリースされた1973年、そして二度目は復活で話題になった1991年です。

一方、1982年に3枚目のシングルとしてカバーしたのが三田寛子。前2曲からはランクを落としたものの、オリコン50位とまずまずのヒットで、以後歌手としては1987年まで活動しました。
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