メーテルの歴史:メーテルの母から『銀河鉄道999』以前のメーテル(15歳から)・『銀河鉄道999』のメーテルまで
メーテル
白い衣装も似合います。ちなみに大人のメーテルが黒い服を着るのには、機械帝国崩壊のために命を落とした少年たちへの“喪服”の意味が込められている
メーテルの体について
体に関しては謎も多く、生身の人間なのか、機械化人なのか、原作およびテレビ版や映画において様々な描写がされており、明確にはなっていない。
劇場版1作目では分身として惑星メーテルがあり、原作では巨大な機械の生首となっている母・プロメシュームの背面にメーテルの顔が配置されている。原作でメーテルはこのプロメシュームの背面にある顔を「分身」と呼び、分身のメーテルは「かよいあう同じひとつの心をもったふたつの存在」と語っていることから、生身の体と機械の体双方で人格を共有していることが判明している。背面にあるメーテルの分身を介してメーテルの考えや行動がプロメシュームに伝わっていた。
劇場版1作目のラストで鉄郎と別れる際に、冥王星にあると思しき元の体に戻ることを示唆し、たとえ再会して鉄郎の傍にいても彼が気づくことはないだろうとする旨を語ったが、続編である映画2作目では変わらぬ姿で登場した。作中で元の体に戻らなかった理由については語られていない。
『レジェンド』において、メーテルそっくりの顔をした『新竹取物語 1000年女王』のヒロイン、雪野弥生と『999』のプロメシュームが同一人物という設定が明確にされた結果、『レジェンド』が発表された2000年以降は、機械化人になる前のプロメシュームの容姿をメーテルが受け継いだと解釈されている。
メーテルの母であるラー・アンドロメダ・プロメシューム(1000年女王・地球名:雪野弥生)と双子の姉妹「メーテル」と「エメラルダス」
メーテルとエメラルダスは双子の姉妹という設定がなされた。
OVA『メーテルレジェンド』において弥生がメーテルとエメラルダスの母・プロメシュームとして登場し、機械帝国の女王へと変貌する様子が描かれた(後述)。
メーテルの設定の変遷
1990年代以降の松本による設定変更などに伴い、彼女の母・プロメシュームは『1000年女王』のヒロイン・雪野弥生(ラーメタル名ラー・アンドロメダ・プロメシューム)と同一人物とされている。
また、かつては一人娘という設定だったが、エメラルダスが双子の姉ということになった。これに伴い、『宇宙交響詩-』などの近年の作品ではエメラルダスは母に反発し、袂を分って機械化世界への抵抗を続ける宇宙海賊の一員となった、とされている。
これにより『999』映画2作目での、プロメシュームが語る「ラーメタルに城を建てて暮らしていたが、人という人に裏切られメーテルと共に宇宙船でラーメタルを脱出した後、アンドロメダ大星雲中心部付近の石ころのような惑星に辿り着いた」というメーテルの過去と、1990年代以降に発表された作品で描かれる彼女の過去とは整合性の取れないものとなっている。
メーテルに関する歴史において作品の時系列順は、『1000年女王』→『レジェンド』→『宇宙交響詩-』→『999』という順番になる
メーテルの歴史『新竹取物語 1000年女王』『銀河鉄道999』『メーテルレジェンド 交響詩 宿命』『宇宙交響詩メーテル 銀河鉄道999外伝』
・テレビアニメ『新竹取物語 1000年女王』
・劇場版 1000年女王
『銀河鉄道999』以前のメーテル(15歳から)の歴史
・OVA作品『メーテルレジェンド 交響詩 宿命』(2000年)
・『宇宙交響詩メーテル 銀河鉄道999外伝』(2004年)
『銀河鉄道999』のメーテルの歴史
時系列順では、『1000年女王』→『レジェンド』→『宇宙交響詩-』→『999』となる。ただし、作品の発表順は『999』→『1000年女王』→『レジェンド』→『宇宙交響詩-』となっており、整合性も十分に図られていない。
『新竹取物語 1000年女王』 メーテルの母であるプロメシューム(地球名:雪野弥生)の地球での青春ストーリー
メーテルの母親「1000年女王ことラー・アンドロメダ・プロメシューム(地球名:雪野弥生)」
『999』劇中において、機械帝国の最高権力者・女王プロメシュームとして登場。メーテルの母にして機械帝国の建国者であり、かつてはドクター・バンと夫婦であった。「機械の体」による永遠の命を全宇宙に拡大すべく野望を燃やす。
2000年以降、『999』と『1000年女王』のミッシングリンクを埋める作品という位置付けがなされたOVA作品の『メーテルレジェンド』およびTVアニメ『宇宙交響詩メーテル 銀河鉄道999外伝』が発表され、『1000年女王』の雪野弥生=『999』のプロメシュームという設定が明確なものとなった。
その結果、プロメシュームのフルネームは『1000年女王』作中で明かされた弥生のラーメタル名となり、『1000年女王』は彼女の若かりし頃を描いた作品という位置付けが明確にされた。
これに伴い『レジェンド』において、ラーメタルに帰還した弥生が機械帝国の女王プロメシュームへと変貌していく過程が描かれた。なお、この過程は『999』映画2作目などで本人やメーテルから語られる経緯とは大きく異なる。
松本は本作について「この『1000年女王』はメーテルの母親にまつわる物語、つまり、時系列的に『999』以前のもので、私の宇宙物にとって、絶対に欠かせない作品なんです。この『1000年女王』が無いと、一つの輪の重要な接点が無くなるんです。」と述べており、自身の作品世界を構築する上で重要な位置づけであることを明言していた。
だが劇中ではそうした『999』との関連性については明示されることはなく、映画版のテレビCMで「1000年女王は、メーテルなのか?」というコピーが使われ始めた頃には松本自身も「雪野弥生はメーテル」と言い出したこともあって連載中は本作が『999』の前史であることや、メーテルの母・プロメシュームの物語ということが大きくアピールされることはなかった。
しかしその後、本作の後日談で『999』の前日談となるアニメ作品『メーテルレジェンド』(2000年)と『宇宙交響詩メーテル 銀河鉄道999外伝』(2004年)で本作のヒロイン・雪野弥生が『999』のプロメシュームであることが作中で明示された。
2009年末から2010年初頭にかけて産経新聞出版より全3巻で刊行されたコンビニコミック版では、表紙に「メーテルの母の青春」というコピーが入っており、本作が『999』の前史であることと、メーテルの母・プロメシュームの物語であることをアピールするものとなっている。
本作の「姉妹が女王に反抗し、一方は賊に身を落とす」という設定は1996年にビッグゴールドで連載を再開した『999』とその関連作品に引き継がれ、これに伴いプロメシュームの一人娘という設定のメーテルと彼女とはライバルという位置づけだった女海賊エメラルダスは姉妹となり、『メーテルレジェンド』と『宇宙交響詩』は「かつてセレンと共に姉妹で女王ラーレラに反抗した弥生が、やがて自らが女王プロメシュームとなり、そして娘のメーテルと海賊エメラルダスの姉妹に反抗される」という因縁話となっている。
劇場版 1000年女王(1982年3月13日)
劇場版 1000年女王
1999年、地球へと接近する太陽系第10番惑星の存在が確認された。東京郊外のとある町に住む中学生の少年・雨森始は、学校から帰宅した際に自宅の電子鉄工所で起こった爆発事故で両親を失ってしまう。自身も爆発に巻き込まれ、入院先の病院で謎の女性と出会う。数日後、伯父が所長を務める筑波山天文台を訪れると、そこには病院で出会った謎の女性がいた。彼女の名前は雪野弥生で、伯父の助手だという。
爆発事故と前後して、始の周りで怪事件が起こり始める。そこにちらつく謎の組織・1000年盗賊の影。やがて始は地球に近づく謎の惑星がラーメタルという名の星であること、弥生の正体がそのラーメタルから派遣され、永い間人知れず地球を導いてきた1000年女王であることを知る。
そして運命の時「1999年9月9日零時9分9秒」が、刻一刻と迫りつつあった。
(出典:Wikipedia「新竹取物語 1000年女王」)
星野鉄郎を銀河超特急999号での旅へと導き、共に旅をする謎の美女。母親は、機械帝国の女王プロメシューム。父親は、反機械化世界を目指している ドクター・バン。
母プロメシュームの命により「機械化惑星を強化する部品とすべく、鉄郎を始めとする数多くの意思強固な青少年たちを集める」という役目を担っていた。
だが、それは同時に父親のバンによる「機械化惑星を破壊すべく、多数の同志をその中心部へ送り込む」という作戦のための行動でもあった。この相反する2つの目的を同時に背負いながら鉄郎と旅をしている。
劇場映画第2作『さよなら銀河鉄道999』において、出身が惑星ラーメタルであることが判明した。数万年に近い寿命を持つラーメタル人だが、その肉体は冥王星の氷の下に封印されているとみられる。
松本零士の作品に登場する美女たちに共通する、長い睫毛に切れ長の目、瞳の色はブラウン。腰まで伸びた金髪(光沢のある亜麻色)が特徴。
作中では、憂いを帯びた表情や寂しげな微笑みを浮かべていることが多い。細身の肢体の肌には目立つような傷や黒子はない。膝下丈の長袖ワンピース、首周り・袖口・裾に毛皮#ファーをあしらったケープ付きコート、ロングブーツ、アストラハン帽子を身にまとう。いずれもカラーは黒で統一されるが、これは彼女の弁によれば「喪服」としての意味合いを持つためである。
『メーテルレジェンド』や『ニーベルングの指環』などの幼少期を描いた作品では表情に陰りは見えない。当時は白いファーを着用していたが、その後、「母が機械化により心を失う」「機械帝国崩壊のために身を捧げた少年たちの運命を背負う」といった出来事を体験するにつれ、その色も青(『コスモウォーリアー零』)や赤(『宇宙交響詩メーテル』)、黒へと変わっていった。
ホテルなどでくつろぐ際にはロング丈のワンピース、高温の惑星では黒ビキニを着用することが多い。下着に関しては原作最終回における鉄郎との別離の際の発言から、「カモフラージュランジェリー」なるものを普段は着用していたようである。
(出典:Wikipedia「メーテル」)