後世に伝えるべし!「ひょっこりひょうたん島」の真の魅力
2017年6月22日 更新

後世に伝えるべし!「ひょっこりひょうたん島」の真の魅力

1964年~1969年にかけてNHKで放送された人形劇『ひょっこりひょうたん島』。90年代にはリメイク版も放送されているため、リアルタイム世代ではなくても、なじみ深いという方も多いのではないでしょうか?本稿では、長きに渡って愛されている同作の魅力についてまとめてみました。

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ひょうたん島のあらすじ。あなたは覚えてる?

『ひょっこりひょうたん島』は、ミュージカル形式の人形劇。ひょうたん島を舞台に巻き起こる奇想天外な冒険活劇であり、これまで16シリーズ(他スペシャルが2編)が放送されてきました。

物語は、あらすじは以下の通りです。

ある時、ひょうたん島へ遠足にやってきたサンデー先生と子どもたち。ところが、ひょうたん火山が噴火したものだから、さぁ、大変!急いで逃げようとするも、漂流を始める島に取り残されてしまいます。さらに、彼女たちの前には、ドン・ガバチョやダンディといった一癖もふた癖もある人物が次々と登場。かくして、奇妙な島民たちを乗せたひょうたん島・冒険の旅が始まるのです…。
オリジナル版の『ひょっこりひょうたん島』(1964~1...

オリジナル版の『ひょっこりひょうたん島』(1964~1969年放送)

もちろん、白黒放送だった

60年代、90年代、00年代…3年代にわたって放送される

オリジナル版が放送されたのは、1964年4月6日~1969年4月4日(月~金曜日の17:45~18:00放送)。その後リメイク版として、1991年4月より5編が放送。このときは1話30分構成に変更されます。2003年4月13日~2004年3月28日にかけては、テレビ放送50周年記念企画として、再放送がなされています。
2003年にはアンコール放送というカタチで再放送された

2003年にはアンコール放送というカタチで再放送された

個性豊かなキャラクターたち

まず、登場するキャラクターたちを振り返ってみましょう。
ひょっこりひょうたん島に登場するキャラクターたち

ひょっこりひょうたん島に登場するキャラクターたち

前列左からライオン、博士、プリン、テケ、チャッピ、ダンプ。後列左からダンディさん、サンデー先生、トラヒゲ、ドン・ガバチョ、ムマさん
遠足に来ていたサンデー先生と子どもたち(博士、プリン、テケ、チャッピ、ダンプ)。名前も覚えやすく、デザインも、個性的でわかりやすくなっています。
その後、ひょうたん島に漂流して住人となる大人たちに、ダンディさん(マシンガン・ダンディ)、トラヒゲ、ドン・ガバチョ、ムマモメム(通称ムマさん)がいます。このあたりから、登場するキャラクターの名前のインパクトが強くなっていく印象を受けます。

特に印象的だったのが、「海賊シリーズ」から登場する海賊メンバーです。
海賊メンバーたち

海賊メンバーたち

上の段左が、ドタバータ
上の段右が、ドタバータ
下の段左が、トーヘンボク
下の段右が、ガラクータ
いずれも、覚えやすさ抜群のキャッチーなネーミングではないでしょうか。キャラの書き分けも実に明確で、ガラクータ=元貴族のため上品な言葉づかい、トーヘンボク=食事担当だけどラーメンばかりつくってしまう、ドタバータ=物忘れが激しい、ヤッホー=元山賊だから泳げない、など、4人それぞれにしっかりと個性を持たせています。

奇想天外な登場シーン!どうやって漂流の島に来たか!?

マシンガン・ダンディ

マシンガン・ダンディ

まずマシンガン・ダンディ。彼はシカゴ出身のギャングで、お尋ね者でした。ヘリコプターで護送されているときに脱走し、傘をパラシュート代わりに、優雅に降り立った場所がひょうたん島でした。
トラヒゲ

トラヒゲ

トラヒゲは、見た目通り海賊。盗品をイカダに乗せて、ひょうたん島に流れ着きました。海賊なだけあってとてつもない守銭奴ですが、情にもろい一面も。また、サンデー先生に密かな恋心を寄せています。
医師のムマモメム

医師のムマモメム

そのトラヒゲがもってきた盗品の金庫に監禁されていたのが、医師のムマモメム。かなりの毒舌家で、その発言により周囲を困惑させることもしばしば。
ドン・ガバチョ

ドン・ガバチョ

ドン・ガバチョは、イギリカ国のドンドン市出身の政治家。彼の登場は、ことさら衝撃的です。
トラヒゲの盗品のひとつであったテレビをつけると、ドン・ガバチョが記者会見をしていました。演説好きの彼は、どんどん熱が入り、顔がどアップになっていくかと思うと、「こちら側」ひょうたん島にこぼれ落ちるかたちで上陸。そのまま、ひょうたん島の初代大統領に就任してしまうのです。

実はサンデー先生も子供たちも、みんな死んでいた!?

そんなキャラクターへ命を吹き込んだ原作者が、小説家として知られる井上ひさしと、児童文学者の山元護久です。本作の制作にあたって、ふたりで同居生活をし、「どういったルールが必要か」を徹底的に練り上げたといいます。

ちなみに、井上の創作にあたるときのモットーは「難しいことを易しく、易しいことを深く、深いことを面白く」なのだとか。特にその理念が表現されているエピソードとして、「ひょうたん島の裏設定」にまつわる逸話があります。
井上は、現実に起こりうる島内での食糧問題をスルーするため、また、「子供たちが大人や親から独立して生き抜くユートピア」を表現するため、ひょうたん島を「死後の世界」として描くことを決意します。

つまり、最初に起きた火山の噴火で、子供たちもサンデー先生も全員死んでいたのです。井上は劇中に「御詠歌」や「四国霊場物語」を登場させて、死後の世界を暗示させていたといいますが、本人が公表するまでほとんどの人は気付かなかったようです。
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